第146回臨時国会 予算委員会 横路孝弘委員質問全文
 1999年12月6日


○島村委員長 この際、横路孝弘君から関連質疑の申し出があります。菅君の持ち時間の範囲内でこれを許します。横路孝弘君。
横路委員 主として総理にお尋ねをしてまいりたいと思いますが、最近、新聞の川柳にこういうのが出ていました。「チンしてもだんだん味が悪くなり」今国民は怒っているんですね、この自自公三党政権に、小渕政権に。
 怒っている一番大きな問題は何か、介護保険の問題です。二十一世紀の日本の社会を考えた場合に、やはり今、介護の体制をしっかりどう整備するのかということは、政治の抱えている一番大きな課題です。それを、公的介護保険制度の導入ということで、国会でいろいろ議論があったけれども決めた。その決めたことに従って、地域の中で、全国本当に無数にあちらこちらの地域の中で議論が行われてきたわけであります。
 まず、市町村も、初めは消極的なところも中にはあったかもしれない。しかし、だんだん地域の皆さんと議論をしていって、この地域の福祉をどうしていくのか、そして来年の四月を前にして、数十回、数百回、地域の人々とひざを突き合わせていろいろ議論をして話を聞き、説明会を積み重ねてきた。多くの市民の人たちも、これから老後を迎える人も含めて、やはりなれ親しんだ地域の中で生活をしていきたい、そのためには自分たちの老後を含めてこの地域の福祉というものをどうしていったらいいのか、市民の人々も積極的に議論に参加をした。
 あるいはまた、企業家の皆さんも、ベンチャーと言われますけれども、この際福祉の事業に取り組んでみよう、これもまた全国でたくさんの新しい福祉の事業が誕生しようとしています。そしてまた高齢者の方も、今までは政府が決められたとおり選択権はなかった、今度は保険料を出すわけですから、自分たちに選択ができる、同時に供給する側にも意見をもっと言えるようになるんじゃないか。現に、各地域の中では、特別養護老人ホームだとか病院だとかいろいろな施設に対する注文も市民の側から出てきたんですね。
 こうして市民のNPO、市民の事業も活動が活発になってきた。行政も事業者も、それから市民もお年寄りの人たちも、みんなが一緒になって、この地域における介護の体制、それを含む福祉というものをどうするか、大いに議論が盛り上がってきたところで今回の決定ですよ。今までの積み重ねをひっくり返して三党が強引に決めて、政府もそれを受け入れた。みんなが怒っている。総理、わかりますか、こういう状況に今あることを。
○小渕内閣総理大臣 御指摘の今回の措置は、おおむね半年間、保険料にかかわる部分について実施しない、国が医療保険者に財政支援を行う、現にホームヘルプサービスを利用している低所得者の利用者負担は当面三%程度に軽減するという与党三党の申し入れを重く受けとめて、政府としては方針を決定したものでございまして、今回の措置は、いずれも、介護保険法を円滑に実施するため、国民の皆様が新しい制度や負担になれるまでの間、経過的激変緩和措置を講ずるものであると考えております。
 今、横路委員御指摘のように、来年四月一日から実施をするということで、各市町村におきまして熱心な準備を進められてきたということは十分承知をいたしております。しかし、政党政治という立場で、三党の合意によりまして今冒頭申し上げましたような措置を講じたことでございまして、すべて怒っておるというお話でございますが、中には、こうした形で保険料を半年間でも経過的に取らない、こういう措置その他につきましても、各市町村におきましてその点については理解が深まっている点もありまして、すべからくよりよきものを目指していくというのは政党政治として当然のことであり、政府としてもそれを受けてこのような決定をいたしたことに私は誤りがなかった、このように考えている次第でございます。
○横路委員 だんだんと議論をしていきたいと思いますが、最近の世論調査で、三党、自自公政権に対して否定的な見解が六割、今回の介護保険にかかわる措置につきましても、これは認められないというのがやはり六割という最近の世論状況になっているのであります。
 そこで、今回の介護保険制度の見直し、この一つのきっかけになったのが、自民党の亀井政調会長の子が親の面倒を見るのは我が国の美風であるという発言がベースになっております。このような美風を損なうこの制度は問題がある、こういう発言をされて、そこから議論が始まったのですね。この発言を結局最後には総理も受け入れたということになるわけでありますけれども、総理はどう考えますか、この亀井発言について。
○小渕内閣総理大臣 いろいろの議論の経過はあろうかと思いますけれども、やはり与党第一党、亀井政調会長御指摘の点につきましては、そうした点もあろうかというふうに判断いたしております。
○横路委員 私はできるだけ、事実関係を私の方から指摘いたしますので、総理のお考えをお伺いしたい。各大臣は御指名をいたしますので、そのときにお答えいただきたいと思います。
 これはしかし、総理、非常に基本的なところなんですよ。総理自身は亀井さんとは違う考えなんですか。今この介護をめぐる状況というのは非常に深刻になってきているわけです。みんなだれでも家族の愛情ある介護は大切だと考えてやっているんですよ。しかし、それがもう肉体的にも精神的にも限度、限界を超えているというところにこの制度を導入した大きなスタートがあったわけですね。
 まず第一に、介護は非常に長期化をいたしております。今家族介護をされている世帯が百十万世帯、寝たきりの方を抱えている世帯が三十二万世帯と言われています。そして、寝たきりの方のうち、半数以上は三年以上寝ておられるんですね。介護はだんだん長期化している。そして、介護者の方も高齢化している。その寝たきりの方を介護している半分以上は六十歳以上です。四分の一は七十歳以上ですよ。七十歳以上の方が九十以上の方の面倒を見ている、こういう状況なんですね。
 しかも、最近は一人で二人以上の方の面倒を見ている、こういう介護の現実にもあります。あるいは遠距離介護、例えば長男のところでもってお母さんの面倒を見ている、私たちも協力しようというので、朝家を出て夕方までそこで面倒を見る、こういうような方もふえてきている。さらに、重度化してきますと、なかなかやはり素人じゃ面倒を見切れない。どうしても、やはり専門家の介護というのも、バックアップというのも必要になってくる。こういう今日の介護をめぐる深刻な状態ということの中から、いろいろ議論をして、この介護保険制度というのはスタートしたのですね。
 だから、亀井さんの言っていることは全然現実を見ていないわけですよ。それを我が党の政調会長の言ったことだから、これを受け入れてやりましたなんというのは、それは総理大臣、みんな国民はがっかりしますよ。
○小渕内閣総理大臣 まず、もともとこの介護保険制度を導入しようとしたことにつきましては、今横路委員おっしゃっていたこと、これは共通の認識があったと思うんですね。したがって、やはり保険制度といいますか、国民もその保険を支払うということと同時に、老後についても安心感が得られるような形として、この制度は、御案内のとおり、まだ各国すべてやっているわけじゃありませんが、ドイツの例に倣ってこれを導入したということは、コンセンサスがあったと思うんです。
 ただ、亀井政調会長のおっしゃるのは、その中で、いかにしても、機械的といいますか、そうした形で子供が親の面倒を見るという精神が失われてはいけないのじゃないか、こういうことを問題として提起をされたことではないかというふうに考えております。
 先般も、今お話しのように、老老介護の問題につきましても、百歳を超える方を七十歳の方が、行天さんと言われましたかな、ドキュメンタリーがありまして、私も眼を大きくして見ておったのですが、実に、こうした中で家族介護の難しさ、問題点は承知をしておりますが、さりながら、息子さん、すなわち七十歳を超えられる方が、親であるがゆえにやはり自分で面倒を見ようという気持ちもその気持ちの中に大きくあってこそまたできるということでありまして、その点が介護保険という名のもとに忘れられてしまってはいけないということで、亀井さんとしては、みずからの生活体験も含めまして問題を提起された、こういうふうに私は理解しております。
 御指摘のように、亀井さんの言っていることを受けたからすべてそれを処理しよう、こういうことでないことは、今回三党が申し出いたした点につきましても、いわゆる家族介護の慰労金の問題につきましても、それはそれなりの効果が発揮のできるように、介護保険制度が出発をいたしましても必ずしもまだそれがすぐ実行のできないような地域も含めまして、また、この保険制度が出発のできないような地区における介護に対しての手当てとして、慰労金の制度として政府としてはこれを受け入れさせていただいたということにおいても御理解が願えるのではないか、こう考えておる次第でございます。
○横路委員 その点は後で議論しますが、総理、みんな全国どこでも、やはり子供は親のことを心配して、できる限りの努力をしているのですよ。していますけれども、例えば痴呆性が厳しくて、もう一日朝から晩まで全然家も出られない、そういう方もおられるのですね。ですから、少し社会でバックアップしようじゃないか、こういうことなんですよ。
 総理、ことしの補正後の予算は八十九兆円です、大体。そのうちの公債発行額が三十八兆円ちょっとですね。それで、依存度が四三・四%。今回の補正予算でも、全体の事業費十八兆円、七兆五千六百六十億の公債の追加発行ですね。しかも、税などの減収が一兆四千億以上あるということになっています。歳入欠陥もある中で、財政もなかなか厳しいわけですね。そうした中で、市町村は、保険料を取ってやりましょうということで、みんな議論をして順調に進んできているのですよ。財政のことを全く考えないのですか。それは、確かに景気対策に必要だ。しかし、地域が議論をして、地域の国民合意の上で、保険でやりましょう、四月からスタートしようと言っているときに、どうしてわざわざ、この財政状況厳しく歳入欠陥のある中で、赤字国債をまた発行してこういう措置をやるのですか。
 総理の頭の中に――総理です、これは。総理の頭の中に、今、一体財政という問題についてどう考えておられるのですか。わざわざ何もこういう措置をとることはないじゃないですか。少しでもやはり財政の歳出はチェックをするということが必要でしょう。全然考えませんでしたか。どうなんですか、総理。
○小渕内閣総理大臣 これもしばしば申し上げておりますけれども、財政再建ということを常に念頭を去らずこの仕事に専念をしておるつもりでございますが、しかし一つは、言うまでもありませんがこの景気を回復しなきゃならぬということで、財政再建に対しての法律もこれを凍結させていただきながらも、何とか経済再生のために必要としておるわけでございます。
 一方、社会保障関係につきましては、本来的にもこれから十分な検討をしなきゃならぬことはけさほど申し上げましたけれども、しかし、その中における介護保険につきまして、先ほど申し上げたように、やはりスムーズに来年四月からこれを実行するために、四月からの保険料を納めていただくことにつきましては、この際、財政支出はありましてもこれはやらなければならない、こう考えたわけでございます。この点につきましては、申し上げましたように、三党としても種々いろいろ検討いたした結果、そのような措置を講ずることがより望ましい、激変緩和にもなる、こういうことでございましたので、なるほどこれを財政面から考えますと大変な負担ではありますけれども、これを実行することが現下必要と考えて予算的に措置をさせていただいた、こういうことであります。
○横路委員 市町村は喜んでいませんよね、市長会も町村会も。今回の措置、何だと言っているじゃありませんか、全国知事会も。
 私は、相当考え違いをされているんじゃないかと。国民は負担を軽減しさえすれば喜ぶんだ、無料にさえすれば喜んで自自公に投票してくれるんだというように考えているんじゃないんですか。国民は違いますよ。税についての最近の世論調査を見てごらんなさい。一生懸命働いてちゃんと税金を納めますよ、しかし、その納めた税金はちゃんと使ってくれ、現在と将来の国民のために使ってほしいということなんですよ。
 地方で議論してきて、保険でやりましょうといって、みんな順調にずっと作業が進んできているのに、なぜわざわざこんな措置をするんですか。私は、今回の三党の措置、そしてそれを政府が受け入れたというのは、ある意味では国民をばかにしている、そういう措置だと思いますよ。総理、いかがですか。
○小渕内閣総理大臣 マスコミ的に言えば巨大与党ということだと思いますけれども、これだけ多くの国会議員が内閣をともにしていたそうという、その基盤になっておるのは三党でございまして、その三党の政策担当者が種々検討の上、現下においては、四月以降の保険料についてはこのような措置を講ずるということをいたしたわけでございますので、政府としては、それを真剣に受けとめて対処したということでございます。その正否については、これは結論を言えば、国民が判断されることだろうと思いますけれども、その点については、我々としては、この政策をとることが、結論的には、現下の介護保険という日本で初めて取り組まなきゃならないこの制度をより円滑に推進するために必要だという認識をいたした結果、このように措置した、こういうことであります。
○横路委員 要するに、はっきりしたのは、三党のことだけ考えてやったということですよね。地域の中で努力してきた自治体のことも、介護で毎日苦労している人のことも全然頭にない。三党で決めたから、三党で決めたから。地域の中では、全国で二年以上議論してきたんですよ、総理。
 総理、今、例えば六十五歳以上の方は半年徴収凍結、一年間半額、その後どうされるつもりなんですか。
○島村委員長 丹羽厚生大臣。(横路委員「いや、総理、総理」と呼ぶ)丹羽厚生大臣。委員長の整理権。
○丹羽国務大臣 先ほど来、私の担当しております介護保険の問題について委員から御懸念の御質問がございました。
 まず委員に御理解をいただきたいのは、現在寝たきりのお年寄りが……(横路委員「質問だけに答えてください、時間がないんですから。だめだよ、こんなの」と呼ぶ)わかりました。じゃ……
○島村委員長 答弁続行願います。
○丹羽国務大臣 なるべく手短に答えます。手短に答弁します。
 要するに、先ほど来総理が申し上げておりますように、これまで、率直に申し上げて、お年寄りの皆さん方からこれだけの保険料をいただくという機会がなかったんです。それで、実際問題として、私どもはいろいろな市町村からお話を聞きました。特に、横路先生の御地元の北海道では日本一高い保険料です。そういう問題もありますし、市町村によって、あるいは首長によって大変温度差があるということも事実です。
 担当大臣といたしましては、要するに、やはりみんながこの寝たきりのお年寄りの問題を解消するために立ち向かっていく、こういうつもりで四月から円滑に実施するということが何よりも一番大切なことだ。そういう中で、先ほどから総理が申し上げておりますように、例えば特別養護老人ホームの場合には、これまではいわゆるサービスの利用から……(発言する者あり)いわゆる措置制度からいわゆるサービスになる、こういうことについて国民の皆さん方に御理解をいただく。一番大切なことは、横路委員、一番大切なことは……(横路委員「聞いたことに答えなさいよ」と呼ぶ)一番大切なことは、来年の四月から要するに介護保険制度を円滑に実施する。そのために私どもは、この問題は今先生がおっしゃったような選挙目当てとかそんな問題、政争の具ではなくて、要するに国民がこぞってこの問題について議論をして、そして円滑に実施していくことが最大の課題、このように認識しております。
○横路委員 委員長、ちゃんと私が――いや、もういいです。厚生大臣、結構です。きょうは総理と議論するのですから、この場所は。総理はきょうしか出席しないのでしょう。ちょっと、総理大臣。――もういいです。(発言する者あり)
○島村委員長 横路君に申し上げます。
 やはり総理も人間ですから、始めから終わりまですべてを総理に聞くというのは無理があります。その点は御配慮願います。
○横路委員 私は何か難しい数字や何かを聞いているわけではありません。公的介護保険制度の基本的な考え方、そしてどれほど地域で努力をしてきたのかということを聞いているわけですよ。
 総理、総理は今回の演説の中で、二十一世紀に向けての社会的な基盤の整備ということを強調されました。私は、二十一世紀の日本の社会というのは、一つはやはり情報社会、一つは環境循環型の社会、もう一つはやはり福祉社会だ、このように考えているのですね。その福祉社会の最大の基盤というのは、介護の体制を整備することです。
 では、その介護の体制をだれが責任を持って整備するのか。全部政府がやれるか。政府が全部はできませんね。しかし、中央政府、地方政府は介護の基盤をしっかり整備をするという責任は担ってやっていかなければいけない。特に、市町村にとっては、福祉というのは基本的な仕事であります。
 それから、では民間の市場は全部供給できるか、これはできません。しかし、やはり民間の、この公的介護保険制度でいろいろな福祉の企業が生まれたように、新しい参入もあるでしょう。
 同時に大事なのは何か、やはり市民の参加、協力ということなんですね。市民事業も最近非常にふえてまいりました。いろいろなNPO活動も盛んだ。そうすると、やはり問題なのは、こういう協力が必要なんですね。行政も基盤を整備するのにやろう、新しく企業が参入してサービス提供できるところはそれもやりましょう、同時に、市民も地域の中でしっかりと参加をして、そして地域の中にそういうネットワークがしっかりできるということがなければ、日本の高齢社会というのは乗り切っていくことはできません。そのための公的介護保険制度だったのですね。
 だから私は総理に聞きたいのですよ、今回のような措置をとった後どうするつもりなんですかと。この公的介護保険制度でやるというのか。なぜならば、三党の中には、税の方式を入れるべきだとか、施設は税であとは保険でとか、いろいろ議論がありますでしょう。だからこれは総理大臣にお伺いしているわけなので、基本的な考え方ですから、これからの二十一世紀の福祉をどうするかという、私が今お話を申し上げた、我々は、公的なセクター、民間セクター、市民セクター、それぞれ役割分担を果たしながら、しっかりと地域にネットワークをつくってこれを乗り切っていくということしかないだろうと考えています。そのための公的介護保険制度だと。総理、どうですか。
○小渕内閣総理大臣 政府といたしましては、来年の四月からの介護保険法の円滑な実施に万全を期していく所存でありますが、今回の与党合意において、制度の実施状況を見ながら三党で協議するとされていることから、政府においても、与党協議の結果や介護保険法の見直し規定も踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
○丹羽国務大臣 今、横路委員の御質問の中で、要するに、これからお年寄りをどうやって支えていくかという大変重要な御指摘がございました。私も実際現場を見たり、いろいろお話を聞いてみまして、全く同じ認識に立っているものでございます。特に、要するに、要介護ではない、自立と判定された方々、こういう方々に対しては、今先生からお話がございましたようにボランティアであるとかNPOであるとか、こういう方の御支援を得ながら地域づくり、町づくりというものを進めていかなければならない、このように考えているような次第でございます。
○横路委員 今回の措置をとった後はどうお考えになるのですか、総理、基本的に。さっきから聞いている点なんですよ。今、六十五歳以上の方について半年徴収を凍結して、その後一年間半額ですよね。その後どうするんですか。その点だけ、総理、ちょっとお考えを。
 これはやはり総理のリーダーシップ、日本の政治の今一番大きな課題の一つじゃないですか、介護の問題というのは。それについて、総理自身がどういう社会をつくっていくのかということを何も答えられないんじゃ、これは本当に情けなくなりますよ。ちょっとその基本的なお考えだけお答えください、総理。
○丹羽国務大臣 三党協議を受けまして政府が決定をいたしましたことは、半年間保険料を免除して、その後は要するに一年間半減する、その後は予定どおり保険料を実施させていただく、こういうことであります。二分の一についても同じことでございます。
 以上です。
○横路委員 そうすると、自由党の考えている税方式はとらないで、今の保険制度でやるということですね。それだけ確認をいたします。
 次に、この問題、福祉はやはり中心は、市町村の大きな仕事だろうと思うのですね。市町村がどう考えるか。
 今回の公的介護保険制度は、いわゆる地方分権の中で自治事務ということになりました。したがって、公的介護保険、法律にも書いてありますけれども、市町村が必要な費用を徴収するということになるわけです。
 そういう中で、今回政府は、費用を徴収するかしないかは自治体の自由ですよ、しかし徴収しないところには交付金を出しますよ、徴収を地域でしたところには出しませんよということを決められました。
 これは、地方自治をこれから進めていこう、できるだけ自治体がいろいろ考えて、どういう保険料にするか、どういうサービスを提供するか。サービスの提供を少し広げて、保険料は高くなってもその方がいい。いろいろな議論があったわけですね。いろいろな議論があった。これに対して政府が今回とった措置は、そうやって、地域で意欲を出していろいろなことをやろうという芽を摘んで、また昔の機関委任事務のように、右向け右と言ったらみんな地方自治体は右を向く、左向けと言ったらみんな左を向くというようなことの発想に立っているじゃありませんか。基本的に、今回の考え方は、自治事務、地方自治、これを否定する考えだと私は思いますよ。
 だから、ここで御質問をいたしたいと思いますけれども、地方の中では、やはり積み重ねてきたのだから徴収をちゃんとする。しかし交付金を、徴収しないところは出す、するところは出さないというのじゃこれはおかしい話ですから、ちゃんと交付金を出して、そのかわり、基盤を整備したり、あるいは将来保険料を抑えるために基金に積んでおくというような選択権を与えてほしい、地方自治体に。
 やはり、一生懸命やってきたところと余り準備が進んでいない、おくれているところとあるわけですよ。今政府がやろうとしているのは、今まで余りやってこなかったところを基準に置いているんですね。進んでやってきたところをさらにバックアップするという政策じゃないじゃありませんか。日ごろ言っていることと全く違うことをやろうとしているんですよ。私は、自治体に選択権を与えるべきだ、六十五歳以上の高齢者、今回の措置について、このように思いますけれども、いかがですか。
○丹羽国務大臣 まずそもそも、今回の臨時特例交付金の使い道でございますが、あくまでも、高齢者の保険料を施行の当初の半年間は徴収しない、それから一年間は保険料を二分の一にする、こういうことが要するに今回の交付金の使い道の目的でございます。
 今先生がおっしゃったような御意見が一部にあることは私も十分に承知をいたしておるわけでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、これはあくまでも保険料の猶予あるいは軽減に対する交付金であるということでありまして、これが基盤整備であるとかホームヘルパーであるとか、要するにどう使ってもいいということになるわけにはいかないわけでございますし、市町村ごとに取り扱いがばらばらになると現場で混乱が生じるおそれがある、こういうことが予測されるわけでございます。
 また、私どもは、市町村からの要望につきましては、基盤整備につきましては今回の補正におきましても別途九百六十億円を計上いたしておるわけでございますし、また来年度の予算編成に向けて、いわゆる新ゴールドプランの後の新しい基盤整備事業、いわゆるスーパーゴールドプラン、こういうものを早急に策定したい、このように考えているような次第でございます。
○横路委員 もともと、今回は実施主体が市町村なんですね。だから、保険料も提供するサービスもばらばらなんですよ。それは、市町村が自分たちの財政支出をどこに重点を置いていくのかというのは、地域で住民、市民の皆さんと行政との話し合いで決めればいいことなんですね。だから、本当の地方自治の方に一歩向かっていこうとしているのですよ、今度の制度は。
 それを皆さん方は、どちらかというと、進んで一生懸命やっているというところをバックアップしようというのじゃなくて、そうでないところをバックアップしようというのが今度の制度だと言わざるを得ないと思います。 地域の中で、いろいろな話し合いの中で、よく横出し、上乗せと言っています。例えば、今までいろいろとサービスを提供してきた、例えば配食サービスだとか理美容のサービスでありますとか緊急通報制度だとか、そういうサービスをやっているところも取り込んでやろうという議論も地域の中でやる、そのかわり保険料は高くなりますよ、しかしそれは必要だからいいでしょう、こういうような話が行われてきたのですね。さらに、上乗せは、例えば要介護の認定度何度というところで、ホームヘルパーの人の訪問回数が例えば週に二回なら二回と決まっているけれども、うちの方ではちょっと人の手当てもして週二回を週三回にしようということも、保険料は高くなるけれどもまあいいでしょう、いや、それがやはりいいよ、こういう話がずっと行われてきたわけですよ。
 今回、これは保険料を徴収しないところに応援をするというわけでしょう。では、その保険料の算定に当たって、こういうところを全部組み込んでいいのですか。結局は、横出しの部分はまた今までの補助制度を存続するということのようですが、上乗せの部分というのは結局カットになってしまうのですね。
 だから、総理、今回の制度は、三党合意でやむなく何か政府の方も受け入れたみたいなことをおっしゃっているけれども、実際本当にこれはやるべき方向を、違った選択をしたのです、政治が。だからみんな怒っているのですよ。
 そういう地域の、こういうサービスをしよう、少し保険料が高くなってもいいからやろう、こういう声にやはりちゃんとこたえるべきじゃないですか。総理、いかがですか。
○丹羽国務大臣 今回の保険料の猶予あるいは軽減というものは、あくまでも国の基準サービスに沿って行うものでございまして、したがって、それぞれの市町村が横出しであるとか上乗せであるとか、そういうものに対しては対象外と考えております。
○横路委員 総理、対象外になるのですよ。それでいいのですかというのにお答えください。
 そういう地域の努力をちゃんと認めてやろうとするならば、保険料を取っているところにもそういうサービスをすべきじゃないですか。今回のような措置をとることによって、それが全部なくなるのですよ。どうですか、総理。
 せっかく、この公的介護保険制度、本当に議論があったのです。それは税方式にするか保険方式にするかということを含めた議論があった。議論があったけれども、一つの方針が出て、それに沿って地域で議論をしてやってきて、スタートしようとした寸前にこういうひっくり返しをやったわけですね。しかも、その方向が、これからの地方自治のあり方とか二十一世紀の介護の基盤をどうつくるかとか、政府の役割、民間の役割そして市民セクターの役割、こういった問題について極めて否定的な回答を出そうとしている。しかし、まだ間に合いますよ。これは執行なんですから、執行でやればいいでしょう。市町村に対して、どうぞ地方の自治体で選択してください、徴収する、しない、差別はつけませんよ、こういうことを私は認めるべきではないか。総理、どうですか。これは総理の決断です。もう今や、あと総理が決断すればできることなんですから。どうですか、総理大臣。
○小渕内閣総理大臣 横路委員の御主張は御主張としてお聞きをいたしましたが、政府といたしましては、申し上げておりますように、三党でお話し合いをいただいて、そして内閣としては、官房長官のもと、厚生大臣そして財政当局の宮澤大蔵大臣、ともどもに判断をいたしまして、今回のような措置を講ずることといたした次第でございますので、ぜひ御理解をいただきたいと存じます。
○横路委員 もう一つお尋ねをしたいと思いますけれども、四十歳から六十四歳まで保険財政を支援するということなんですが、国民健康保険の財政支援として六百六十億ということでありますが、これはどういう制度、どういう仕組みで行うのですか。
○丹羽国務大臣 一つは、介護保険料を上乗せすることによって、最近率直に申し上げて健保財政が大変厳しくなってきております、要するにこういった悪化する健保組合に対して支援をする。それからもう一つは、国保の中において収納率が落ちるのではないか、こういうような懸念があるわけでございますので、そういった、これは全般的にまずとりあえず考えておるわけでございますけれども、国保の収納率が低下するためにこのような財政的な支援を行わさせていただくものでございます。
○横路委員 それは、そうすると、収納率の低下したところに財政支援を行うということになりますか、収納率の低下のひどいところに対して。
○丹羽国務大臣 基本的にはそのような考え方でございます。
○横路委員 国保も市町村中心でやるのがいいかどうか、いろいろな議論があります。例えば、都道府県を中心にしてやったらいいじゃないかというようなことを含めた改革案というのが出ていますが、今国保の赤字もなかなか大変だということで、これは法律に基づいて、国民健康保険法に基づいて調整交付金という制度がありまして、赤字の市町村にバックアップをしています。そのときに、やはり市町村も徴収についてもちゃんと努力をしなければいけないということで、徴収率の低いところはその調整交付金の総額からある程度カットしているのですね。例えば、徴収率八〇%未満のところは二〇%カットとか、そして、できるだけ徴収する努力をしなさい、努力をしたところにはきちんと交付金を渡しますよ、こういう制度、仕組みになっているわけですよ。
 ところが、今回の制度は、介護保険料が上がって国保財政の中で収納率が下がってくるところが出てくるだろう。しかし、その収納率が下がる、上がるというのは何も介護保険料ばかりではありませんから、トータルでなかなか判断ができないのですね。そうすると、やることが矛盾するわけです。片方では、調整交付金の方は徴収率を上げたところにちゃんといいようにバックアップしますよ、そこはちゃんとやりますよ、悪いところはペナルティーを科しますよということですね。今回のところは、そうじゃなくて、収納率が下がったところに応援しますよという話なんですね。
 これは一体トータルでどうやるのですか。これはどうなるのですか。国がやっている政策が、目的は確かに違うのだけれども、矛盾したことをやるわけですよ、町村に対して。片っ方でカットし、片っ方で交付金を与える。これも政治がごり押しした結果、つじつまの合わないことになっているのですよ。これはどうなります。
○丹羽国務大臣 御指摘の国民健康保険の調整交付金にかかわる収納率の減額措置についてでございますけれども、調整交付金の公平な配分を図りながら収納努力を引き出そうという観点に立った仕組みでございまして、こうした措置は引き続きこれはこれとして必要でありまして、廃止する考え方は現時点においては持っておりません。
○横路委員 いや、それはもう当たり前の話で、別にそれを廃止しろと言っているわけじゃなくて、そうやって地方に努力しなさいよという政策をやっておきながら、片一方では今度は、低下したところに補助を出す、交付金を出すというわけですから、政策が矛盾しているんじゃありませんか、これは。
○丹羽国務大臣 横路委員のおっしゃる、何をもって矛盾しているかということがもう一つ私には理解しにくいわけでございますけれども、いずれにいたしましても、私どもの特別措置というのは、先ほどから繰り返し繰り返し申し上げておるわけでございますが、世紀の大事業として来年の四月にスタートする、そういう中において、今申し上げたような医療保険に与える影響などもできるだけ少なく、そういうような観点から特別措置というものを考えたものでございます。
○横路委員 いやいや、ですから、その国民健康保険に対する財政支援の問題なんです。
 それで、国民健康保険に対する財政支援は今までやっていましたよ、それは健康保険法に基づいて調整交付金という形でやっていました、それを実施するに当たっては、徴収率を上げるということでペナルティーを科していましたよ、徴収率の低いところには、一番低いところは二〇%カットということでやっていましたよと。今回、新しい制度がスタートします、それに政治が横やりを入れて、三党が横やりを入れて、徴収しなくていいです、そのかわり四十歳から六十四歳のところには財政支援をしましょうと。まあ、保険料を納めるわけなんですけれども、納めて、そしてなおかつ、収納が悪くなった、その悪くなったところがひどいところほど今度はお金を入れますよというわけですから、どうなっているんですかということなんですね。地方がやはりしっかり努力をしている、本来、そういう努力に対してちゃんとこたえるという政策を今こそ立てなければいけないときに、それと矛盾する政策を入れようとしているわけです。
 それはなかなか、介護保険料によって収納率が下がったということを証明するのは実際は難しいですよ。保険料がちょっと上がったからといって収納率が落ちたといったって、それがその要素なのか、どれほどその要素があるのか、あるいは地方における収納の努力がどうだったのかとか、いろいろ考えたら難しいから、結局は、多分収納率の低下を見てやることになるわけですよ、低下幅を見て。そうすると、それは片一方の、徴収率を上げようという話と矛盾するんじゃないですかと言っているんです。
 こういう矛盾した政策を、総理、とってよろしいんですか。もっとこれ、検討してくださいよ。これはともかくばたばたとやった。だから、中身の問題がたくさんある。総理、これは執行の話ですから、ちゃんと検討してくださいよ、そういう問題点を。総理。
○丹羽国務大臣 要するに、横路委員がおっしゃりたいのは、先ほど私も申し上げましたけれども、医療保険において私どもは、今収納率九九%と言われておりますけれども、今後とも収納率が上がるように努力をしていく、こういう中においてペナルティーという措置が設けられておるわけでございますが、要するに、こういった別な、今度は介護保険という世紀の大事業を導入することによって保険料がアップするという問題についてお助けをするということでございまして、医療保険の問題と介護保険の問題と、これはこれ、それはそれというような話もございましたけれども、決して矛盾する話ではない、こう思っております。
○横路委員 どうして矛盾していないんです。矛盾しているじゃないですか。納率の下がったところをバックアップするというのと、納率をちゃんと上げたところにはその努力に報いるというのは違うじゃないですか。
○丹羽国務大臣 医療保険においてはさらに収納率を上げるように努力をしていただきたい、こういうことでございまして、そしてまた、医療保険は医療保険として収納率を上げるように努力をしていただきたい、しかし、現実問題として、介護保険料、要するに、介護保険というものを導入することによって介護保険というその分だけ負担がかかってくるから、その部分の負担をするということでありまして、決して論理矛盾した話ではない、このように確信しております。
○横路委員 総理はわかりますよね、議論している論点というのは。いや、だれにでもわかる話で、今度四十から六十四のところに財政支援をするということで、国保と健保組合とに財政支援するわけですね。国保に六百六十億の財政支援する。その財政支援するのはどういうことを基準にしてやるんですかと言われたら、その要件の一つとして、収納率の悪化のひどいところに応援しますという話だったわけです。ところが、収納率が何の要素で悪化したのかというのはよくわかりません。それは、保険料が上がったということによる収納率の低下もあるかもしれない、あるいは市町村の努力によってもっと上げられるという要素もあるかもしれない。
 片一方、財政の悪い、赤字の健保などについては、健康保険法でもって財政調整交付金でバックアップしましょう。そっちの方は、徴収率を上げるということのために、上げる努力をしたところ、高いところはカットはゼロですよ、八〇%切ったら全部で二割カットしますよということで、減額をされた保険者の数というのは全国で六百六十八あるんですね。六百六十八あるわけですよ。だから、結構な数がやはり減額を受けているんです。
 ですから、これは、同じように国が市町村の国保に対して応援する仕組みというのは今度二つ道ができたわけですが、この二つの考え方が違うのじゃないですかと言っているわけですよ。
○丹羽国務大臣 先ほどから繰り返し御答弁を申し上げておりますように、今回の措置は、要するに介護保険料の上乗せに伴います国保財政の支援のためでありまして、その問題とこの今委員御指摘の問題とは別次元でお考えいただきたいと思っています。
○横路委員 いや、しかし、今回だって財政支援をするということが方針になっているじゃないですか。同じじゃないですか、財政支援という形では。同じで、考え方が違うんですよ。運用する基準が違っているんですよ。今度の措置だって、財政支援を行おうということで決めた措置でしょう。だから、保険料はみんな払うわけですよ、こっちの方は。だから、財政支援は今までのルートのほかにもう一つできました。しかし、これは基本的な考え方が違うんですから。
 総理、どうですか。総理、だから、まだまだあるんです、いろいろと。問題がまだ大きい、詰まらないで、ともかくスタートさせちゃったんですよ、この考え方で。だから、総理、もう一度よく考えてくださいよ。先ほど言った地方における徴収する、しないに対する交付金の問題も含めて、自民党の中だってたくさん意見があるじゃないですか。それはみんな地域からそういう声を受けているからですよ。ですから、総理、もう一度そこはちょっと検討してください。せっかく四月からスタートする、みんな努力してきたんですから、そういう火が消えることのないように、やはり努力にちゃんとこたえるような制度、仕組みにしなきゃなりません。ちょっとばたばたとやってしまって、非常に問題がある。これはもう、総理大臣、どうですか。――いやいや、総理にちょっと。もう議論はあなたとはしたからいいです。総理、どうぞ。
○小渕内閣総理大臣 財政支出する場合には、それぞれの政策目的でやっているんだろうと思います。したがって、今度保険料を徴収しないでという半年間も含めて、そういうことだろうと思います。
 一方、もう一方の問題について、これが横路委員は矛盾をするのではないかという御指摘でございますけれども、この点につきましては、今厚生大臣が答弁申し上げましたように、政府としてはそのように考えておらないということであるとすれば、そうしたことでそれぞれの目的が達成のできるように財政的支出は行って間違いはないな、こう考えております。
○横路委員 いや、しかし、こんな大事な問題について、私は、基本的にどういう認識でどういう福祉社会をつくるのか、その福祉社会をつくるときにどんな協力をみんな地域の中でしなければいけないのかということについて、本当にその御認識がないのではないかというように思います。
 今の点を含めて、やはりこれは総理のリーダーシップで、問題があるのははっきりしているんですから、詰めないでばたばたやっちゃったところに問題があるんですから、ちょっとそこはもう一度検討したらどうですか。自民党の社会保障関連の部会だって、意見を持っておられるじゃないですか。今回の政府の措置、いいとは言っておられませんよ。だから、総理、全部含めてもう一度ちょっと点検してください。これでいいということになりません。今回の措置は本当に大きな禍根を残すことになります。総理、いかがですか。
○丹羽国務大臣 横路委員の御意見として承っておりますが、今私どもが一番大切なことは、この世紀の大事業を来年の四月から全国民が心を一つにして実施することでありまして、そのために万全の策を講じていきたい、このように考えている次第でございます。
○横路委員 では、時間もなくなってまいりましたが、もう一つちょっと質問をします。
 例えば低所得者の人に対する軽減措置なんですが、現にホームヘルプサービスを利用している低所得の高齢者の人には三%の利用料でいい、新しくサービスを利用する高齢者は一〇%払うということで、ここで差別をしているわけですね。あるいはまた、社会福祉法人が提供するサービスは利用者負担を五%として、その他の事業者が提供するサービスは一〇%ですと、このサービス主体に対して差をつけているわけですよ。
 行政というのは、本来、やはり公平でなきゃならないというように思いますが、こういうサービスについて、これはだから、地域が今一番困っているのは、合理的に説明できないからなんですよ。現にサービスを受けている人には三%でいいですよ、これから受ける人は一〇%支払うんですよ、こんな合理性のない決定だと私は思います。これは厚生大臣、いかがですか。
○丹羽国務大臣 今回の措置は、あくまでも激変を緩和する、こういう観点から、要するに旧来から御利用をしていただいた皆さん方に対しましては三%、そして段階的に引き上げていく、こういうことでございます。
 横路委員が御指摘のいわゆる新規の方でございますが、これは、社会福祉法人において実施されております給付サービスにおいては、その軽減分について公費において助成する、こういうことで、私どもは五%を念頭に置いているということでございます。
○横路委員 ですから、その点について地方で説明ができないわけですよ。これから介護保険のサービスを提供するというときに、今までやっていた人はこうだけれども、これからやる人はこうですよといったって、その現場では混乱するだけなんですね。
 私は、今回のこの公的介護保険制度、二十一世紀の日本の福祉ということを考える場合に、これは大変大事な事業だというように思っています。税か保険かといういろいろな議論はありましたけれども、やはり自分たちが保険料を払って、これは権利としてこの制度を利用する。
 ですから、現に、例えばいろいろな施設でも、中には問題があるなというような施設があっても、自分の親をそこに預けていればなかなか物が言えないんですね。例えば縛りっ放しにしているというようなところで、こうしてくださいということはなかなか言えない。しかし、今度はみんながお金を、保険料を払うわけですから、権利を持つので、今そういう供給者のサイドも、いい供給者をつくっていこうということで、市民の方からそういうのをチェックしていく。こういうところは変えてください、こういうところは余りにひどいから、ではそこは供給の中から外してくださいというようなことを行政と話ししたりするというようなことも、この保険制度の中から生まれているんですね。それは、やはりそういう権利をみんなが持ったからなわけなんです。
 やはりこれからの日本の本当にハイスピードな社会の中で、私は、この公的介護保険制度というのは本当に大事なことだと思っております。特に高齢者の方は、所得の面でも資産の面でも、非常に大きな格差があるんですね。非常にお金を持っている人とそうではない人と。年金だけで生活しているという高齢者世帯が半分です。年収二百万以下という方が一七%もおられるのですね。
 ですから、そういう低所得者の人への対応というのは、今回のようなことではなくて、もっと基本的にちゃんとやるべきだというように思いますし、同時に、今回、全体の予算の中でわずか九百億ちょっとしか介護の基盤整備の予算がありません。これも、市町村が今度の公的介護保険制度を導入するに当たっていろいろと調査した数字がございます。この数字を見ますと、本来、やはりこういうところにしっかりと予算をつけなければいけないという思いがするのです。
 時間がなくなってしまいましたので、今回の補正予算の中の特に公共事業、何か国民がはっとする思いのするような予算だとか新規性とかいろいろありますが、実は、ほとんどが継続事業です。農林水産省はほとんど全部です。運輸省の中の新規というのを見ましたら、新幹線のあのコンクリートが落ちるものが新規予算ですとか、建設省の新規予算というのも調べたら、ほとんど事業対象の拡大ですね。補助率アップとか補助要件を緩和するというような話ばかりぞろぞろ並んでいて、ほとんど新規予算なんかありません。
 介護の基盤整備、ゴールドプランで進めてきたわけですが、今回、市町村からいろいろな自分たちの、公的介護保険制度のもとでどういう介護基盤をつくるのかということで上がってきた数字が整理されています。これをひとつ軸にしてしっかり整備するようにするならば、今回もほとんどは、ここは九百億どころか、もっとグループホームであるとかケアハウスであるとかいうところに予算を投入しなければいけなかったと思うのですね。総理にそこのところをちょっと最後にお伺いをしたいというように思います。介護の基盤整備について、その充実こそが私は二十一世紀に向けての社会的な基盤整備なんだというように思います。総理のお答えを。
○小渕内閣総理大臣 介護に対する基盤整備につきましては今後さらに充実をしていかなきゃならぬという方向については、お説のとおりと考え、政府としては与えられた予算の中で全力を挙げてまいりたいと思っております。
○横路委員 時間ですので終わりますが、最後に、こういう川柳が載っていました。「自自公のリストラ目指す総選挙」。これはまさに国民の声だというように思います。きょう介護保険で議論して、いや、本当にがっかりしました。もっときちんとやはり将来を見据えて体制をしっかり整備していかなくてはいけないということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。