○横路委員 まず、森総理の政治姿勢についてお話をお伺いいたしたいと思います。
私は、最近の日本の状況を見て、日本の基本のところが揺らいでいる、おかしくなっているんじゃないかというように思います。よく、バブル崩壊からリストラが進行していくこの十年間を失われた十年と言いますが、日本社会をおかしくしてしまったのではないか。それは、私ども日本人は、何といっても一生懸命働く、汗水流して働けばそのことは必ず報われるんだ、そんな思いで多くの日本人は家族のために、会社のために働いてきたわけですよ。
ところが、あのバブルのときというのを考えてみますと、そんなまじめに働くのはばからしいんじゃないかというような風潮ができて、そして、金融機関は個人にも企業にもどんどんお金を貸した。企業の中にも、本業でなかなか、やっても利益が上がらない、では株でもやろうかといって、それは、一時は利益を手にしたかもしれませんけれども、それが今日、不良債権になっている。そういうことの中で、人々はまじめに働くという気持ちあるいは倫理観を失っていった、そういう人々も多かったわけですね。もちろん、多くの国民は今日までずっとまじめに働いています。
しかし、そういう風潮ができたという意味では、バブルがもたらした、今日、日本の社会に残っているこの後遺症というのは大変大きいものだと思いますけれども、総理、いかがお考えでしょうか。
○森内閣総理大臣 多くの要因があるんだろうと思いますが、今横路議員がおっしゃいましたことも、一つの判断の指標としてはそういうこともあったんだろうと私は思います。
要は、汗水流して丹念に物をつくってその成果を得るということが、だんだん多くの人たちからそのことについての関心が薄れてきた。まさにバブルという名前のごとく、何かぬれ手にアワで進めていくことがむしろ生業なんだというような風潮が出てきたことは、私も大変残念だと思う。
しかし、その結果、どういう結果が出てきたかということは、今、この景気回復、経済再生、新生に至る過程の中で、そうしたことが誤りであったということは、多くの国民の皆さんもやはりそのことについては反省をしておられるということは、言うまでもないことだと思っています。
ただ、株でもやろうかと今横路議員おっしゃいましたけれども、株というものは私自身は好きではございませんけれども、株そのものは、株でもやってということは、株が何か悪いものだというような考え方、恐らくそういう考え方でおっしゃったのではないんだろうと思いますが、私は、その辺のことだけは横路議員とは少し違った意見を持っております。
○横路委員 そのバブルにおぼれた中に、特に政治や経済や行政組織のリーダーの人たちがバブルにおぼれていった。そのバブルの、今回のバブルの一番典型的な事件がリクルート事件ではなかったかというように私は思っております。
それで、総理にお伺いしたいんですが、総理は、文部大臣を昭和五十八年の十二月から五十九年の十一月までなされました。そして、やめた直後の十二月にリクルートコスモス社の未公開株を、リクルート系の金融業者リクルートファイナンスから融資を受けて株を購入されました。融資を受けて、お金を払って購入されたわけですね。そして、その株が店頭公開後、売却をして利益を得られたというように承知をしておりますけれども、このリクルートの株を購入した経過、そして、一体幾らの利益を得られたのか、御答弁をいただきたいと思います。
○森内閣総理大臣 日本の政治史の中でこうしたリクルートの話は時たま出てまいりますが、私もそのリクルート事件の中に名前が時たま連なっているというふうに言われておりますが、私自身は極めて残念なことだと思っているんです。
今お話がございましたように、私がこのリクルート株を購入いたしましたのは五十九年十二月ということになっておりますが、当時、このリクルートの創設者である江副さんとはかなり以前から友人関係にございまして、そして、お若い立場の中でああした大きな事業を展開されていることについて私は御尊敬を申し上げて、友人としておつき合いをしておりました。
たまたまその江副さんから、秘書を通じて、御自分の持っておられます、名前はたしか環境開発とおっしゃったかなと思いますが、そういう会社の株をいずれ公開したい、こう思っているので、社会的に信頼のある方々にお名前だけ出していただけないか、そういうお話がございました。私は、それまで全く株というものに興味もありませんし、やってもおりませんし、どういう仕組みなのかも正直言って、大変お粗末なことでありますが、知らなかったわけでありますが、そうした信頼している江副さんからのお話でありますから、私の秘書だとか家内というわけにいかぬのかなということを一遍申し上げた気がいたしますが、そうした方ではなくてきちっとしたお名前の方にぜひお願いをしたいということでございましたので、それならどうぞお使いくださいということで、私は名前を貸しました。
ただし、それを購入するにはお金が要るんだということになりました。さて、その金をどうやって調達しようかと思いましたけれども、自分のことで調達するわけじゃないので、金はないよ、こう申し上げたら、私どものファイナンスからお貸ししますということですから、それなら結構ですねと。もし私がそれを購入するお金があったらかえっておかしいのであって、お借りして、いずれそれを売って処分するというのならそれでも結構だな、そう思いましたから、お借りをしたことは事実でございます。
その後、名前が変わってリクルートコスモスという会社になったようであります。その辺のいきさつは私は全く知りません。忘れておりました。後にこれを売ることによって利潤を上げることができるということがわかって、いろいろなことがあったのだろうと思います。その後、いろいろな方々がその株を買われたということであります。私は全くそんな事実をわかりませんし、最後までずっと持ち続けておりまして、値が上がったから、公開したからそれを売るとか、そういう判断は全く私はありませんで、最後まで持っておりました。
この事件がこういうことになりまして、改めて、初めてマスコミの方が来られて、ああ、それなら持っておりますよと私は正直に申し上げたのが事の発端でございまして、私は、別に自分でそれで利益を得るとか利潤を得るとか、そういう意図でこの株に名前を貸したという、そういう意識は全く持っておりません。
しかし、その後多くの方々がこれに関連されて、こうした問題が社会的な問題になってきたわけでありまして、そこで、我が党の中で当時調査会をたしかつくられて、お亡くなりになった伊東正義先生が委員長になられまして、これらに関した方々を全部それぞれ事情を調べて、そして調査して結論を出されたわけでありますが、私はそのとき、その委員会の中では、その審議の対象ではない、そういう利益を目的に買ったものではないという判断を党の調査会でしていただきまして、私はその問題とは、そうした形で買い求めたも
のではないということに対するそういう判断をいただいておりました。
○横路委員 その株はどうされたのですか。売られたのじゃありませんか。
○森内閣総理大臣 その後、いつまでも持っていてはいけないということでありますから、それはもちろん売却をいたしました。
○横路委員 幾らそれで手にされたのですか。
○森内閣総理大臣 明確に私は覚えておりません。調べればわかるのかもしれませんが、全くそういう意識はございませんでしたし、そしてそのことは、皆さんがそれぞれ党に対して、そうした問題については寄附をするということでございましたから、私は、そういう利潤を目的にしたものではございませんし、調査の対象ではなかったわけでありますが、党のお決めになったことに従いました。
○横路委員 一億以上の売却利益を上げたというように報道されておりますけれども、違いますか。五千円ぐらいで売られたのじゃありませんか。
○森内閣総理大臣 調べてみないとわかりませんけれども、そんな大きなものではございません。
何かこの問題は、風評だのいろいろな人の話の中でだんだん大きくなったり、いろいろな形で伝えられておりますが、私は、当時は、自分の気持ちとして率直に申し上げると、私だけは別だということはやはり言い切れなかったのですね。多くの同僚議員の皆さんの名前があって、それに対して御苦労なさっておられたときに、私だけが、今ここで申し上げたように、調査の対象は別だということを私自身が言うことは、これは我が党の皆さんの仲間の中にもいいことではないと思いましたから、黙っていたというのが正直なところ
でございます。
○横路委員 当時の新聞報道で共通しているのが、五十九年の十二月に株を手に入れられて、そして公開したのが昭和六十一年の十月三十日なんですね。そして総理が売却されたのが、六十一年の末か六十二年の初めというように言われておりまして、大体売却益が一億円ぐらいというように報道されております。
このリクルート事件は幾つかの刑事事件になりました。川崎市の助役さん、それから文部大臣当時の部下であった文部省の官僚の方、それから藤波当時の官房長官というのが事件になったわけですね。
リクルートの公判廷でもいろいろと議論されまして、送った方の江副さん、検察側から何度も質問されております。その質問の中で、検察側は、一九八四年中に何回か当時の文部大臣を飲食に接待していたという事実を指摘、森氏に会ったことはないのか、森に頼む基本路線でいくと社内メモに記載されているけれどもどうなのかと、いろいろ質問がありました。
それに対して江副さんは、これは、森先生に関することは一切差し控えたいと言って、最後まで答えをされなかったんですね。そういう形でこの事件は結審をしております。
私は、今いろいろとお話しされましたけれども、文部大臣当時の部下であった方の判決の要点をちょっと言います。
この判決、どういうことかといいますと、この行為、彼も全く同じなんですね、未公開株を融資つきで買って、そして売却をして利益を得たということです。それが職務に関しているということで事件になったわけですね。
判決はこう指摘しています。
この行為は、多額の現金供与に等しい行為であり、公務員としてはあるまじき行為であり、強い非難が加えられるべきである。国の将来を担うべき青少年の健全な育成に不可欠な学校教育等の振興及び普及を図ることを任務とし、それを遂行する責任を負う者として、民間企業の社長から値上がり確実な株を安易に譲り受けた行為は、公務員と民間企業との癒着を連想させ、文部行政、ひいては公務一般に対する社会の信頼を著しく損ねたものであって、その社会的影響が大きいことは明らかだ。しかも、リクルートから数回にわたり飲食やゴルフなどの接待を安易に受けており、その意味でもその規範意識に問題がある。また、収受した利益は多額である。このようなことを考えれば、この人の刑事責任は非常に重いものと言わなきゃいけないというように、その部下であった文部省の人に対しては有罪判決が下されています。
私は、先ほど、バブルでみんながどこかにうまい話がないのかと金にまみれてしまった、これがやはり今日の日本社会をゆがめた一番の大もとにあると思うんですね。
私は、総理にお伺いしたいのは、総理は滅私奉公ということをキャッチフレーズにされていますが、こういう行為、株を融資つきで、そしてそれを売って利益を上げる、これはもう滅私奉公じゃなくて滅公奉私か。つまり、公の立場を利用して私の利益を得たということになるんじゃないですか、総理。これで、総理が言う立派な人間というのはどういうことですか。
みんなは、多くの国民は汗水流して一生懸命働いているんですよ。それが日本社会の基本だった。ところが、政治や経済や行政のリーダーが、まさにこういうような行為にバブルの中で手を染めてしまった、それがどれほど今日の日本の政治の信頼を損ねているか。どうですか、これは滅私奉公というキャッチフレーズと違うんじゃないですか、やっていることは。
○森内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、私がそういう株の知識がなかったというのはまことに恥ずかしいことなんですけれども、江副さんを私は大変尊敬いたしておりました。ですから、江副さんからそういうお話が、秘書を通じてでございますが、ありましたので、お役に立つことであればそれで結構ですよというふうに、私はそういう気持ちでお受けをしたわけです。
そのことが、こういう大きな誤解を受けたり、また多くの方々に御迷惑をかけるというようなことであったとしたら、これは大変反省しなければならぬことでございますけれども、しかし、その当時の気持ちとしては、そのことで、そういうふうにして公開をされるためには名前が必要なんだろうと思いましたから、私は何もお手伝いすることもありませんから、よろしければどうぞということを申し上げたのです。
もう一回申し上げますけれども、ただし、そんなお金は私にはありませんから、そちらの方で用立ててくださるなら結構でございますよということで、それはそれでお返しをしていったわけでございます。
ですから、あくまでも、値上がりを期待したり、それを待つために購入したという、そんな気持ちは全くありませんし、事実、全くその会社の名前も、リクルートとも何も関係のない会社の名前だったことも、御指摘のとおりじゃありませんか。私はそういうふうに考えておりまして、ただし、確かに、そうしたことで多くの方々に誤解を生じたということは、私自身、その後、反省をしなければならぬ、こう思っております。
後にも先にも、そういう意味で、株という問題に対して私は、自分なりにそのことを買い求めたり、そうしたことは一切いたしておらないこともこの際申し上げておきたいと思います。
○横路委員 どうもこのバブルが人々の倫理観というのを、特に政治経済、行政のリーダーの倫理観というのを失わせたというように私は思っています。
森総理は教育改革ということをテーマにされておりますけれども、しかし、こうした行為を見て、本当に大丈夫かなと思う国民は多いのではないかと思います。私はやはり、日本の社会というのは、汗水流して働けばちゃんとそのことは報われる、こういう社会にしていかなくてはいけないと思っております。
もう一点、総理の発言についてお伺いしますが、越智金融再生委員長の発言でございます。
御承知のように、ある自民党議員の地元で、地元の信用金庫、信用組合の幹部の人たちを集めて越智さんはこういう発言をしたわけですね。これから皆さんのところに金融監督庁が検査に入りますよ、この検査はなかなか厳しいですよ、何か困ったことがあったら言ってください、できるだけのことをいたしますよ、来られるときには、そばにいる自民党の議員を指さして、この方と一緒にいらっしゃい、こういうことを言われた。そして、なおかつ、公的資金があるから、つまり税金ですよね、これは幾らでも使いますよという発言までされておられる。
これに対して、当時幹事長でありました森総理は、問題があったら言ってきてくれというのは信用組合へのメッセージであって、そんな間違った発言ではないんだというコメントをされておられます。これは今もそういうお考えですか。
○森内閣総理大臣 その発言全部を、発言されたときに私はそばにいたわけではございませんので、全体をつまびらかに承知したわけではありません。
ただ、党側としては、このペイオフについて、党としてはできる限り、信金であるとか信組であるとか、そういう地方の中小金融機関があるわけですから、それを大都市銀行並みの尺度で見るということはやはり危険なのではないか、そういう声は党内にたくさんございました。そういうものを頭の中に私は置いておりました。
そういう中で、当時の越智長官が栃木県でそういう御発言をされましたのは、そういうことを念頭に置いてお話をされたことなんだろうと思いましたから、私としてはそういういろいろな思いがあって、金融機関の皆さんが、御不満があったり心配があって、それを越智さんなりに、直接長官に言いに行くということはなかなかできないでしょうから、そういう意味で、地元の、そこにおられた代議士を通じてお話をされたということになれば、それは聞いてあげるということもまた大事なことではないか、党の立場として、やはりそう申し上げるのは、その時点ではそういう判断だと私は思ってそういう発言をいたしたわけです。
○横路委員 それは総理、問題ですよ。それは問題ですよ。
問題は、大蔵省からどうして新しく金融再生委員会に移っていったかということですね。それは、検査そのものが、なれ合いではなくて、ごまかしではなくて、透明にして公正な検査をしっかりやるというために、大蔵省のいろいろな不祥事の経過を経て今日の姿になっているわけですね。そこで、これから検査に行きますよ、検査に行って問題があったらこの自民党議員連れていらっしゃいと言うのは、そういう行政の公正さというのを阻害するものじゃありませんか。これだって、どこに滅私奉公なんですか。こんなのは自民党の党利党略じゃないですか。こんな金融検査やっているんですか。それを認めるんですか。
○森内閣総理大臣 何も助けてくれとかどうこう、延ばしてくれ、そういうことじゃないでしょう。きちんとしたそういう調査をしていただいたり、御自分として主張ができないこと、また、なかなか、お役所でありますから聞いてくださらないようなことがあれば、やはりちゃんと話を聞いてもらうようにされたらいいんじゃないですかということを申し上げているわけでありまして、少しでもそれを軽くしろとか、間違ったところをそのまま
のんでくれとか、そんなことをしろと私は言っているわけじゃありません。
○横路委員 そんないいかげんな検査を金融監督庁はやっているんですか、総理。そんなことないですよ。金融監督庁は、新しくスタートして、それは確かに厳しいかもしれないけれども、厳しくしなきゃ実際の姿はわからぬじゃありませんか。実際の姿を見て、そしてどうするのかという方針が出てくるわけですね。だから、何かあったら言っていらっしゃい、そんなのはもう、どういうことですか。例えば、税務調査に入りますよ、何かあったら言っていらっしゃい、税金まけてあげますよと同じじゃありませんか、それは総理。
○森内閣総理大臣 初めからあなたはそういう頭で物を考えていらっしゃるわけで、私さっき申し上げましたように、党の中にはいろいろな意見がやはりあったんです。党の中には、都市銀行のような尺度ですべてをやられると、やはり地方の信組、信金としては立ち行かなくなるような問題もまだありますよということを、そういうことは我々も陳情を受けているわけですから、そういう問題意識を持っているわけですから、ですからそういうことを公正に、きちんとした判断、きちんとした調査をしてあげてくださいよ、そういう趣旨で申し上げているわけであって、ごまかしてくれとか猶予してくれとか、そんなことで私は申し上げているわけではございません。
○横路委員 越智さんの発言は、これから検査に入りますよ、検査はなかなか厳しいですよ、何かあったら言ってきてください、そのときできるだけのことをいたしますよと言っているんですよ。
問題は、検査はやはりちゃんとしっかり、公平、公正、透明にやる。そこに、自民党の議員が言ってきたら、ちょっと手心を加えますよ。だから、これは手心発言と言われているわけですよ。総理、それは当然のことなんですか。当然じゃないでしょう。
○森内閣総理大臣 ですから、冒頭に申し上げたように、越智さんがどういう形でおっしゃったかということは、その場にいたわけではありませんから、早い段階で、問題が出ましたときにそういうふうに私は申し上げたのであって、別に中をごまかすとか猶予をしろとか少し手心を加えろとか、そんなことを私は申し上げたわけじゃありません。やはり調査をきちんとして、行き届いて、自分たちの意見もちゃんと反映させてもらうように、そういうことが支障なくできればいいのではないかというふうに、私はそう思ったから、越智委員長としてはそういう趣旨でお話をされたとしたなら、それは私は必ずしも間違ってないんじゃないかということを申し上げたわけです。
○横路委員 越智さんがやめたのは、結局、やはり検査に手心を加えるということと、税金があるから、公的資金があるから、これはもう自分の責任でじゃぶじゃぶ使いますよという発言をして、責任をとってやめられたんじゃないですか。
私は、今の総理の発言で、やはり森内閣の性格というのは、これは滅私奉公じゃないですね。公正な行政を行うということじゃないですね。どうも自民党の党利党略のために権利権限を使う、これは一番許されないことですよ。そのことをちょっと総理に申し上げておきたいと思います。
それでは次に、この前の選挙から四年間たちました。四年間たちまして、一度参議院選挙があって、国民の審判を受けて、橋本内閣が退陣されて小渕内閣になられた。小渕内閣になってから今日までの実績、一体どういう実績だったのか。社会が一体どうなったのか、経済がどうなっているのかということをちょっと検証してみたい、このように思っております。
特に総理、これは、まず見ていただきたいのは、この間ホームレスの人が二万人を超えている。これは昨年の数字です。自己破産が十二万三千件。特に悲しいことは、自殺をされている方がふえているんですね、これ。特に四十代、五十代の人がふえている。経営者の人もいれば管理職の人もいるし、被雇用者の人もおられる。四十代、五十代が七割ぐらいふえております。それから、犯罪がふえてきています。重要犯罪というのは、警視庁が言っている重要犯罪でございますけれども、犯罪も非常にふえてきている。そして、社会全体、やはりリストラが進んでいますから生活保護を受ける方がふえてきて、九九年度ですと一兆三千億から四千億ぐらい、多分生活保護にお金がかかっているんだろうと思っています。これが最近の状況なんですね。
私はこの後経済の方も数字を示しますが、確かにGDPがどれだけになっているかというのは非常に大事ですけれども、我々政治の基本は何かというと、やはり国民が安心して現在と将来に希望を持って生活ができる、仕事があってしっかり働くことができる、生活ができるということがベースなんですね。〇・一%高いとか低いとかということももちろん大事ですが、一番基本はそこにあると思っています。
こういう社会の状況、これは総理、何が原因で、どうしてこうなったんだと思いますか。これは、この二年間でわあっとふえているんです。これが自民党政治のこの二年間の実績ですよ。
○森内閣総理大臣 経済の動向でありますとか、そうした社会的ないろいろな現象でありますとか、これも、やはり一つには、日本のすべて経済そのものが大きく構造が変わっていく、そういう一つのきっかけもあるんだろう、そう思っています。全体的に言えば、日本の経済そのものがやはり縮小していく方向、そういう方向の中でそうした数字が出てきたものであるというふうに、私も今の時点ではそういう判断をいたしますが、そうしたことを少しでも解決するために今最大の経済対策を、政府としては一生懸命にそれについて取り組んでいるということであります。
○横路委員 特に、やはり四十代、五十代の人が今一番不安を持って、不満を持っています。それは本当に家族のために、会社のために汗水流して一生懸命働いてきたのですから。そして、そのあげく、会社に、はいさよならですよ、解雇ですよね。この一年間で、解雇などによって人件費の節減五兆円と言われています。それがこういう社会的な不安を生み出しているのですね。ここをやはりしっかり押さえていかなくてはいけない。
過激なリストラ、これは実は政府もかなり進めてきたのですね、リストラを。最近になってようやく、小渕総理も年明けてぐらいから、リストラではなくて雇用、活用する形に変えていかなくちゃいけないということを言われるようになりました。
私は、雇用というのは一番社会の基本だと思うのですね。経済発展の核がまず雇用にあるというように思うのですね。やはり、これはかなり無理なリストラが生んだ結果だと思いますが、総理、その点いかがですか。
○宮澤国務大臣 この現象は、今森さんが総理になられてからの時間の問題ではないと思いますので、少なくとも小渕内閣の初めからかかわっておりました者として、今ひとつ聞いていただきたいことがあるという意味でお聞きください。
それは、基本的にはこういう非常な、経験したことのない不況というものがどうしても根にあることは、もうそれは間違いありません。しかし、その一つ一つの社会悪が全部そこへたどり着けるかというと、今の我が国は、不況といっても、路頭に迷って餓死する人がいるというような不況ではございません。国民の不満感は高いけれども、それはあす飯が食えないというわけではない。ホームレスの人は、本当に家に住めないかといえば、また違う原因がある。いろいろ私は複雑な原因があると思うのですね。その中で横路委員の
おっしゃるのは、雇用が一つだろうとおっしゃるのは私はそうだと思いますけれども、しかし、我が国が今までのような雇用状況を続けて二十一世紀の世界に臨むということは、私はやはり難しいのではないかと思っています。
そこにはどうしたってやはり二十一世紀らしい産業なり経済生活のあり方があるわけですから、それは雇用だとか教育だとかいうことに影響を及ぼさざるを得ない。それを乗り越えて我々は二十一世紀で生きていける国になるのだと思っていますので、今こういう起こっていることは、本当に政治に責任があります。また、こういうひどい経済状態にも責任が確かにあります。そうであるけれども、しかし、それをやめたら日本は二十一世紀に生きていけるかというと、やはりそうではないという現実を国民は知っていますから、ここはお互いにわかり合い、苦労し合い、政府としてもできるだけのことをしていくという、そういうことを御指摘になるのであれば、まさにそうであるとは思いますけれども、単純に不況だとか雇用だとかいうことではないように、まことに僣越ですが、私は思っています。
○横路委員 ちょっと雇用の問題は後ほどやりますが、では経済の方の実績はどうなったかということでございまして、これは新しい数字です、十―十二の数字。それから失業者は二月、企業倒産は三月の数字でございます。その前年の比較でございます。
総理にお尋ねしますが、なかなか経済――お金は相当つぎ込みました。例えば、小渕内閣になってからも、緊急経済対策、経済新生対策、十一年度予算と補正予算、それに十二年度予算ですね、当時は十年度予算の後半の部分でしたが。そのほか金融安定化対策と例の中小企業の保証枠ということで、これを合わせると三百兆円ぐらいのお金なんですね。それだけのお金を使ったけれども、GDPの方は、名目でいいますとむしろ下がってきているということなんです。
なかなかうまくいかない要素の一つというのは、従来から指摘されておりますように、私は、なかなか消費が伸びないからだと思うのですね。要するに、普通ですと、所得が伸びて消費、需要が伸びて、生産が伸びて設備投資が生まれて、また雇用が生まれて所得がふえて、そういう、うまく循環に入ればいいわけですが、なかなかそこに行っていない。所得も伸びておりませんし、所得が伸びたとしても、どうもやはり将来の不安があるから貯蓄に回ってしまう。お金を使わないのですね。
問題はやはり、ここでも全世帯の消費支出というのがマイナスになっています。どうして伸びないのかというと、それは今話をした点にありまして、そのベースにあるのはやはり将来の不安だと思うんですね。それは雇用不安であるし、それから老後の不安であるし、それからもう一つは増税の不安という三つの不安がベースになっていて、なかなか人々が消費に向かわないというところに今日の問題があるのだと思うんですね。
それで、私は、大事なのは何かといいますと、一つは、その不安をやはり解消していく努力をするということをしなければいけないわけなんですけれども、どうもこの間政権がやってきたことはそうではないんじゃないだろうか、不安をむしろ増長するようなことをしていたのではないかということをまず一つお尋ねしたいと思います。それは、今回の年金の改正の問題であります。
総理御承知のように、今、高齢者の方で年金や恩給だけで生活されているという方が六割おられます。しかも、高齢者の方の収入は、百万未満の方が三三%、百万から二百万の方が二二%、収入のない方も一〇%おられます、家族の方とか一緒の方などだと思うんですけれども。それで、今回の年金改正でどうなったかといいますと、現在五十歳、六十歳の方は、将来もらう年金は大体五百万減ったんですね。四十歳の方で一千万円、三十歳の方で一千百万円減るような措置がとられた。しかも、支給が六十歳から六十五歳に延長されて、この間の雇用は厳しいという状況なわけですよ。
ですから、人々は、年金は下げられますよ、医療と介護の負担はふえますよ、これじゃどうしたらいいんですかと。ですから、わずかな収入の中でも貯金をするということに現状としてなっているわけですね。
総理にまずお伺いしたいんですが、まずこの三つの不安を解消する。老後の不安解消でやはり大事なのは年金です。年金をしっかりするということが大変大事なんですが、今回の改正はそんな意味ではむしろ将来の不安を増長したことになるんじゃないかと思いますが、総理の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○森内閣総理大臣 いろいろ随分長くおっしゃいまして、最初の段階のところは、そのままになってしまいますと、後、テレビをごらんになっている国民の皆さんは、なるほど、そうかなと見られてもいけません。
いろいろな数字をお出しになったわけですが、今あなたが立論にされている数字から並べればそういう数字が出てくるんだろうと思いますが、先ほど大蔵大臣もおっしゃいましたように、日本の現状をもう少しマクロで見れば、そういう意味では預貯金も着実にふえているわけでありますし、あるいは海外の資産もきちっと確保しているわけでありますし、国全体としては大きくやはり私は順調な歩みをしているんだろうと思います。
ただ、御承知のように、これはすべての制度で言えるわけでしょうが、国際化が進んでおりますし、高齢化も進んでおりますし、少子化も当然進んでいるわけでありますから、そういう中で企業といえどもやはり体質を変えていかざるを得ないわけであります。そういう意味では、従来のように、多少不採算な部門があっても会社としてそれをある程度経営を保持していくという時代ではもうない。そういう意味では、後ろにいらっしゃる岩國さんなどはまさに国際経済の通なんですから、恐らくそのことに、私の論には反対なさらないと思います。
国際社会のために堂々と打ちかっていく、今の舞台は日本だけをベースにしている企業の存在というのはもうないわけであって、世界全体を見ていかなきゃならぬということになれば、当然、そういう意味での経営資源といいましょうか、企業そのものを存立させていくためには、選択とある程度の集中というのは、これは不可欠なことだろうと思います。そういう意味で、単に不採算部門の合理化ということにとどまらず、経営資源というものを得意分野に集中していく、そして新分野を思い切ってつくって、その前向きな中から新しい雇用の場をつくっていく、企業の力を蓄えていくということが私はやはり今大事な政策だろう、そう思っています。
もう一点は、小渕内閣になってから悪い、悪い、こうおっしゃいますが、小渕内閣が橋本内閣を受け継いだときの株価であるとか為替の不安定を、あなたは一番よく御存じだと思うんです。何とかして金融破綻を救いたい、そういう思いで、私も当時幹事長として皆さんにも再三御協力のお願いもいたしたと思いますが、当時から見て、いろいろな意味で資金も随分つぎ込んだと今御指摘がございましたけれども、それじゃ今、日本の経済は悪くなっているのでしょうか。私はそうは思わない。まだ遅々として進んでいない面もあり
ますが、かなり改善をされて、いい方向に進んでいるんじゃないでしょうか。私は、それは国民の皆さんがお認めくださると思うんです。
そういう中で、改めていわゆる社会福祉の制度であるとか、教育の制度でありますとか、行政の改革をしていくとか、そういう次の世紀に備えていくということが今これから果たしていく政治の大きな役割だろう、こう思っております。
○横路委員 企業の負担を軽減するんだということで、政策集中してきましたね。その結果どうなったかというのが、さっきの社会の状況がどうなったかという数字なんですよ、その結果が。結局、国全体としてはコストのかかることをやってきているわけなんです。しっかりやはり対応していかなければいけませんからね。社会的なセーフティーネットをつくっていく、生活保護費や何かはどんどんふえていっているわけでしょう。
年金の問題にお答えはありませんでしたが、次の質問に移っていきたいと思いますが――いやいや、結構です。それはさっき、現実としてそのようになったわけでございますので。
もう一つ大きな問題は何かといいますと、やはり雇用の問題なんですね。
総理、二月の数字というのをどのようにごらんになりますか。この雇用の厳しい状況というものを一体総理としてどう認識されているのか。失業されている方が三百二十七万人ですね。三百二十七万人というのは、労働力人口でいうと、千葉県よりちょっと多くて埼玉県よりちょっと少ないぐらいの数字なんですよ。これは、いろいろな県を合わせますと、例えば佐賀県、福井県、山梨県、島根県、徳島県、香川県、高知県の全部の労働人口が失業しているという数字なんですね。大変深刻ですよ。これをどのように受けとめていま
すか、総理。
○森内閣総理大臣 先ほど経済そのものが大きく今構造変革をしていかざるを得ない、そういうときでありますから、そういう面では、確かにいわゆる非自発的失業者が出てきているということは承知をいたしております。そのためには、一時的にでも雇用創出というものをやはりつくらなければならぬということで、再三、恐らく政府としても四回にわたります雇用のそうした創出をしていく政策を掲げてきている、予算措置もしているというふうに思っております。
ただ、大きく今転換をするときでありますので、経済の動向よりも失業率の方が少しおくれて出てくることはやむを得ないことかと思っておりますが、改めて経済を安定させて、企業もいい方向に進んでいくことによって、雇用の場もまた創起されていくことだというふうに我々は期待をいたしているところです。
たまたま、企業というものを大きく変えるために、いわゆるリストラによる失業者が出てきていること、そしていわゆる高齢者の再就職という場が極めて難しくなってきているということ、それから新卒業者による就業の場がなかなか難しくなっているということなどもこうした数字にあらわれていると思いますが、政府としても、こうした雇用の不安、これを何としても解消するために今全力を挙げて各般の措置をとっているということでございます。
○横路委員 これは、労働大臣にちょっとお伺いしますが、三月は五%超えるんじゃないですか、失業率は。
○牧野国務大臣 御承知のとおり、二月の完全失業率は四・九%、そして私どもが一番心配したのは新卒の就職率がどうなるか。先生御指摘のとおり、例えば高校については七九・三%でありましたけれども、最近の調査では九一・八%、こういうことで、企業サイドでやはり競争力を確保するためには優秀な人を必要とするという空気が実はじわじわと出てきたな、こういう感じがいたします。
それから、もう一つ顕著な特徴は設備投資でございますが、これは特に成長産業に伸びてきておりまして、企業の確信と申しますか、投資をしよう、人を雇おうという、単に可能性がこうだとかあるいは学者がこうだろう、そういうことではなくて、企業経営者が確信を持ってきたということを実は肌で感じさせていただいた次第であります。
したがって、五%をオーバーするかどうかについては、リストラの問題、それから特に大学卒業生の内定率がまだ不明でございますので、その辺の調査をいましばらく待たせていただきたい、こう思っております。
○横路委員 要するに、この四・九という数字は、中小企業の倒産と大企業のリストラなんですね。中小企業もこの間、四カ月ほどずっとふえてきています、中小企業の倒産が。それからリストラは、いろいろな調査を見ましても、まだこれから二年以上、大企業ではリストラは続いていくだろうということが言われているわけですね。
総理、やはり新しい雇用の場をつくるということが大変大事です。同時に、雇用のための安全ネットをどうつくるかということもあります。今度雇用保険法が改正されるわけですけれども、私どもは、世帯主が失業した場合の失業給付期間なんかはもっと延長すべきだというように考えていますし、最近パートや派遣労働がふえていく中で、その労働条件が非常に厳しいのですね。むしろ、同じ労働をすれば同じ賃金だという原則を、日本としても早く固めるべきだというように思っております。
そこで、質問したいのは、新しい雇用の場ということでお尋ねをしたいと思うのですが、新しく求人がふえている分野は三つあります。一つは、サービス業における福祉や医療関係、介護の関係が中心ですね。それからもう一つは、やはり情報通信関係なんです。このサービスが、事業がふえていっている。それから、情報通信関連の製造業というところがふえているのですね。そして、建設業の関係はどうかといいますと、この三カ月ほど出ている数字では、七十万ぐらい減ってきています。確かに、公共事業をやるとその後ぽっ
とふえるのですけれども、すぐその効果というのはなくなってしまう。
そういう意味では、これからの雇用をどこに重点的にやっていくのかというと、やはりこれらのサービス業なんですね。個人サービス、医療、福祉、教育、レジャー、こういう関係。それから、情報関連の対事業所サービスといったようなところなんです。そこにやはり財政投資を変えていかなければいけないわけですね。私は、公共事業というのは生活の基盤と生産の基盤をつくる仕事ですから、それは過去の生活や生産の基盤じゃなくて、これからの人々の生活と生産の基盤をつくるということが大事なんですね。
実は、この古い事業が依然として古いまま行われていて、新しい状況に対応していないわけですよ。だから、この仕事のふえているところを見ますと、それは何かというと、まさにこれから国民が必要としている生活の基盤を整備すればするほど、むしろここは伸びていくというのがはっきり出ていまして、今まで政府がやっている古い公共事業ではなくて、やはりこれからの新しい公共事業が必要なんですね。それが、この新しい求人の傾向に出ています。
ですから、私が総理に質問したいのは、投資先、投資を変える、財政支出の構造を変えるということがどうしても必要な時期に来ていると思いますが、総理のお答えをいただきたいと思います。
○森内閣総理大臣 小渕前総理も、十二年度予算を編成されるときに当たりまして、もちろん従来の公共事業というものも、経済を下支えさせていく、あるいは即効的に効果をあらわしていくという意味ではこれもまた大事にしていかなければならぬけれども、同時に、今御指摘ございました新しい分野の産業、そうした産業をしっかり伸ばしていく、しっかりとした財政措置をしていくということで、いわゆるミレニアムプロジェクトというものを推進された。その効果もやはりあればこそ、今指摘がありましたそういう新しい三つの部門が伸びてきているのだろうというふうに私は理解をいたしております。
まだ、やはり日本列島は広いわけでありますし、そして大企業、中小企業、小規模企業、いろいろあるわけでありますから、そうした企業の中にすべてが、今の新しい三分野のもとに、全部そのもとに集結していくということはなかなか難しいだろうと思う。技術的なものを習得もしなければならぬでしょうし、ミスマッチもあるでしょうし、横路議員には申しわけないわけですけれども、北海道なども、やはり何といっても全国よりもはるかに多いパーセンテージで公共事業への依存をせざるを得ないのじゃないでしょうか。
そういうところに対して、やはり公共事業というものは、そういう下支えをしていく役割というのはあるわけで、すべてそれを方向転換させてしまうということは、私はとるべきことではないだろう。徐々に徐々に新しい産業もしっかりと芽生え、定着し、広がって、雇用の場が大きく広がっていくように、財政はやはり細かな分野で目を配りながら、財政支援をしていくということが私は大事ではないかというふうに考えます。
○横路委員 その考えですと、ほとんど変わりませんね、全然。構図、構造、歳出構造をやはり思い切って変えないといけないわけです。
私は、その公共事業が、古い形の公共事業、新しい公共事業という言葉を使いましたけれども、これからの国民の生活に何が必要か。今はもう少子高齢化社会になっているわけですから、そのための介護や育児の基盤や人材を養成するということが大事でしょう。情報通信社会なんですから、そのための基盤とそのための人間を養成するということが必要なんですよ。そこに思い切って投資を変えていかないと、従来の昭和四十年と今の公共事業のシェアは何も変わっていないじゃないですか。これでは雇用が生まれていないんですよ、雇用が。だから、そこを考えてもらわなきゃならない。
例えば、特別養護老人ホームだってまだ足りませんよ。待っている人がたくさんいるんです。しかもその内容だって、もっと個室化を進めていかなきゃいけない。あるいはグループホームとかケアハウスのようなものを、公営住宅を使ってどんどんむしろつくっていった方がいい。あるいはバリアフリーの町だって、それはミレニアムプロジェクトというあんなお金じゃなくて、やはり本格的にやっていくような事業というのが必要なんです。
そして、少子高齢化というのは、先ほども議論がありましたけれども、これは何か経済の足かせになるんだという考えは間違いなんですね。むしろ、そういう中から新しい産業が生まれてくるんです。市場が生まれてくるんです。そこにむしろ思い切って誘導していく政策というのが必要なんですよ、総理。そうしないと雇用は生まれませんよ、従来の政策を続けているだけでは。それはどうですか、総理。
○堺屋国務大臣 経済の議論は正確にやらないといけないと思いますので、ちょっと申し上げます。
まず第一に、先ほど挙げられた数字でございますけれども……(発言する者あり)
○島村委員長 御静粛に願います。
○堺屋国務大臣 あれは十月―十二月だけとっておられますけれども、最近の数字を見ると大分変わっております。例えば、今委員お示しになりましたのに、名目GDPがマイナス七・二というのは、これは十―十二月のだけでございますが……(横路委員「それをベースにして一年分に延ばしたものです」と呼ぶ)それを一年分に延ばされたんですね。ところが、最近の、二月になりますと、これはプラスの三・三でございます。特別のときだけとられると非常に大きく悪い数字が載りますが、決してそうではございません。
また、この次に、全世帯消費支出についてもマイナス四・三ということを書いておられますけれども、二月にはこれはプラスに転じている。そういうぐあいに、動態的に見ますとかなりよくなっております。
それで、今の公共事業の問題でございますが、これは最初、まず九八年の補正予算を組んだときには、まず下支えが大事だというので即効性を重視しました。そして、九九年度の新生対策におきましては、九兆円のうちで二兆三百億円を新セイ策に投じました。
それで、皆さんごらんになっておられるのは、各省とかそういう別で見ると、変わっておりませんというのがよく出るんですが、内容は相当変わっております。だから、情報通信、これは民間企業のやる分が多いのでございますけれども、地下埋設であるとかあるいは学校のインターネット化であるとか、そういうところへぐっと傾斜してまいりました。
その結果、今おっしゃるように、情報通信の製造業やサービス業で雇用がそろそろ出てきている。雇用は遅行的でございますけれども、景気ウオッチャーなどの調査によりますと、相当求人倍率、求人数はふえておりますし、求人広告もふえております。
したがって、景気の回復に従って、これも間もなく回復に向かうだろうと考えております。
○横路委員 三百兆円もお金を投入して、それは少しはよくならなきゃならぬわけで、ただしかし、タクシーに乗ってみても、どこに行ったってそんな景気がいいなんていう実感は国民の中にないですよ。
それで、もう時間がちょっとなくなってしまいましたので、聞かれたことだけ答弁してください。
一つは、財政の改革ということなんですが、歳入に合わせて歳出をカットするという財政の健全化じゃなくて、財政の構造改革を進めていく上では、まずやはり第一は財政の効率化を図らなきゃだめですよ。むだをなくすということですね。それから、できるだけ政策は選択をして、政策目的のはっきりした政策を行うということ。これはいつの時代でも大事なことだと思う、財政の効率化というのは。これはどうですか、総理。
○森内閣総理大臣 財政を効率化していくということは、私はたびたび、午前中にも申し上げたと思います。
そういう意味で、今議員が指摘されましたように、小渕内閣になってこうもなった、ああもなった、悪い悪い、こうおっしゃいますからそのことを申し上げたわけでありまして、何も従来の公共事業を中心にやるということを申し上げているわけじゃありません。今、堺屋長官もお話しされましたように、私も先ほど申し上げたはずです。緊急的に下支えをしていく、効果的にあらわしていくためには、その方法もやはり選択する道であったということを私は申し上げているわけでありまして、いよいよこれから、来年は中央省庁が新たにスタートするわけでもありますし、私は、本会議でも申し上げましたように、予算のあり方については、やはり多くの皆様の意見をちょうだいしながら、そういう意味で効率的な予算措置をしていくように考えていくべきだというふうに当然考えております。
○横路委員 財政の効率化ということで一つ、今回の児童手当の問題ですね。これも結局、考えてみますと、今まで三歳までの子供に、二百六十五万対象で手当が出ていたわけですね、それを三歳から六歳に拡大をすると。しかし、拡大するために、年少扶養控除、これは去年わざわざ上げたものをまた下げるということになりまして、結果的にどうなったかということになりますと、千六百万の児童の家庭が増税になるんですね。大体、子供一人でどれだけの増税になるかというと、年間で一万六千円ほどの増税になるわけですよ。三歳から六歳の、所得が六百七十万以下の家庭のところだけ三百万人ふえるということで、これは一体何が政策目的なのかということで、今議論しているさなかでございますけれども、もう厚生省の方も、いや、これははっきりしないということで、これが一体何になるのか。
子育てということになると、むしろ子供というのは大きくなるほどお金もかかるわけでして、やはり私どもは、全体としてやるならば、もちろん扶養控除との関連はございますけれども、もっと拡大してやるべきだというように思います。こんな政策目的のはっきりしない政策はないんですね。
つまり、やはり、一つ政策をしっかり選択をして、政策選択をして予算を考えるという、財政の効率化ということを考えなければいけないと思いますが、総理、どのようにお思いになりますか。
○丹羽国務大臣 児童手当の問題でございますけれども、これはそもそも与党の三党協議の中で決められた問題でございまして、いわゆる年少扶養控除の中におきまして、児童手当の延長が、これまで三歳未満でございましたけれども、これを就学前まで延ばそう、こういうことでございます。その結果、増税に当たる部分もございますけれども、基本的には、いわゆる低所得者を中心とする重点化を図った、こういうことでございます。
○横路委員 いや、もう全く政策目的が混乱した制度で、多くの子供を抱えた家庭が増税になる、こういう政策は、やはり選択を間違えたというように私は思います。
最後に一つ、沖縄サミットについてお尋ねしたいわけですが、沖縄は太平洋のキーストーンと言われて、アメリカ軍のいわば、アジア太平洋地域、中東地域まで含めた戦略拠点だったわけですね。今回の沖縄サミットに沖縄県民の皆さんが何を望んでいるかというと、やはり米軍基地の問題、そして県民の平和を愛する心ということを今度のサミットのテーマにしてほしいというように言っております。
そうしますと、むしろ核軍縮の問題でありますとか通常兵器の移転の禁止といったような問題をしっかりテーマにしなければ、ここで世界の首脳が集まってもう一度米軍の基地を再確認するようなサミットになる危険性が私はあるのではないかと思っておりますが、その点、総理はどのようにお考えでサミットに臨まれるのですか。
○河野国務大臣 小渕総理のとき以来サミットの準備にかかわってまいりましたので、私から御答弁をさせていただきたいと思います。
沖縄で開かれますサミットは、二十一世紀を視野に入れて節目の年、しかもアジアの一角で開かれるサミットということで、大変重要な意味を持つサミットである、これをぜひとも成功させたいというのが小渕総理のお考えでございました。
沖縄で開かれるということもございますから、世界の首脳が沖縄に一堂に会されて、そして、基地をごらんになることもあるでしょう、沖縄の文化その他をごらんになることもあると思います。
しかし、サミットの議題は目下、シェルパを走らせましてその議題の整理を行っているところでございます。現状では、心の平安でありますとか、安心、安全な社会でございますとか、二十一世紀に向けて世界の人たちが不安を克服できるような、そうしたサミットにしたいものだということで目下調整中でございます。
○横路委員 もう時間がなくなりましたので、最後に、有珠山の噴火の問題についてちょっとお話し申し上げたいと思います。
避難されている方もだんだん長くなりまして、心から皆さんにお見舞いを申し上げたいと思いますが、いよいよ仮設住宅の建設でございますとかいろいろな事業が始まります。これは地元からいろいろな要望もありますので、特に例えば国庫補助負担なども、例えば実際には四百万ぐらいかかるものが二百五十万ぐらいしか出ないとかいうような問題がありまして、たくさん要望が出ております。
それと同時に、問題なのはこれからどうなるかということでございますので、観測体制をやはりできる限り強化して、そして人々の安全に万全を期していただきたいということを最後に申し上げて、私の質問を終わりといたします。 |