| 衆議院商工委員会質疑議事録 2000年5月10日(水) |
○横路委員 この高レベル核廃棄物の処分問題というのは、十数年前にこの問題に直面させられました一人といたしまして、ようやく法律が出てきたのかという思いでございます。 十五年ほど前になりますけれども、北海道の幌延町という町がこの高レベル核廃棄物の処分の地として手を挙げまして、手を挙げたものですから科学技術庁も動燃も大喜びいたしまして、本来ならばしっかりと科学的に対応しなければいけないところ、まだほとんど当時日本において、ガラス固化体の研究も地層処分の研究もそんなに進んでいたとは言えない状況の中で、科学的な根拠なしに、手を挙げたからということで、この場所に立地をしようということで大変なエネルギーをそこに投入したのですね。動燃の職員の方などは、北海道の地方議会の自民党の控室に来られて、質問づくりまでやられるというような努力を、エネルギーをそこに費やしたわけです。そのうちに肝心のおひざ元が、いろいろな事故が発生するということで、今日の事態になっているわけでございます。 私は、そういう中で時間をかけてできた法律、しかも先進国の中で、ある意味でいうと一番後になったというか、新しい法律であります。この問題というのは非常に深刻な問題でありますし、各国とも悪戦苦闘して、いろいろな努力をしてきているわけですね。場所を決めるに当たっての手続をどうしたらいいのかということ、やはり国民的に開かれた大きな議論というものをしなければ、どこかで隠して場所を何か決めてしまおうというようなことはとてもできる問題じゃありません。 そんな意味で、期待をしてこの法律を見たわけでありますが、しかしこの法律は落第ですね、私に言わせますと。そういう今まで各国が努力してきたいろいろなことが、ほとんど生かされていないと言っていいと思っております。そのことがこれからの質問の内容でございます。 私は、基本的には、今日本の中で再処理をすべきだというようには思いませんけれども、しかし既に多くの核廃棄物がある以上、これを何とかしなければいけないという意味で、このような法律は必要だというように思っています。しかし、この法律は本当に内容にたくさんの問題がありますので、慎重に時間をかけて議論すべきだ。少なくとも、一万年以上この日本列島に住む人々の安全に責任を持つことができるかどうかということを、今審議に加わっている我々一人一人が問われているのだ、このように思っています。 そこで、通産大臣にまずお尋ねしますが、この法律は、一体これは何を目的とした法律なんでしょうか。 ○深谷国務大臣 横路議員が北海道知事の時代に大変御苦労なさったこともよく承っております。 エネルギー問題というのは、我が国にとって、あるいは我が国だけではありませんけれども、人類が生きるために非常に大事なことであります。そして、日本の場合には、残念ながら、石油エネルギーといったようなものについては他国にゆだねなければならない。したがいまして、そこでは原子力発電に期待をつなぐということは、どうしても必要なことになってまいるわけでございます。 その原子力発電に期待をいたし、現実にエネルギーの供給を続けているということに相なってまいりますと、その後の放射性廃棄物の最終処分についてどうしたらいいか、当然のことながらきちっと定め、今お話がありましたように、次の世代の人たちに迷惑のかからないような、そういう状況をつくっていかなければなりません。したがいまして、高レベル放射性廃棄物の最終処分の実現ということは、私どもにとりまして喫緊の課題でございます。 そこで、その重要な課題を解決するために、費用の負担についてはどのようにしていくか。次の世代の間の公平性の確保というような観点からも、一刻も早い取り組みが不可欠でございます。 お話がありましたように、各国におきまして、高いレベルの放射性廃棄物の処分について、地層処分を行うための資金確保とか処分実施主体の設立等を進めておりますけれども、まだ残念ながら我が国にはこれらの制度の整備が行われておりません。また、原子力発電関連施設の地元自治体からも、処分実施主体の二〇〇〇年設立に向けて、その取り組みの強化を求められておりまして、一刻も早い制度の整備が必要でございます。 このような状況を考えて、当省としては本法案を提出させていただいた次第であります。 ○横路委員 この法律の目的というのを読んでみますと、私はよくわからないのですね。それで、お手元の、皆さんも御存じだと思いますけれども、「この法律は、発電に関する原子力の適正な利用に資するため、発電用原子炉の運転に伴って生じた使用済燃料の再処理後に生ずる特定放射性廃棄物の最終処分を計画的かつ確実に実施させるために必要な措置等を講ずることにより、発電に関する原子力に係る環境の整備を図り、もって国民経済の健全な発展と国民生活の安定に寄与することを目的とする。」こうなっているのですね。安全という言葉が一つもないのです。 そこで、ちょっとアメリカの法律と比較してみたいと思うのですが、アメリカのいわゆる核廃棄物政策法の百十一条を見ますと、高レベル処分場の認定及び目的ということで、議会は次のことを認定し、そして次のことを目的とするとなっているのですね。まず、放射性廃棄物は潜在的なリスクを創出し、そして安全かつ環境的に受け入れられる処分方法を必要とするということを現状として認識しています。 当然のことなんですけれども、この法律の目的は何かといえば、ともかく、今出てきている、あるいはこれから出てくる高レベル核廃棄物、この高レベル核廃棄物というのは御承知のように放射能がとても強いわけですね。ストロンチウム90、セシウム137。あるいは、何万年も放射能がなかなか弱くならないもの、こういうものもたくさんあります。例えばネプツニウムのように二百十四万年とか、セシウム135のように二百三十万年とか、そんなものもあるわけですね。したがって、まず何をするための法律なのかというと、ある意味でいうと、非常に危険性を持っているものをどうやって安全に処分をするのかということがこの法律の一番大きな目的とならなければいけないのじゃないですか。それがどこにもこれは入っていないのですね。 大体、この法律の名称だって、特定放射性廃棄物とは何ですか。この特定なんという言葉、突然出てきましたよ。高レベルでいいわけでしょう、高レベル核廃棄物でいいわけですよ。この法律というのは本当に、高レベル核廃棄物を何とか処分しなければいけない。なぜ処分しなければいけないのか。そこら辺に置いておいたら危険だからですよ。しかも、その半減期が非常に長い。どうですか、違いますか。 この法律の目的の中に、国民の生命、国民の命を守る、安全を守るということが全く入っていない。こんな法律ありますか。 ○深谷国務大臣 安全体制を確保するということが最も必要なことであることは言うまでもありません。 この法律の中で安全規制体系の整備を行わないで、何で本法案だけ出すのか、そういう御質問でありますが、まず、高レベル放射性廃棄物の最終処分の事業というのは、第一に巨額の資金が必要であります。第二に、処分候補地の選定等に非常に長時間を要するだろうと思われます。第三に、安全規制が必要とされるのは処分施設の建設段階以降である。この三つの点を考えまして、安全規制に関する法律はこの法案の後に策定する。これは諸外国等の例を見ましても、そのような形で行われているというケースが多うございます。 一方、処分の費用の手当てを先送りしないためには、本来は原子力発電を行った時点で費用を手当てするということが必要でありまして、また、その処分を行う主体を明確にする、そういうことも必要なことでございます。 そこで、私どもといたしましては、原子力安全委員会で安全規制についてはただいま鋭意検討が進められておりまして、今回の法律案においては、安全規制については別途法律で定めるということを法文上明確にしているという形になっているわけであります。 ○横路委員 私が聞いているのはそういうことではなくて、この目的を見ると、まるでこれは原子力産業を守ることを目的とする法律みたいじゃないですかと言っているのですよ。 問題は、高レベル核廃棄物というのはやはり危険性を持っているわけでしょう。非常に長い間、この持っている放射能の能力というのは半減しないものもある、長期間にわたる。ですから、それを安全にどうやって処分するのかということのための法律じゃないのですか、この法律は。 ○河野政府参考人 この法律の目的には、「特定放射性廃棄物の最終処分を計画的かつ確実に実施させるために必要な措置等を講ずることにより、」云々と先ほどおっしゃいましたように、措置を講ずることが中心になっておりまして、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、費用の負担、あるいは処分地の選定、あるいは処分主体の設立、そういったことをこの法律で決めさせていただくということでございます。 もちろん、放射性廃棄物の安全な処分ということは当然のことながら重要でございまして、その点につきましては、これも大臣御答弁申し上げましたように、安全の確保の規制という第二十条におきまして、「別に法律で定めるところによる。」という規定を設けたわけでございます。 先ほどお話にございましたように、現在、原子力安全委員会でこの基本的な考え方も検討中ということでございまして、これを別途の法律によって定めていくという考え方でございます。 ○横路委員 しかし、それはおかしいと思いますよ。この法律に基づいて最終処分地をどうやって決めるかということ、この法律の中に規定されているじゃありませんか、六条から八条まで。ですから、本来ならばこの目的に、最終処分を安全に実施させる、そして国民の安全を守るということがはっきり出てこないとおかしいんじゃないですか。 大臣、これは認識がおかしいと僕は思うんですよ。これは原子力産業を守るための法律に形としてなっているのです、この目的は。しかしそうじゃなくて、問題は、この廃棄物はやはり危険だから安全にどう処分するかということでしょう。そのためにいろいろなことを準備しようということが目的のはずですよ。私は、この法律が非常にずさんなのは、まずこの目的を見て、これは一体何のためにつくった法律なのかと。もっと明確に、国民の安全を守る、そのためにつくるのです、当然じゃないでしょうか。 ○細田政務次官 おっしゃるとおり安全の問題もこの問題に関しては大変大事な問題であって、法律で決めなければならないわけでございますが、まず最初に枠組みをつくるということを各国とも実際はやっておりまして、しかる後に、その枠組みができました後に安全規制に関する規定を設けている例が多うございます。 例えば、ドイツにおいても、一九七六年の原子力法に対して、安全法は六年後。あるいはフィンランドは、八七年に対して十二年後。スイスにおいては、一九七二年に対して二十一年後。スウェーデンにおいては、八四年でございましたが、現在未整備ということでございます。アメリカにおきましては、八二年に対して九三年。 これは、さまざまな具体的計画との関連で整備すべき内容があるということもあると思いますけれども、段階的に法整備をしていくという考え方であることと、巨額な費用等もかかるということでございますので、やはり環境整備の法律からまず制定させていただきたい、こういう趣旨でございます。 ○横路委員 それならば、この法律は、実施主体と費用の負担だけを決める法律にすればいいわけですよ。処分地を決めるのも段階を追って決めるように、要件だって、極めて不十分ですが、書かれているじゃありませんか。安全に関する点に入っているんですよ。 だから、今のお話だったらこの法律はちょっと出し直しをして、実施主体と費用の負担だけ当面明確にさせます、そして、あとは安全のちゃんとした法律ができてからやりましょうということでいいじゃないですか、どうせ時間のかかる話なんですから。 ○河野政府参考人 この法律で処分地の選定の手続を決めているのは、御指摘のとおりでございます。 ただ、先ほど申しましたように、第二十条で、安全の規制については別途の法律で手当てをするということにしておりますのは、処分地の選定を行いました後、安全の規制というものは処分地の選定に加えましてそれにどのような施設がつくられるか等を総合的に判断して決められるべきものだということでございますので、選定の後、さらに厳格な安全規制が実行されて実際の事業が許可される、そういう手続になるものと了解しております。 ○横路委員 いや、問題は、処分地の選定そのものが、やはりいかに安全な地層を選ぶのかということでしょう。それに至る手続がこの法律に書いてあるんですよ。それは何を優先させなければいけないかというと、一万年間にわたってこの列島に住む人々の安全なんですよ。そのためにこの法律をつくったんでしょう。 だから、先ほどの答弁だったら、まず枠組みをつくるというならば、実施主体と費用の点だけこの法律でしっかりつくればいい。あとはもう少し時間をかけて議論して、どういう地層処分がいいのかということならば、そこに向かって議論をもう一度するということの方が正しい選択じゃないですか。あれもこれも何か物すごい拙速にできている法律ですよ。大臣、どうですか。 ○深谷国務大臣 今まで日本でこの法律の整備がおくれていた。残念ながら、私どもは早くこの整備をしなければならないというふうに考えておりました。 それと同時に、外国のこのような手続の進め方等々も参考にいたしまして、まずこのような法律のスタートをいたして、安全性の問題については、先ほど申しましたようにこの法律の中で別途定めるということを法文上きちっと明確にしているわけでありまして、今後安全に対して万全を期するための新たな法律をつくる、そのために今原子力安全委員会において鋭意検討が進められておる状態でございまして、安全を考えないでこの法律をつくるということとは全く違うというふうに私は思っております。 ○横路委員 それならば、法律の目的でその趣旨を明確にすべきだというように思います。ぜひ議員皆さんの中でその点の御議論をひとつお願いいたしたいと思います。 私が非常に心配しているのは、よく原子力の安全神話ということが言われました。そうした中でジェー・シー・オーの事故などが発生したんです。 私も一つ体験したことがあるんです。北海道で泊の原子力発電所ができたときに、避難訓練をやろうということでやったわけですが、そのときに通産も科学技術庁も反対しました。安全なのに、わざわざ危険だということを宣伝するようなものだといって政府は反対された。それからもう一つ、反対運動をやっている方も反対されました。チェルノブイリのような事故が起きたらそんな避難訓練なんかやったって意味がないということですね。 しかし、避難訓練を年に二回ほどやっていますが、やってみると、消防の人たちの防護服がないだとか、保健所にヨードがないとか、避難を知らせるのに広報車で回っただけでは伝わらないとか、冬に逃げ道がないとか、いろいろなことがやはりわかってくるんですね。やはり人々はそれでもって何かあったときの心構えも準備もできてくるわけですし、行政の方も何を整備しなければいけないかというのがわかってくるんですね。 日本の場合はどうも、安全といったら安全、だめといったらだめになってしまって、そこに共通の土俵がないんですね。私は、この原子力問題の扱いは、原子力発電所だってやはり危険性はあるわけです、事故を起こせば大ごとになるわけですから。しかしそれを何とかコントロールしていこう、こういう考え方でなければいけないと思うんですね。安全なんだということを前提にしちゃって、そうするともう行政の、動燃なんかがそのケースですが、何か起きると隠すということになるんですね。安全だ安全だと言っているから隠そうということになってしまうわけですよ。 やはりその体質をまず改めなければ、この処分地を決めるというのは簡単なことじゃないですよ。大臣、どうもそういう考え方があるんじゃないだろうか。やはり危険なんだ、しかしそれを何とかコントロールしなきゃいけない、コントロールしていくためにはどんな手続とどんな国民的理解が必要なんだということでなければいけないんですね。この法律はそのスタートですから、どうも私の今の点からいうと非常に不十分な法律です。 どうですか、大臣。やはり危険なんだ、しかしそれを何とかコントロールしていこうということが原子力発電所を含めた関連施設全体に共通して言えることだと思いますが。 ○深谷国務大臣 私は、横路議員のそのお考えには同じような考え方を持っています。 例の東海村のあのような事故が起こりましたときに、原子力全体への不信感というのが一気に国民の脳裏に駆けめぐっていったわけであります。もちろん、東海村のあの燃料工場での事故と原子力発電所のそれとは、安全性には全く違いがあります。原子力発電所はそれこそ多重層の安全防御の体制をつくっておりますから、東海村イコール原子力発電所ということとは全く関係ないのでありますが、しかし、それにいたしましても、国民の皆様は同じように御判断なさって心配をされるわけであります。あの事故が起きましてから、法律改正等を行いまして、いざというときにいつでも対応できる、そういう体制を築いたわけであります。 原子力発電の今後の運営の過程におきましても、透明性というのは明確にして、隠すなどといったそんな体質は完全に払拭しなければなりません。そして、国民の皆さんの御理解を求めて御協力をいただきませんことには、これを維持運営していくことはできないわけであります。そういう意味では、私は、安易に目先をごまかしていくというような体質がもし残っているとするならば、それは断然変えさせていかなければならない、そのように考えております。 いずれにいたしましても、今後の高レベル放射性廃棄物の最終処分に当たりましては、安全ということには万全を期すことは当然であります。 ただ、先ほど御説明申しましたように、これらの最終処分事業というのは非常に資金がかかるわけであります。あるいは、処分候補地の選定にもおっしゃるとおり長時間かけるつもりでございます。そして、そういうような状況が生まれ、安全規制が必要とされるのは、これらの処分施設の建設段階以降であるという特性があるものでありますから、そういう意味では、今回の法律の中で、法制上安全についての規制体系を法律としてつくるということをきちっと明記して、そしてその意思を示している、そのように私どもは考えております。 ○横路委員 アメリカの法律は、まず、現状の認定として、非常にリスクがあるということ、それからこの問題の三十年間の政府の努力がやはり足りなかったということ、それから三つ目に、やはり政府が責任を持つ、費用はやはり発生者が責任を負うべきだということ。それから、何といってもこの計画については関連する地方自治体と人々、国民の参加ということが必要不可欠だ、そして、この廃棄物というのは、健康や安全が今世代ばかりじゃなくて将来の世代にも不利にならないようにしなければいけないという認識のもとに、目的をこのように定めています。 目的として四つあります。一つは、処分場で処分される高レベル放射性廃棄物によってもたらされる危険から公衆と環境を十分に守るという合理的な保障を提供するような処分場のサイト選定、建設及び運転のためのスケジュールを確立すること。そして、処分のため政府の責任と明確な政策を確立するということ。それから、この問題について政府と州政府との関係を明確にすること。それから、費用の負担について明確にすること。こういうことがアメリカの法律の目的になっていまして、非常にこれはわかりやすいんです。 今回提起されているこの法律の目的は、くどいようですけれども、その辺が全く明らかにされていませんね、今のこのアメリカの法律と比較してみますと。この法律の目的は何が何だかわからない。これは委員長、各党間でいろいろな修正の議論もあるんだろうと思いますけれども、やはりこの審議を踏まえてよりよいものにしていくという御努力をされることを希望しておきたいというように思います。 そして、大臣どうですか、このアメリカの目的というのは明確ですよ。安全を守ること、責任は連邦政府にあること、政策を確立すること、連邦と地方と責任分担すること、費用の分担を明らかにすること。それが本来のこの法律の目的じゃないんですか。アメリカの法律の方がこの法律の目的を言いあらわしているように思いますが、いかがですか。 ○河野政府参考人 アメリカの法律におきましては、私どもの法律上の整理でございます第二十条の安全規制の考え方、これは別途の法律で手当てするということでございますけれども、こうしたものもある種取りまぜた法律体系といいますか、そういった考え方をとっているように思われます。 ただ、再度申し上げますが私どもの考え方は、この法律におきましては、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、制度の枠組みをつくる。特に費用の負担、あるいは実施主体、それから選定手続でございまして、安全体制につきましては別途の法律で手当てということになっておりますので、この法律の目的におきましてもそういったことを措置するということをうたっているわけでございます。 ○横路委員 それならば、六条から八条のところ、処分地の選定というのは後回しにして、別の法律をつくってやるというようにした方がよろしいと思います。 後でまた議論しますので、次の質問に移ります。 一つは、プルトニウムの関連ですが、この法律でいいますと、使用済み燃料を全量再処理することを前提としているというように受けとめてよろしいでしょうか。 ○河野政府参考人 この法律におきましては、特定廃棄物の処分の対象は、使用済み燃料を再処理した後のものでございます。 ○横路委員 全量再処理するということにしかこれは読めませんけれども、それでよろしいのですか、そうではないのですか。 ○河野政府参考人 全量の再処理が前提でございます。 ○横路委員 そこで大臣、これは非常に大事なところなんですけれども、いろいろな技術開発がこれから進んでいく、コストの問題もあるという意味でいいますと、やはり柔軟にして選択肢を広げておくということは大変大事だと思うのですね。 今、再処理を見ますと、アメリカは再処理をしていませんし、イギリスはビジネスだけですね。ドイツも、法律を変えまして義務づけしないようにしまして、将来は再処理をしないというように聞いておりますし、フランスは、スーパーフェニックス、二年前に廃棄を決めたわけですね。ヨーロッパでは電力が自由化されていますので、割高なプルトニウム利用というのは敬遠されているわけなんです。 そこで、すべての使用済み燃料からプルトニウムを取り出すという路線をそのまま続けるというのはいかがなものか、そこに少し選択できる余地を残したらどうか、このように思いますが、いかがですか。 ○深谷国務大臣 エネルギーの大方を輸入に依存しているという我が国の状況を考えますと、エネルギーの長期的な安定供給の確保ということは非常に大事でございまして、そういう意味では、使用済み燃料を再処理して得られたプルトニウム等を再び利用するという核燃料サイクル政策、これを着実に推進していくということが私どものエネルギー政策として重要であると考えております。 ○横路委員 しかし今、電力業界からも、もうちょっと柔軟にすべきじゃないのかというような議論が出ています。 それはどういう議論につながっていくかといいますと、要するに、再処理をしてプルトニウムを取り出す、その結果、高レベル核廃棄物が出てくるわけですが、使用済み燃料のまま保管か処分をしたらどうかというような議論とか、中間貯蔵に重点を置いたらどうかというような、いろいろな議論が出てきています。 こういう、一辺倒ではなくて選択肢を残すべきだということは、ともかくこれから長期にかかわる問題でありますから、これからの技術開発がどうなるかということもありますし、大変重要な点だと思いますが、いかがでしょうか。 ○河野政府参考人 エネルギー資源の大宗を輸入に依存している状況の中で、プルトニウム等を再び利用する核燃料サイクル政策を私どもの政策の基本にしているということは、先ほど大臣が申し上げたとおりでございます。 このため、平成九年一月の原子力委員会決定、同じく平成九年二月の閣議了解に従いまして、政府としては核燃料サイクル政策を推進しているというところでございます。 当省といたしましては、我が国の核燃料サイクルの早期確立に向けましてさまざまな対策に取り組んでいるということでございまして、この政策を私どもの方針にしているということを再度申し上げさせていただきたいと思います。 ○横路委員 この法律で、基本方針を第三条で決めることになっていますが、決めた方針も、「改定するものとする。」というのがありますが、そこは改定の対象にはなるのですか、ならないのですか。 ○河野政府参考人 先ほども申し上げましたように、この法律の枠組みといたしましては、再処理をいたしました後の高レベル放射性廃棄物の処分を対象としておりますので、この基本方針もこの範囲内に限定されるということでございます。 ○横路委員 当面、処分するガラス固化体の量というのは、二〇一〇年ぐらいでどの程度の量になるのですか。そして、それだけの量を生み出すプルトニウムの量は、どのぐらいになるのでしょうか。 ○河野政府参考人 現在、我が国に保管されておりますガラス固化体は、約三百本余りあると認識しております。 それから、これまでに使用されました使用済み燃料から、ガラス固化体に換算いたしますと、約一万二千本余りのものが生成されるという状況にあろうかと思います。 今回、この法律を提案させていただくに当たりまして、総合エネルギー調査会の原子力部会で検討していただきました費用算定の基礎となりましたのは、二〇一五年までに約四万本のガラス固化体がつくられるということが計算の基礎になっております。 ○横路委員 その四万本の場合ですと、プルトニウムは何トンぐらいになりますか。 ○河野政府参考人 お許しいただければ、後ほど計算の上、御報告させていただきたいと思います。 ○横路委員 大体でいいですよ、大体で。 ○興政府参考人 御説明申し上げます。 大方、六十トンぐらいだろうと思います。 ○横路委員 私の承知しているところでは、四万本ですと大体四百トンぐらいではないかと言われていますが、一本はウラン燃料換算で大体一トンというように聞いていますが、違いますか。 ○河野政府参考人 正確に計算の上、後ほど御報告させていただきますけれども、私どものプルトニウムバランスの計算でいきますと、二〇〇五年以降、いわゆる二〇一〇年代の後半に、日本で再処理をいたしまして生成されますプルトニウムは、年間約五トンのオーダーでございます。 ○横路委員 しかし、それとこのガラス固化体四万本というのは違うんじゃないですか。 ○河野政府参考人 御指摘のように、今申し上げました年間五トンというものは、それまでに使用が済みました燃料を日本の再処理施設で再処理いたしまして生成されるプルトニウムの量を今御紹介しましたので、使用済み燃料の量をそのまま、その時点で再処理するかどうかは別にいたしまして、いわゆるプルトニウムに純粋に換算いたしますと、恐らくそれ以上の数字になると思いますが、計算の上、御報告させていただきたいと思います。 ○横路委員 この点は非常に大事でして、御承知のように、世界の課題というのは核不拡散でございますから、そのために、余剰プルトニウムを持つと、それはすぐ核に転用するといいますか、やはり不信感を持たれるので、日本政府としては余剰プルトニウムを備蓄しないということでやってきたわけですね。 しかし、これは幾らプルサーマル、MOX燃料利用とやっても、これだけの、二〇一五年にガラス固化体四万本、それを目的にしてやっている。その四万本に相当するプルトニウムの量を換算すると、これはやはり相当余剰プルトニウムが出てくるということになるんじゃないでしょうか。それは当然の帰結だと思いますけれども。 ○河野政府参考人 先ほどの御指摘のプルトニウムの量でございますけれども、今、手短に換算いたしましたので、やや正確性に欠けるかと思いますけれども、約四万本といいますのは、これに含めますプルトニウムをざっと計算いたしますと、約百億トンオーダーになろうかと思います。 ○興政府参考人 先ほど私六十トンと申し上げましたのは、海外再処理の方でプルトニウムを大体約三十トンでございまして、このほか、東海の再処理工場、六ケ所の再処理工場の運転が二〇〇五年以降行われてくるというふうなことを考えますと、二〇一〇年代に約六十トンぐらいになるだろう、こう申し上げた次第でございます。 ○横路委員 それは、一九九四年の長期計画におけるプルトニウム需給見通しが今のような答弁の数字ですよね。問題は、この法律で二〇一五年までに処理をするガラス固化体というのは約四万本ですよというお答えだったから、その四万本に相当するプルトニウムの量というのはどれだけなんですかということをお伺いしたわけです。 では、その点、現在所有しているプルトニウム、それから、これから生産されてふえていくガラス固化体が四万本という場合にどのぐらいなのか。それは二〇一五年ですから、では二〇二五年、二〇三五年と、十年おきにどのようにガラス固化体がふえていって、そしてそれに相当するプルトニウムの量はどういう量なのかということを、ちょっとまとめて資料として提出していただきたいと思いますが、よろしゅうございますね。 ○興政府参考人 承知いたしました。 ○横路委員 それでは、その問題は資料をいただいてからまた御質問させていただきたいと思います。 次に、この法律の処分地決定のプロセスについてお伺いをいたしたいと思います。 私、今回資料を当たっていて、平成十年五月二十九日、原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会の「高レベル放射性廃棄物処分に向けての基本的考え方について」というのを見まして、大変びっくりいたしました。びっくりしたというのは、役所も大分変わってきたのかなということを感ずるぐらい、ここは非常に危機感にあふれて、どうしたらいいのかということをいろいろ議論した結果がこの考え方の中にまとめられています。それで、この考え方が法律に生かされているのか生かされていないのかということがこれからの質問のポイントであります。 まず通産大臣にお伺いしますが、何といっても大事なのは、情報の公開だというように思います。情報の公開なしに、つまり国民の理解なしに、処分地を決めるということはとてもできない。先ほども情報公開について、ジェー・シー・オーの事故に関連して通産大臣からお話がございましたが、情報の公開、これがもう一番の命なんだというように思いますが、大臣、いかがお考えですか。 ○茂木政務次官 本法案の第六十条におきまして、この運営主体であります機構につきまして、「適切な情報の公開により業務の運営における透明性を確保する」、このように努めなければならないことが明記をされているわけであります。 また、先ほど委員の方から御指摘ありました概要調査地区の選定等におきましても、三段階の選定プロセス、そこの中での明確な基準を置きまして、適切な情報公開を図ってまいりたいと考えております。 ○横路委員 適切な情報公開などという、その言葉自身がもう古いんですよ。それはこの時代の情報公開の規定の仕方じゃないのです。 この原子力委員会の基本的考え方の九ページ「情報公開」というところに、このように書かれています。 「処分事業の透明性を確保し、意図的に情報を隠しているのではないかという不信感を招かないために、事業のすべての段階を通じて情報公開の姿勢を徹底することが不可欠である。このたびの動燃事業団の事故をめぐる情報の取扱いは、この点に関する基本的な認識の欠如によるものであって、すみやかに情報を公開することが社会的な信頼を得る第一歩である。」このように原子力委員会の報告書の中で書かれています。 このとおりだと思いますが、いかがですか。 ○細田政務次官 全くおっしゃるとおりでございまして、そうするつもりでございます。 ただ、三条、四条等におきまして公表規定があり、そのほかの条文については情報公開によってやるということは、たまたま、この第三条、第四条、基本方針とか最終処分計画は閣議をもちまして大臣が決定するということでございますから、官報等に公表するという在来型の法律的手法によってそれは確定するわけでございますが、当然ながら、その後の一番大事なところの個別の問題については、インターネット等を通じてすべて公開するという原則、方針で考えております。 ○横路委員 すべてを公開するということを今御答弁されたわけですが、それはやはり法律上はっきりさせてもらわないと、適切な情報の公開に努めるものとするといえば、いや、役所がまた判断して、これは適切でないからやらないとかやるとかということになるんです。 もうちょっとこの報告書、なかなかいい報告書ですが、九ページの同じその下に、「情報公開のあり方」ということでこのように書かれています。「予備的調査の段階を含め処分事業の各段階で、処分事業に関する情報を公開するのが原則である。 例えば、処分候補地や処分予定地の選定を行うさい、選定過程の科学的・社会経済的な情報を公開して、選定の根拠を提示することが必要である。また、選定プロセスにおける予備的調査やサイト特性調査で得られたデータや操業中に得られたデータなどを公開すべきである。さらに、事業を通じて、定期的にデータや報告書を公開することも重要である。」とまでここに書かれているんです。 非常に大事なのは、予備的調査の段階を含めて処分事業の各段階でその情報を公開しなさい、選定過程の科学的、社会経済的な情報も公開をして、選定の根拠を提示することが必要である、このように書かれています。これも本当にすばらしい考え方、画期的なことだと思いますよ。これを実行してくださいよ。 ○細田政務次官 基本的には、おっしゃった内容どおり、特にデータも含めまして、インターネット等を通じて公開する所存でございます。 ○横路委員 それならば、これは提案でございますけれども、結局、この法律は、基本方針それから最終処分計画のところについては公開規定があるんですけれども、実施主体が行っていく実施段階のいろいろな作業には公開の規定が全然ないのです。最後に、適切な公開をというこの怪しげな形容詞のついた規定があるわけですよ。こんな「適切な」などというのは、今の御答弁はすべての情報を公開するということでございますから、そのことを明記すべきじゃないですか、法律に。 だから、この法律、ちょっと十分じゃないと思いますよ。いかがですか。 ○河野政府参考人 条文でございますので御説明させていただきます。 第六十条におきましては、実施主体の業務につきまして、先ほど御指摘のありました「適切な情報の公開により業務の運営における透明性を確保する」ということがうたわれておりまして、この運用方針については、先ほど政務次官が御答弁申し上げたとおりでございます。 ○横路委員 やはり法律家の目から見ますと、情報公開に努めるとただ書いてあるならばともかく、「適切な」というような表現がつきますと、そこでやはり選択してしまって、これは適切でないから公開しないということになってしまうんですよ。 だから、この法律のつくり方は本当にそういう点で従来型の法律であって、これから一万年の国民の安全を守るためにその枠組みをつくろう、この原子力委員会の報告にあったようにともかく情報の公開なしに国民の理解は得られないという基本的な点からいうと、とても不十分ですよ、この法律の規定も。直したらどうですか。 ○細田政務次官 適切という意味についてでございますけれども、それは例えば、他の法律で個人の権利ですとかさまざまなものに抵触したり侵害したりするような不適切なもの以外はすべて公開するという前提で「適切な」と書いてあるのでございまして、適当に公開するとは言っておりません。そこのところは御理解いただきたいと思います。 ○横路委員 いみじくも言われたように、やはり適当な公開になってしまうんですよ。ですから、そこは法律上はっきりさせた方がいいと思います。 具体的にちょっとお尋ねをいたしますが、これから議論の方は少し六条の方とも関連をしてきますが、例えばこの六条の中で、まず文献調査を行いますね。 まず文献調査を行うわけですが、文献調査を行って、どこがだめでどこがよかったのかというようなことももちろん公開、公表していただけるというように思いますし、概要調査地区、精密調査地区、そして処分地というようになるわけですが、これも今私が申し上げたように、選定過程の科学的、社会経済的な情報も、予備的調査の段階も含めて公表するということを、くどいようですがもう一度確認をさせていただきたいと思いますが、それでよろしゅうございますね。 原子力委員会のこの報告書に書かれている方向性で運用は考えていくんだというように理解させていただきます。よろしゅうございますね。 大臣、どうですか。これは大臣。大事なところですから。 ○深谷国務大臣 結構でございます。 ○横路委員 もう一点、この委員会の報告書の中で私が見て大変すばらしいなと思いましたのは、外部からのチェックという項目があるんですね。これも大変すばらしい考え方でございます。 このように書かれております。「国レベルでは、処分事業の進行に応じて各段階でチェックする機能が重要となる。まず、国は、実施主体による処分地の選定過程や活動を監督するとともに、技術面については、処分の安全性の観点から見た妥当性について各段階で検討する制度と体制を整えるべきである。」というのが一つ。「さらに、これらについて公正な第三者がレビューを行うことが考えられる。」第三者のレビューということは大変大事だ。これは二十九ページにあります。 九ページの方では、「処分地選定の過程や事業活動に対する外部者による確認」「事業について透明性を確保し、信頼を高める必要があることから、処分地選定の過程や処分場の建設・操業の過程における安全確保策など、実施主体の事業活動について外部から確認する仕組みを検討しておくことが必要である。 例えば、処分地の選定経過や選定の理由について、公正な第三者がチェックを行うことや、実施主体の活動内容や操業状況について、外部から安全性を含めて定期的に確認し、評価する仕組みが考えられる。」 これも大変大事な考え方で、この報告書は本当にすばらしい内容を持っている。これは、各地でずっと公聴会があって、いろいろな人の意見を聞いて、そしてまとめたものなんですね。非常にこの問題について危機感を持って、どうしたらいいかということを議論されてこのようにまとまったわけです。 それで、まず一つ、大臣。これからいろいろな選定過程が進んでいく中で、公正な第三者がチェックを行う仕組み、これはとても大事なことだと思うのですね。これはどのようにお考えになられますか。 ○深谷国務大臣 原子力委員会の高レベル放射性廃棄物処分懇談会で提言されました処分地選定プロセスに関する基本的な考え方は、これを尊重して本法案に反映するように努力をしていこうということであります。 本法案中では、原子力発電環境整備機構が処分地を絞り込んでいく各段階において、通産大臣が国の最終処分計画の改定を行い、その際、原子力委員会の意見を聞くことを義務づけているということになっております。さらに、処分地の選定過程において、国及び機構が公平な第三者の意見等をいただくことは重要と考えておりまして、適切な仕組みを設けてまいりたいと考えています。 ○横路委員 まず一つは、国がチェックする仕組みですね。これは原子力委員会並びに原子力安全委員会があります。これも後ほど議論します。その上で、なおかつ第三者のチェック。ぜひ今の大臣の答弁を生かしていただきたいと思いますが、アメリカはその仕組みを持っているわけですね。アメリカは、科学アカデミーが推薦した人間を大統領が任命をいたしまして、そして評価する仕組みがつくられています。 やはり、そういう第三者がチェックしてやるということはとても大事だと思いますので、枠組みを決める法律なんですから、本来ならばこの法律にその仕組み、規定が入っていなければいけないという点でも、せっかく立派な懇談会の方針が出ていながら、この法律の中には生かされていない。つくった人に危機感がなかったのか、こっちの方を無視したのか、どちらかだと思いますが、大臣の今のつくりたいということをぜひ進めていただきたい、このように思っております。 それともう一つ、今の国のチェックということで、原子力安全委員会のチェックなんですけれども、これもちょっと尋ねておきたいと思います。 これは、第三条「基本方針」のところにも、基本方針を定めるときにはあらかじめ原子力安全委員会の意見を通産大臣が聞かなければならないというように規定されています。しかしその内容は何かというと、前項の四号、五号ということで、第三条二項の四号、五号というのは「特定放射性廃棄物の最終処分の実施に関する事項」「特定放射性廃棄物の最終処分に係る技術の開発に関する事項」というように、そこだけに限定されているんですね。 しかし、私は、例えば一番の「特定放射性廃棄物の最終処分の基本的方向」も、二番の選定に関する条項も、それから七番の「その他特定放射性廃棄物の最終処分に関する重要事項」もやはり原子力安全委員会の意見を聞くというように、意見を聞く範囲を何も限定する必要はないんですから、そこは広げて考えるべきだと思いますけれども、いかがですか。 ○河野政府参考人 法律上の規定について御説明をさせていただきますと、原子力安全委員会は、所掌上、原子力委員会及び原子力安全委員会設置法において、原子力利用に関する重要事項のうち、安全の確保のための規制にかかわるものを審議事項ということにしているわけでございます。 この法案の中で、基本方針のうち、第三条の第二項第一号あるいは第二号、さらには第七号、これは私どもは、例えば第一号でございますと、一定の冷却期間を置いた後の地層処分といったような方向性でございますし、その他の項目についても、安全の確保のための規制ということを明示的に想定しておりませんので、原子力安全委員会の意見を聞くということにはしていないのでございます。 ただし、先ほども御質問ございましたように、この法律第二十条におきましては、安全規制については別途の法律で定めるということになっておりまして、安全委員会は当然その際のダブルチェックの主体でございますから、この処分全体が安全に行われるという観点からいたしますれば、安全委員会の保障といいますか、審査は当然のことながら全体に及ぶということになるわけでございます。 ○横路委員 例えば、この二号の、概要調査地区、精密調査地区それから最終処分施設建設地の選定に関する事項というのは、結局、一言で言えばどういう場所が安全かということでしょう。地震や火山のあるところはだめですよとか、安全に関することなんですから、それをいろいろ基本方針の中で決めていく基準をつくるときに、やはり安全委員会が物を言う、チェックする、当然ではありませんか。何もそこを分ける必要ないでしょう。 ○河野政府参考人 法律体系の考え方でございますが、先ほど来ちょっと重なった答弁で恐縮でございますが、原子力安全委員会は、別に定める法律によりまして、この処分に関する安全審査を総括的にいたします。 そういう意味で、この基本方針あるいは処分計画の中で、これは実際の処分地の選定が行われ、さらにそこにどのような施設がつくられるかという、安全審査よりもかなり前につくられるものでございますので、その中で安全にかかわる部分につきましては安全委員会の御意見を伺うということでございますけれども、処分地の選定と、その後そこにどのような安全対策を施した施設ができるかということは、安全審査として一体に安全規制当局及び原子力安全委員会が審査するという考え方でございますので、処分が安全に行われるということについて安全委員会が十分な機能を発揮し得る仕組みが全体として確保されているというふうに考えております。 ○横路委員 この法律の構造そのものも、議論するといろいろな問題があるわけです。 例えば、基本方針というのは、決めるのはまだこれからでしょう。最終処分計画もこれからですよね。どういう基本的方向にするのか、どのように建設していくのかという、技術開発も含めてみんなこれからなんですよ。これからなんですが、概要調査地区、精密調査地区そして処分地と、場所を決める方だけはこの法律の中である程度の要件が書かれて、極めて不十分な要件だと思いますが、進む仕組みになっているんですよ、この法律は。 本当は、基本方針を決めて、そして実施計画も全部決めて、その上で科学的な技術の基準というものが決められて、そこからスタートしなきゃいけないわけですよね、手順からいうと。ところが、こっちを決める方は後回しになっていて、場所だけ決めるというのはとっとことっとこできるようになっているんですよ。それが問題なんですよ、この法律全体。 基本方針や最終処分計画も実施計画も決まっていないのに、どうやって進めていくんですかね。どうなるんですか、この文献調査から始まる規定は。 ○河野政府参考人 基本方針あるいは処分計画、これにつきましては、この法律を御審議いただきまして成立をさせていただきましたならば、できるだけ速やかに制定をしたいと思います。 ただ、実際の処分地の選定は、先ほど先生もおっしゃいましたように三つの段階を経て選定されていくわけでございますけれども、これには非常に長期間を要するわけでございまして、まず、政府といたしましては、基本方針、処分計画の策定を行う、また、処分計画につきましては五年ごとに見直し、十年タームで計画をつくっていくという仕組みをまずここで構成しているわけでございます。 ○横路委員 国会は、この法律だけ通してあとはお任せという感じなんですね、この法律は。本当は基本方針だとか、これは閣議の決定事項になっていますけれども、やはりどこかで国会が関与することも大いに必要だなと思っております。 そこで、次の質問に移りますが、チェック機能もつくっていただく、国の方の原子力委員会の関与もできるだけやはり拡大していただくということをお願い申し上げまして、もう一つは、住民の意見、参加ということであります。 この点につきまして、この原子力委員会の基本的考え方は、二十九ページになりますか、「関係自治体や関係住民の意見の反映」ということで、こういうぐあいに書かれています。「処分事業の各段階について、住民の意見を十分に聞き反映させていくことが重要である。住民の意見を聞くにあたっては、自治体を通じてなされることに加えて、広く住民の参加する公聴会や公開ヒアリングなどの方法が考えられる。」というように書かれているんです。 この法律を見ると、どこにも住民が参加するというのはないんですが、これはどのようにお考えなんですか。 ○河野政府参考人 法律上は、通産大臣が概要調査地区等を定める際に、都道府県知事あるいは市町村長の意見を聞かなければならないという、こういった関係の法令の中では非常に強い、地方自治体の御意見を拝聴する義務規定を設けているわけでございます。 住民の皆さんからの直接の御意見ということについては、法律上の定めはございませんけれども、今後何が必要な手続であるかということは別途検討する余地はあるというふうに思っております。 ○横路委員 この原子力委員会の報告書の中に、わざわざ、海外の例も参考にすべきであるということで、フランスとカナダの例が紹介されています。 フランスでは、地下の研究施設の建設に当たって、政府、実施主体、国会、地方議員、職業団体、環境保護団体、住民などによって構成される地域情報監視委員会というものを設置するということになっているんですね。それから、カナダでも、事業者と自治体と地域住民の人々によってコミュニティー対応委員会というのが構成されて、情報の交換を行っている。各国ともやはり理解を得るために大変な努力をしているわけですよ。 ところが、わざわざこの原子力委員会の報告書の中で、公聴会や公開ヒアリングの方法が考えられると述べているんですが、どこを見たってそんな規定がないですね。規定があるのは、第三条に「関係住民の理解の増進のための施策に関する事項」というのを基本方針の中に決めるということであって、これは意見を聞くということではないですよね。 大臣、やはり公聴会や公開ヒアリングということも制度的に、ここは各段階でというように原子力委員会の方で書かれていますけれども、それも大変大事なことだと思いますよ。これはともかく大変な施設なわけですから、決めるのは、本当にみんな明らかにして、そしてみんなが安心するということがなければ、なかなか処分場は決まらないと思いますよ。 だから、どうしてもこういう手続というのは必要なんです。各国が苦労しているのもそこなんですね。ぜひ大臣、お考えをいただきたいと思います。 ○深谷国務大臣 今回の法律案の策定時において、立地点の選定に関して、情報の公開による透明性の確保、そのための地元の意見の十分な聴取、その声を反映するということに格段の努力をいたしたつもりでございます。 今法案中では、処分実施主体が最終処分施設の立地点を絞り込んでいく各段階で、通商産業大臣が国の最終処分計画の改定を行って、その際、当該地点を所管する都道府県知事及び市町村長の意見を聞くことを義務づけておりまして、立地点としての選定についての地元の意思を反映することができる制度としているところでございます。 また、原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会で提言されました処分地選定プロセスに関する基本的な考え方については、これを尊重して、本法案に反映するように努力していかなければならぬというふうに思っております。 いずれにしても、委員御指摘のように、十分な公開と住民の理解、協力が最も大事でありますから、その点には十分な対応を図るべきと考えます。 ○横路委員 今の大臣の御答弁ですと、法律の方をちょっと修正をして、そして公聴会、公開ヒアリングというのを法律に明記すべきではないかというように思います。 そこで、もう一点。今御答弁ございました、自治体の知事並びに市長の意見を聞かなければいけないという点でございますが、意見を聞くというのは、内容的には、意見を聞いてどうされるんですか。反対だと言われたら、どういうことになるんですか。 ○河野政府参考人 この処分地を各段階選定いたすに際しまして、先生御指摘のように、地方公共団体、都道府県知事あるいは市町村長の御意見をいただくわけでございます。これも、「聴かなければならない。」ということでございますから、強い規定というふうに考えております。 私どもといたしましては、こういった処分方針あるいは処分計画に即しまして、またそれまでに行われた調査に即しまして、地元の御理解と御協力を得るべく最大限努力をさせていただくつもりでございます。しかし、それでもなお、地元の御意見をいただくということでございますから、さまざまな御意見があれば、これを極めて重く受けとめて、国が決定するということでございます。 ○横路委員 これはやはり同意がなければやらないというように解釈してよろしいんですね。反対してもやるということですか。 ○深谷国務大臣 最終処分計画においてその調査地区等を決定する際には、先ほどからお話がありましたように、これを管轄する都道府県知事及び市町村長の意見を聞いて、これを極めて重く受けとめて、最終的には国が決定するものだ、そういう規定であります。 ○横路委員 つまり、都道府県知事、市町村長の同意がなければならないということとは違うということですね。意見を聞いて反対でも、やるときはやるんだ、こういうことでございますか、今の答弁は。 ○深谷国務大臣 本規定は法的拘束力を持つものではありません。しかし、「意見を聴かなければならない。」このように明確に規定しているわけでありますから、その意見を極めて重く受けとめて対応するという意味であります。 ○横路委員 意見を聞くというのは、別に規定がなくたって当たり前のことじゃないですか。だから、それを聞いた上でどうするかということですよ。やはりここで、中央政府と地方政府、特にこういう大きな問題というのは地方政府が反対しているのを強行してやるということにはならないんじゃないんですか。原子力委員会の中でいろいろ提案してあるのも、やはりそこじゃないでしょうか。これは、知事や市町村長の理解があって初めて進められることだと思いますよ。 ○深谷国務大臣 私は横路委員と同じ意見でありまして、この仕組みの中で、知事及び市長の意見を重く受けとめて聞くということは、おのずから政府の姿勢を示しておることだと思っております。 ○横路委員 それでわかれといったって、そういうあいまいなところが結局混乱するのですね。だから、そこは、アメリカなんかの場合は、反対は反対でちゃんと受けとめて、その場合には、アメリカの場合は上院、下院で議決をするという方法が残されていますけれども、手続が明確なんですね。 この手続は、明確なようで、今のお話だと、重く受けとめるというだけで、どうもこれははっきりしない。例えば幌延の問題ですと、町長は推進し、私は反対。外国やあちこち調べたり、議会も反対の決議をしたわけですけれども、しかし、それでもやはりどんどん予算をつけて進められましたからね。この意見を聞かなければいけないというのがその程度だと、これはそんなに重要にということにはならないのじゃないでしょうか。 だからここも本当は、市町村長の同意を得なければいけない、そういう気持ちで、情報も公開して、ともかく何かお金をばらまいて処分地を決めようといったって、決まりませんよ、今までのやり方では。これは、科学的にいかに明らかにしていって説明がきちんとできるかということにかかっていると思うのですね。ですから、その場合、都道府県知事、市町村長の同意というのは大変大事な要件じゃないでしょうか、大臣。 ○深谷国務大臣 他の法令を比較してみますと、地方自治体の意見をどう反映するかという点についての比較をしてみますと、私は、本法律案の方がはるかに、いわゆる義務規定としているというふうに考えております。「通商産業大臣は、」「都道府県知事及び市町村長の意見を聴かなければならない。」これは明確な義務規定でありますから、私は、地元の意に反して行うということはないというふうに理解しております。 ○横路委員 本当に意に反してならないようにしていただきたいというように思いますが、この点も、法律の表現として、私は、もっと強い、しっかりした表現が必要だというように考えております。 そこで一つお尋ねしますが、これは科学技術庁の方になりますか、既に、処分地にはしませんよ、中間貯蔵施設にもしないというように都道府県知事あるいは市町村長に約束しているところがあると思うのです、今までの経緯、経過の中で。それはどこですか。どことどういう約束をしているのかということを明らかにしていただきたいと思います。 ○斉藤政務次官 一つは北海道の幌延でございまして、地元の同意が得られない状況でそういう施設を建設することはないという約束をしております。 また、もう一つは岐阜県の東濃地区でございます。同様の発言をしております。 ○横路委員 二カ所だけですか。 ○斉藤政務次官 青森の六ケ所地域も同様です。 ○横路委員 それは、いずれも都道府県知事との約束ですね。それは、その県に置かないという話なんですか、それとも、特定のこの地域にはつくりませんよということなんですか。どんな内容なんですか。 ○興政府参考人 当該三県の知事とのお約束でございますが、岐阜県におきましては、別途、瑞浪の市長に対しましても文書でもって回答はしてございます。 ○横路委員 ちょっと、その内容をそれぞれ明らかにしてください。 ○興政府参考人 まず、青森県の六ケ所村におきましては、これは第一回目の高レベルの返還固化体が我が国に返ってまいりますとき、平成六年から七年にかけてでございますが、この際、青森県知事と科学技術庁長官とでお約束をしてございます。 二つ目は、岐阜県の瑞浪に超深地層の研究施設をつくろうというふうなことで地元の方々に御協力を要請したことでございますが、その際、平成七年に瑞浪の市長と科学技術庁の大臣との間で、その上で、さらにそれを補完する形で、平成十年の九月に科学技術庁長官から岐阜県知事に対しましてお約束。 さらに、もう一点は、北海道の幌延の問題でございますが、特に今回新しく深地層の研究所をお願い申し上げました折、すなわち平成十年の十二月でございますが、これに対しまして、科学技術庁長官から北海道知事に対しましてお約束をしている次第でございます。 この内容は、基本的には、例えば北海道を例にとりますと、「北海道知事をはじめとする地元が中間貯蔵施設及び処分場を受け入れない意思を表明されているもとでは、北海道内が高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設及び処分場の立地場所になることはないものであります。」など、このような形のお約束をしている次第でございます。 ○横路委員 それぞれの約束はしっかり守っていただきたいと思いますが、通産政務次官、通産大臣ですか、あるいは科学技術庁になるのでしょうか、ちょっとそこを確認してください。 ○斉藤政務次官 地元とのお約束は、厳格に守ってまいります。 ○横路委員 次の質問に移ります。 これからは、六条、七条、八条について、第二次取りまとめとの関連で御質問をさせていただきたい、このように思っております。 まず、概要調査地区でございますが、概要調査地区につきまして、まず文献その他の資料による調査を行うわけですね。この文献調査を行うというのは、私の理解では、まず調査をして、まず外すべきところは最初に外しちゃおうということだと思いますが、そういう理解でよろしゅうございますか。 ○茂木政務次官 そのような御理解で結構でございます。 ○横路委員 ですから、例えば、この規定もちょっとあいまいなところがありますが、消去法でいいますと、明らかに地震や火山などの変動の記録があれば、それはまず外すということでよろしいですね。 ○河野政府参考人 第六条第二項の規定におきましては、文献調査対象地区におきまして「地震等の自然現象による地層の著しい変動の記録がないこと。」あるいは「将来にわたって、地震等の自然現象による地層の著しい変動が生ずるおそれが少ないと見込まれること。」という具体的な規定がございますので、こういった基準に適合していないものは外れるということになります。 ○横路委員 これもはっきりしないのですが、要するに地震や火山などのあるところはだめだというように理解してはだめなんですか。火山のあるところでも、どこかいいという余地を残しているのですか。 ○細田政務次官 基本的には適当でないと思います。 先ほど午前中も参考人の学者の方からも言われましたけれども、そういうところはまず外すべきだとはっきりおっしゃっておられました。活火山の場合はですね。 ○横路委員 学者が言われたのはいいのですが、政府の方もそれでよろしゅうございますね。確認してください。 ○細田政務次官 結構でございます。 ○横路委員 次に、活断層、これも除くということでよろしゅうございますね。 ○細田政務次官 これは、活断層自体の分析も必要でございます。活断層は大小さまざまございますし、私も島根原発の、小選挙区内に原発のある地域で、原発周辺に活断層がございます。しかし、その長さ、深さ等を厳密に分析いたしまして、耐震性その他から見ると、震度幾つの限度のものが発生する可能性があるけれども、それ以上はないということでゴーサインが出たわけでございますが、そういった分析ももちろん必要でございます。 ○横路委員 それではどういう活断層がだめなのかというようなことになると、これはどこにも規定がないわけですよ。つまり、これから処分をする地層を決めていくに当たっては、やはりその基準というものは非常に大事なんだと思います。活断層はまた後で議論をしますので、それは横に置いておきます。 そこで一つ、この第二次取りまとめの中に「サイト選定の要件」というのがここの第六章にありますね。この中の「サイト選定における地質環境上の要件」ということで、このレポートは、一つは「可否の要件」「考慮の条件」というように分けて書いています。つまり、可否の要件というのは、アメリカでいうとやや除外条件といったように理解していい内容かなというように、その後の記述を見て思って読んでおるわけなんですが。 この中で、例えば、処分場の建設可能性として、岩盤の規模、深度、その確保が必要という項目がございます、この第二次取りまとめの中には。そして、処分場を建設する上で十分な規模の岩盤が適切な深度に分布していることが大切であるというように書かれていまして、要件として、特に第四紀の未固結岩などの分布している地域は除外されるというように、除外規定としてここに明記されているんですね。 これは調査を見ますと、文献調査でもそれはわかるわけでして、そこのところはこの法律の中にどこにもあらわれてこないんですが、これはどのようにお考えになったんですか。 ○河野政府参考人 この法律第七条第二項第二号でございますけれども、この精密調査地区の選定につきましては、坑道の掘削に支障のないものであること、これが選定要件の一つになっております。この要件を満たすための調査として、地層の形状あるいは広がり及び厚さの観点からも調査が行われるということになります。 したがいまして、地層の形状ですとかあるいは広がり及び厚さについては、別途規定を設けずとも、この項目で調査対象になるというふうに理解しております。 ○横路委員 私は文献調査のところを今聞いているんですよ。その前の六条の規定のところを言っているわけです。 というのは、この第二次取りまとめの中では、文献調査として、しかも文献調査だけで除外できるという地層がありますよ、地質がありますよということを述べているわけですね。それがこの法律の規定には入っていないわけなんですが、これはそれともあれですか、「その他通商産業省令で定める事項」というのがどこにも入っていますが、その中で、これは除外するということを明記するということでございますか。これは、これだけ明確に第二次まとめの中で除外すべきだというように明記されていて、法律に入っていないんですね。 ○河野政府参考人 第六条におきましては、第二項におきまして、地震等の自然現象による地層の著しい変動の記録がないこと、あるいは将来にわたって変動を生ずるおそれが少ないと見込まれることといった規定でございます。 これが文献調査の内容でございますが、最終的な処分地の選定を段階的に進めていくに当たりましては、今御紹介しました第七条の中で、坑道の掘削可能性調査ということで、御指摘のような岩盤の広がり等についても調査が行われるということを御説明申し上げました。 ○横路委員 いや、私が聞いているのは、第二次取りまとめの処分地の選定、「サイト選定の要件」ということで詳細に書かれておりまして、その中でずっと、文献調査、最初の概要調査地区の場合どういうことをやるか、精密調査地区でどういうことをやるのかと。 例えば、この第二次まとめの考え方によりますと、ともかく、サイト選定のプロセスとして、最初に地質環境の長期安定性として断層、火山、隆起・侵食。それから、処分場の建設可能性として岩盤の規模、深度。それからもう一つ、人間の侵入として地下資源。こういうことについては、むしろさきの段階で、文献調査それからボーリング調査も入っていますが、そこで行うというようになっているわけですね。文献調査の段階で外すことができるということの中に、この岩盤の話が出ているわけですよ。 処分場を建設する上で十分な規模の岩盤、これはともかく二キロ四方ぐらいの広大なものでしょう。それを地下千メートルなら千メートルでつくるというわけですから、どういう岩石の状況なのかということで、この中にはもう外さなきゃいけないよという規定が入っていますよ。外さなきゃいけないというのが、ここで見ますとある程度は文献調査でもわかるということにこの第二次まとめではなっているんですが、この法律を見るとどこにもそれがないということなんですから、これは文献調査の段階で除外するようにされたらどうですかと。 この第二次取りまとめ、これも十分だとは思いませんが、しかし、これよりもこの法律はまたさらに後退しているということを申し上げているんです。これはやはり除外条件としてはっきりさせた方がいいと思いますが、いかがですか。 ○河野政府参考人 核燃料サイクル機構の第二次取りまとめの理解でございますけれども、今御指摘の岩質あるいは領域、広がり、こういった観点はボーリング調査の対象としても記述されていると理解しております。 そういう意味では、この精密調査地区の選定の中で、まず概要調査が行われるわけでございますが、その七条関係も、これはボーリング調査を前提とした調査内容でございますので、この段階で除外するということが当然あり得るということだろうと思います。 ○横路委員 そうなんです。七条の方になっていて、これから議論をしていきますが、本来、この第二次まとめだと早い段階で除外していく話が、ずっと、だんだんおくれていっているんです、規定が。だからともかく、文献調査でわかる除外事項ということで明記されているんですから、それは法律にも明記したらどうですか。 ○河野政府参考人 御指摘のような岩盤といいますか、そういった岩の状況を除外するには、ボーリング調査をやるということが一つの考え方だと思いますので、先ほど来御説明していますように、第七条で調査をするという対象として私どもは考えているわけでございます。 もちろん、ボーリング調査をやるまでもなく、岩盤等の状況がわかっているというようなことが仮にありますれば、例えば、今後の検討でございますけれども、第六条の第二項には、一号、二号に続きまして第三号「その他通商産業省令で定める事項」というものがございますので、こういった内容で検討をすることは可能だというふうに思っております。 ○横路委員 可能なんですが、本当は、この一号、二号、三号、それから二項の方の一号、二号というようにずっと書いてありますよね、何というか、中途半端なんですよ。ちゃんと基準としてふさわしいものかといいますと、こっちだけ書いてあるけれどもこっちは落ちているとか、あとはみんな政令、省令でやるということになっています。政令、省令でも何を定めるかということがはっきり書かれていないんですね。 ですから、本当は、私はこの法律は出し直しをされて、実施主体とお金をどう集めるかということだけの法律をとりあえずは急いでつくって、あとはゆっくり議論をするということがいいのではないかと思います。 もう一点、この第二次取りまとめの中で、可否の要件というのはいわば除外要件なんですね。それから、考慮の条件というのは、アメリカはこの考慮の条件は除外条件にむしろ近い方ですけれども、日本の場合はこの二次取りまとめは可否の要件、考慮の条件となっています。その可否の要件の中に人間侵入というのがありまして、地下資源のことに触れております。 この中で、「地下資源が存在する地域でないこと」ということで、処分候補地を選定する段階に、鉱床の分布や過去の鉱業活動などに関する既存の資料に基づいて検討することが可能であるということで、どこの国でもこれは外しているのですね。それが、この法律にはどこかへ消えてなくなっている。これはどうしてなんですか。 ○河野政府参考人 鉱業権のような権利との調整でございますけれども、この法律の第二十一条には、最終処分施設の保護という規定がございまして、一定の範囲を立体的な区域として、保護区域として通商産業大臣は指定することができるということになっております。この規定を通じまして、鉱業権等との調整が図られるということでございます。 ○横路委員 あなたは何を言っているのですか。調整の問題じゃないですよ。そういうところはだめだと言って除外しなさいというのが世界の流れですよ。この第二次取りまとめもそうじゃないですか。そこはこれから人間が将来にわたって、例えば五千年たって侵入していく可能性があるかもしれないから、資源のあるところは外しなさいという話であって、鉱業権と調整するなんという話じゃ全然ないですよ。 ○河野政府参考人 基本的にはこの処分、非常に重要な措置だというふうに考えておりますので、調整が要するようであれば、この処分施設の保護ということで補償をする等を通じまして調整をするという考え方でございますけれども、仮に、そういった資源が極めて、何といいますか、国益上この処分にまさるような有益なものであるというようなことが、今私どもは想定しているわけではございませんけれども、仮にあるというようなことでございますれば、条文上は、先ほど申し上げました第六条であれば、第二項第三号「その他通商産業省令で定める事項」として含めることは可能でございます。 ○横路委員 いや、ちょっと基本のところの認識ができていないと思うんですけれども、世界じゅうどこでも地下に資源のあるところは処分地の選定から外しているのです。どうして外すかといいますと、これは一万年にわたって安全確保をしなければなりませんから、何千年かたったときに、地下に資源があるといって人間がそこを目指して掘っていったら大ごとになるから、地下資源のあるところは今から除外しましょうという話なんですね。鉱業権の調整というのは全然そうじゃない。 だから、鉱床の分布や過去の鉱業活動なんかがあってわかるから、文献調査をやっても、資源のあるところは最初から外しましょうということで、この第二次取りまとめもそういう趣旨なんですよ。 だから、外す、外しますというように言ってくれれば、それでいいのですが。 ○河野政府参考人 鉱物資源の賦存状態との関係は、先ほど申し上げましたように、公益上どちらが優先するかということの考え方というふうに思います。 したがいまして、この最終処分を進めるに当たっての公益上の重要性と、そして御指摘のような鉱物資源の賦存、このことの国民的な有用性と、もしそれがまさるようであれば、この通産省令に定めるところによりまして除外するという考え方は可能というふうに思っております。 ○横路委員 そうするとあれですか、世界各国の流れとは別に、地下に資源があるところも処分地の対象になるという考えなんですね。 ○深谷国務大臣 鉱物資源に関しましては、本法案の第四章第三節で、最終処分施設を保護するために、施設の敷地及びその周辺並びに地下の一定の範囲を保護区域として定めて、当該保護区域内の地下掘削の制限だとか鉱業権の取り消し等の措置を講ずることができるように手当てをされておると思っております。 ○横路委員 いや、ですから、外国は、いろいろな措置をとったとしても、千年、二千年たったときにはそういうことというのはわからなくなるから、要するに地下に資源のあるところは外しておこうという考えなんですよ。 今のお答えですと、地下に資源があっても、周辺を保護地域にして立入禁止にしておけば二千年たっても人は侵入してこないという考えなんですか。だから、基本のところが外国と違うのじゃないか。しかも、この第二次取りまとめで、それはだめだというように書いているのですよ。 では、この法律をつくるときに、通産省が頑張ってこれは変えたのですか。 ○河野政府参考人 二つの点をお答えさせていただきたいと思います。 一つは、現実に私ども、監視等々、あるいはこの処分機構が管理しております機関を中心に、この地下資源との調整を図るということでございます。 他方、先生御指摘のように、仮に非常に貴重な地下資源が賦存しているという状況になりますと、非常に長い将来にわたって、その地下資源を、仮に保護区域があろうとなかろうと、掘削する可能性が出てくるではないかという懸念を持っていることは、諸外国においても御指摘のとおりでございます。その貴重な資源というものをどういうふうに認定するかという問題はこれからの検討でございますけれども、そういった可能性を排除するというのはこの六条において検討するべきことだというふうに考えております。 ○横路委員 いやしかし、今の大臣の御答弁を含めて考えると、結局、地下に資源があってもそこに処分場をつくりましょう、しかし将来は入ってこないようにそこは保護区域に指定すればいいのじゃないかというお考えで、これは各国の考え方と基本的に違いますね。各国は、大体資源のあるところはだめだと言って、特にアメリカのガイドラインなんかは明確ですけれども、そこは外してしまっていますね。 それは何かというと、やはり将来、長い期間の話ですから、どうなるかわからないわけですよ。どうなるかわからないから、その場合には、できるだけ人間がそこに迷って侵入することのないように、資源が何かあるとそこを掘っていきますから、そうすることがないように、ともかく資源のあるところはみんな外して場所を考えようというのがほかの国の考え方、特にアメリカのガイドラインで明記されている点だと思うんですね。 では、その考え方は日本政府はとっていないのですね。とっているのですか、とっていないのですか。この第二次レポートとそこは非常に違うところですよ。 ○河野政府参考人 二つ、改めて申し上げさせていただきたいと思います。 一つは、この法律で保護区域を設定いたしまして管理をし、安全を保つということで、鉱業権との調整をするということでございますけれども、先生御指摘のように、貴重な資源、これはどのようなものをこれから貴重資源として考えていくかという考え方はさらに詰めていく必要がございますけれども、貴重な資源があるということは、将来的に、非常に長い将来を考えますと、御指摘のような人類といいますか人間のアクセスの可能性が高まるという要素は確かに御指摘のとおりでございまして、諸外国でもそういった考え方が念頭に置かれている、これまた御指摘のとおりでございます。 そういう意味で、どのようなものを貴重な資源と考えるかはこれからの検討でございますが、そういった資源が賦存していることが明らかな場合に、この第六条第二項第三号の通商産業省令によって除外することは今後検討させていただきたいと思います。 ○横路委員 まさに貴重か貴重でないかという議論じゃなくて、ちょっとこれを読んでみますが、この第二次取りまとめの六章の12の(3)「人間侵入に関する要件」で、このように書いています。「地下に資源が存在する場合、将来の世代が採掘や探査の目的で地下深部の地質環境に接近することが想定される。処分場への人間侵入の可能性をできるだけ低減する観点からは、地下資源が存在する地域でないことが重要な要件となる。このような考え方は、諸外国においても示されている。」貴重であろうと貴重でなかろうと関係ないのです。 ○細田政務次官 貴重であるという表現が必ずしもいいとは言えません。 つまり、特に欧米などでは、大油田とか大炭田とか金属鉱床とか非金属鉱床とか、さまざまな形で鉱業の賦存、鉱物の賦存が考えられているわけでございますが、日本は残念ながら、今までのところ、本当の大地下資源というのは見つかっていない。北海道の炭田とか筑豊の炭田とか、そういうものはかなりの大鉱床でございますけれども。そういった規模の概念も含めて、これは将来的に開発の必要があるというものは、やはり貴重なものとして行政的に除外する必要もあると思います。 しかしながら、日本じゅう至るところに鉱業権が設定されております今日でございますから、小規模でほとんど採算性等から見れば、鉱物はどこにでも多少は賦存はしておるわけでございますが、やはり判断が必要な事項であると考えますので、そういった意味を含んだ貴重なという表現でございます。 ○横路委員 何か、もう既に大分あちこち調査されておられて、鉱業権のあるようなところも大分頭の中に入れておられるんでしょうか。 この第二次取りまとめとは、したがって、違う選択を法律ではされたというように考えていいんですね。 こっちは専ら、資源の内容について言っているわけじゃなくて、どんな資源でも、あればそこに人間が侵入していく危険性があるから排除しようという、極めてわかりやすい論理構造になっているんですが、今のお話ですと、理由が二つあって、一つは日本の将来にとって貴重な資源というのはありますねということと、あちこちに鉱業権が設定されていてそれを除いたんじゃとても場所が見つからないという要素。その要素も大きいんですか。 ○興政府参考人 この二次報告書は、原子力委員会の原子力バックエンド対策専門部会から平成九年四月に部会報告が出ておるわけでございますが、これに基づきまして第二次のレポートが平成十一年十一月に取りまとめられたところでございますので、そういう観点から、原子力委員会の事務局であり、かつまたサイクル開発機構の担当の局長ということで、私の方から事情を御説明させていただきます。 この二次報告をつくる過程で、原子力委員会の原子力バックエンド対策専門部会では、安全基準の策定に資する技術的よりどころをきちっと考える必要がある、こう言っておりまして、その安全基準の策定に資するため、サイクル機構は二次取りまとめにおいて、処分場の設計要件と設計施工基準、あるいは安全性の評価手法に関する技術的よりどころを示す必要があるよ、こういうふうに宿題を出したわけでございます。 その宿題の中に、接近シナリオに対する考察といたしまして、天然現象が発端となるシナリオであるとか、先ほど来先生からお話ございます将来の人間活動に起因するシナリオとして、掘削、資源採取、地下構造物の建設などについての考察をしてほしい、こういうことで、それを踏まえて、サイクル開発機構が十一年十一月に、先ほど来先生お話ございますように「人間侵入に関する要件」として、「処分場への人間侵入の可能性をできるだけ低減する観点からは、地下資源が存在する地域でないことが重要な要件となる。このような考え方は、諸外国においても示されている。」このように触れております。 したがいまして、この問題は原子力委員会の部会が出してございますとおり、基準策定の際にこれが生かされていく話ではないか、このように考えておる次第でございます。 恐縮でございます。 ○横路委員 もう時間が来ているようでございます。 ですから、この法律の特に六条、七条、八条は、もっとちゃんと時間をかけて整理をしないとだめなんですよ。法律でちゃんと決めるべきこと、それから、ちゃんとガイドラインのように具体的にかなり細かく決めていかなければいけないこと。だから、法律の基本でいうと、この中に混在しているんです。それで、今までやってきたことが抜かされていたり、今まで余り、後で再開されたときに質問いたしますけれども、非常に大きな問題もまだあるんですね。 ですから、これは議論していかなければいけない問題だと思っていますので、くどいようになりますが、こうやって議論すればするほどやはり問題がはっきりしてきて、法律の規定としてはどうも十分ではないというように思います。 ともかく、実施主体をつくって、お金を集めて、そちらをスタートさせるということは必要だと思うんですね。とりあえずそれをやって、あと、内容に関することはもう一度法案を提出し直した方がよろしいんじゃないかということを申し上げて、時間になりましたので、あとはまた再開後にいたしたいと思います。 ――――◇――――― ○横路委員 それでは、引き続き質問させていただきたいと思います。 最初に、概要調査地区、精密調査地区なんですけれども、これは何カ所かに絞り込んでいくのですか、初めから何カ所と決めて選定をしていくのでしょうか。国によってはそうやって、この段階で五カ所に絞る、その後最終的に絞り込むとかいうように段階に応じて箇所を決めておりますが、この法律には明示されていませんが、その点はどうお考えでしょうか。 ○河野政府参考人 基本的な考え方といたしましては、概要調査地区の方が数が多く、そして徐々に絞り込まれて詳細調査地区、そして最終的に処分地というふうに、数字的には少なくなっていくものと理解しておりますけれども、ただ、具体的に何カ所ということを明らかに念頭に置いているものではございません。 ○横路委員 いや、それは数を決めてやれば幾らでもできるわけなのですが、絞り込む数は明記しないということですね、最後になって突然ぽっと処分地が決定されるということになるのですか。例えば精密調査地区の場合に、ここにおいては例えば五カ所にするとか、そういうことはしないのですか。 ○河野政府参考人 今この法律を提案させていただく段階で、例えば概要調査地区については確実に何カ所、あるいは詳細調査地区については何カ所というふうな具体的な数字が念頭にあるわけではございません。ただ、考え方といたしましては、先生おっしゃいましたように、徐々に候補地が絞り込まれていくということは当然あり得ることだというふうに思っております。 ○横路委員 ただ、徐々にといったって、概要調査地区と精密調査地区で、あとは処分地ですから、そこのところは情報を公開されるということでございますので、除外条件がまず最初の段階で適用されていって、おのずから残されていく中で、今度は、可能であってもベターとベストというように、だんだん分かれていくものだというように思っています。 そこで、また先ほどの質問の続きになりますが、第七条「精密調査地区の選定」というところで、初めて地下水の水流という問題が出てくるわけであります。そして、第七条の二項の二号、三号で、精密調査地区を選定するその要件として、坑道の掘削に支障のないもの、それから、地下水の水流などがある場合はこれが坑道その他地下の施設に悪影響を及ぼすおそれが少ないと見込まれるものというように、非常に施設のつくりやすさ、施設の機能というところに重点が置かれているように思いますが、そのような理解でよろしいのでしょうか。 ○河野政府参考人 第七条の精密調査地区の選定は、具体的に書いてありますことは、概要調査の内容及びその概要調査を行った結果精密調査に行くに当たっての選定要件ということでございますけれども、ここにございますように、第一号におきましては「地震等の自然現象による地層の著しい変動が長期間生じていないこと。」それから「坑道の掘削に支障のないものであること。」また先生の御指摘にありましたような「活断層、破砕帯又は地下水の水流があるときは、これらが坑道その他の地下の施設に悪影響を及ぼすおそれが少ないと見込まれること。」ということでございまして、一号におきましては、もちろん施設も加味されますけれども、地層の大きな変動がないということ、それから二号、三号、主として御指摘のように施設の建設が可能であるということを念頭に置いた要件でございます。 ○横路委員 例えば、地震等の自然現象による地層の著しい変動が生じていないというのは、これはもう文献調査の段階で除外されていく話なんですね。その辺のところが非常にあいまいなわけであります。 私は、ちょっと地下水のことについてお尋ねをしたいと思いますが、これも第二次取りまとめとの関連になります。第二次取りまとめでは、先ほども申し上げましたように、可否の要件、除外すべきものは何かということがあって、考慮の条件というのがあります。その中に、人工バリアの設置環境、天然バリアの機能ということで、地下水と岩盤のことがここで触れられております。 地下水の流動特性、それからもう一つは地下水の地球化学特性。つまり、流動特性というと、流れが例えば速いか遅いか、地球化学特性というと、酸性かアルカリか、あるいは核種が溶解するものか沈殿するものかというようなことで、これは人工バリアの設置環境で、余り流動性が速過ぎると緩衝材の流失を引き起こさせてしまう。それから化学特性でいうと、腐食や溶解など、つまり酸性の地下水だとそういうことが起きてしまう。ということで、第二次取りまとめの中では、地下水の流動特性ということについて、人工バリア の場合の要件が書かれております。 ところが、ここの第七条の方では、地下水があるときはその概要による事項の調査を行って、しかしそのことが何か明記されているか。 つまり、精密調査地区を選定する場合に、水の関係でいうと、坑道の掘削に支障がないということと、地下の施設に悪影響を及ぼすおそれが少ないということになっていて、どうも施設の機能の方に重点が置かれているのではないかというように思うのですけれども、この点も第二次まとめが必ずしも反映していないというように理解しますが、いかがですか。 ○河野政府参考人 第二次取りまとめで、先生御紹介になりましたような地層の物理的特性あるいは腐食等に関係いたします化学的性質について、その選定要件というふうに記載されていることは、そのとおりでございます。 私どもが、この第七条及び第八条で具体的な選定基準を極力具体的に書いてありますのは、第七条ではボーリング調査が主体の調査でございます。その中でできる限りの情報を収集するということで、第七条第二項の各号にあるような判断をするということでございます。 さらに、第八条では精密調査の内容が記載されているわけでございますけれども、この中には、先生今御指摘になりましたような岩石の強度、あるいは水素イオン濃度等々の化学的性質に関する事項、さらに、地下水の水流があるときはその詳細ということで、順を追ってこういった化学的特性あるいは物理的特性について、特に第八条の精密調査の内容でございますので、これは地下に具体的な施設をつくって調査をいたしますのでそこまで調べ得るということで、ここに記載しているとおりでございます。 ○横路委員 第二次取りまとめとこの法律との違いは、段階が、だんだん調査する事項と対象というものがずれていっているのですね。第二次取りまとめでは、今の点は、むしろ八条の最終処分地の選定という前の段階で調査をしなければいけない点になっているわけであります。 その点と、もう一つ、岩盤中の物質移動特性というのが第二次取りまとめの「サイト選定における地質環境上の要件」の中に挙げられております。これは天然バリアの問題としてあるわけです。 今までの考え方は多重バリアということで、人工バリアプラス自然バリアということでございましたが、自然バリアで一番大事なのは何かというと、やはり岩盤の持っている物質移動特性、つまり核種が移行しづらいということが自然バリアを選定する場合の非常に大きな要件だというように思うのですね。そして、第二次取りまとめの中でもその点はかなり詳細に書かれておりまして、天然バリアの機能として、岩盤中の物質移動特性、核種の移行に対して十分な遅延効果があるということが天然バリアに対する期待なわけでありますけれども、そこが記載をされています。 ところが、この法律を見ると、その辺のところがどうも極めて不明確だというように言わざるを得ないと思うのですね。先ほど、坑道の掘削に支障がない、あるいは地下の施設に悪影響を及ぼすおそれが少ないというように、専ら何か建物の施設そのものの機能とか、そこに重点が置かれておりまして、天然バリア全体についてどうだということが必ずしも明記されていないんじゃないだろうかと思いますけれども、いかがでございますか。 ○河野政府参考人 私どもの理解するところ、その第二次取りまとめの中で、物質移動特性も当然考慮するべきであるということでございますが、私どもの第八条をごらんいただきますと、精密調査を行う内容として、岩石の強度その他の物理的性質に関する事項、あるいは化学的性質に関する事項ということが具体的に示されているわけでございまして、こういった段階におきまして、物理的な移動特性の問題も調査対象になるというふうに理解をしております。 ○横路委員 例えば、八条の二項で最終処分施設建設地の選定として、ここに要件が掲げられておりますが、三つあります。 地層内で異常な圧力を受けるおそれがないと見込まれること、物理的特性が設置に適していると見込まれること。それから、異常な腐食作用を受けるおそれがないと見込まれることその他化学的性質が設置に適していると見込まれること。地下水や水流が地下施設の機能に障害を及ぼすおそれがないと見込まれること。ということなんですが、では、一体それは何を基準として適しているのか適していないのかということを判断するのかというと、これでは、何か書いてあるようで実は何も書いていないというのと同じなんですね。 どういう点を基準にするのかということをはっきり言わないと、これではどうしようもないんじゃないでしょうか。ある意味でいうと、どれでも該当するといえばどれでも該当するということになりかねないと思いますが。 ○河野政府参考人 例えば、今御指摘の第八条第二項第一号でございますけれども、「地下施設が当該対象地層内において異常な圧力を受けるおそれがないと見込まれることその他当該対象地層の物理的性質が最終処分施設の設置に適していると見込まれること。」ということでございまして、「異常な圧力を受けるおそれがないと見込まれること」は、例えば岩盤のひずみ等でございますけれども、こういったことを例示としつつ、「物理的性質が最終処分施設の設置に適していると見込まれること。」ということで、御指摘のような岩盤内における移動特性等も考慮して選定要件を検討するということでございます。 ○横路委員 ここを見ていますと、その岩盤の中の核種の移行というものをどうやって遅延させるかという観点よりは、例えば異常な圧力を受けるおそれがない、あるいは異常な腐食作用云々、これは、施設の金属に対する、だから人工バリアに対する腐食作用のことでしょう。それから、地下施設の機能に障害を及ぼすおそれがない。むしろ、専ら施設の機能が中心であって、天然バリアという、その岩盤特性については、これだけ読んだのじゃはっきりしないんじゃないですか。そこはやはり明確にした方がいいんじゃないでしょうか。 どうも、何かこれを読んでおりますと、多重バリアというけれども、ほとんど人工バリアにウエートが置かれているというのがこの法律の規定の仕方だと私は思いますけれども。 ○河野政府参考人 この法案を起草させていただくに当たりまして、さまざまな方々の御意見もちょうだいし、私どももこの天然バリアあるいは人工バリアということを念頭に置きつつ対処してきたつもりでございます。 そういう意味で、この八条の第二項各号に掲げてありますことは、先ほどと重ねた答弁で恐縮でございますけれども、例えば「異常な圧力を受けるおそれがない」ということは例示でございまして、そういったことも含めた物理的性質を適正に判断するということでございますし、また「異常な腐食作用を受けるおそれがないと見込まれることその他」ということで、これも例示でございまして、さまざまな化学的性質の適否の判断ということがこの要件になっていると理解しております。 ○横路委員 ただ、この第二次取りまとめの方でいいますと、天然バリアの機能のところに岩盤中の物質移動特性ということがありまして、もちろん物理的な要件もありますけれども、例えば、物理的特性といえば、温度みたいなものがどうなのかというようなこともあるように思います。 いずれにしても、核種に対して十分な遅延効果ということを期待しなければいけないわけなんですが、ちよっと質問をかえまして、最初の定義のところをちょっと見ていただきたいと思いますが、第二条の定義です。 第二条の定義のところで「特定放射性廃棄物及びこれによって汚染された物が飛散し、流出し、又は地下に浸透することがないように必要な措置を講じ」というと、実は、天然バリアの考え方というのは、時間がたてば人工バリアというのもやはり崩壊をして地下に浸透するということがあることを想定して天然バリアという考えは成り立つわけですね。ところが、この法律を見ていると、浸透することがないように必要な措置を講ずるということで、浸透はしないということを前提に書かれているわけです。違いますでしょうか。 したがって、ここの考え方から、後の、地域を選定する要件という中に、天然バリアのウエートがずっと削られていって、専ら坑道だとか施設だとかというところに重点が置かれていっているのも、人工バリアでかなりカバーするのだ、一万年の間、そういう考え方に立っているからじゃありませんか。 本来、多重バリアで、天然バリアと人工バリアといいながら、実は人工バリア中心になっているというのはここにもあらわれていると思いますが、これはどういう意味でしょうか。 ○河野政府参考人 ただいま定義でお尋ねがございました、特定放射性廃棄物等が飛散し、流出し、または地下に浸透することがないように必要な措置を講ずるということでございますけれども、これは、こうした飛散等が生じないように十分な措置を講ずるということを規定したものでございます。 ただ、何度も申し上げることになりますが、立地地点の選定のプロセスで、安全措置としての人工バリア、そして天然の条件としての天然バリア、こういったものをすべて勘案して選定していくということは、両方念頭に置いているというつもりでございます。 ○横路委員 しかし、規定の仕方がそうなっていないわけですから、もしそうじゃなくて、自然のバリアも重視するというと、自然バリアの中の一番大きい要素は岩盤中の物質移動特性が要件として非常に大事だということでありますので、それをちゃんと明確に明記しなければいけないというように思います。いかがでしょうか。 ○河野政府参考人 岩盤中におきます移動特性等も考慮して、そういった立地選定といいますか、用地選定といいますか、順を追って立地地点の選定をしていくということは天然バリアのことを念頭に置いた考え方でございますけれども、具体的な処分におきまして、飛散等をしないようにという、できるだけ十分な措置を人工バリアにおいて講ずるということは、これまた安全確保の観点も含めまして必要なことではないかというふうに考えております。 ○横路委員 アメリカでは、要するに、ガラス固化体にしてステンレスのキャニスターに入れまして、岩盤の中に処分をして、一万年間水に接しないということがたしか大きな要件になっていたと思うのですね。日本の場合は多分、地下はどこでも水だらけだと思うのです。そうしますと、問題は、水の要素それから岩盤の要素、二つの要素が大変大きな要素になるということなんです。 くどいようですが、どうもこの規定になりますと、坑道だとかそれから腐食作用とか地下施設の機能というような、専らそこに重点が置かれていて、それ全体の、岩の持っている特性みたいなところが規定としては非常に不十分だ。 それは、やはりこれからガイドラインをつくっていかれるわけでしょう。そのガイドラインの中に、そういった岩盤中の物質移動特性とか、あるいは水の持っている流動性とか化学的な特性とかというようなもののガイドラインを明確に決めていただきたいというように思うのです。しかもそれはできるだけ早いレベルの段階でやる必要があるだろうというように思いますので、文献調査を終わりまして、その次の段階に行く中ではそういったガイドラインを明確にしていただきたいと思いますが、いかがですか。 ○河野政府参考人 先ほど来申し上げましたように、この法律上の要件といたしましては、具体的な例示を挙げつつ、ある意味では包括的に記載をしております。御指摘がありましたように、これから具体に科学的知見を積み上げまして、さらに具体的なガイドラインといいますか、判断基準をつくり上げてまいりたい、こういうように考えております。 ○横路委員 そこで、アメリカの場合の人工バリアの考え方というのをちょっと御紹介しますと、まずアメリカは、このガイドラインの中で、自然バリアを何よりもまず重視しなければいけないということですね。そして、工学的な障壁が、つまり人工バリアですね、地質的な媒体の欠陥を補うために依存することのないよう考えなければいけない。したがって、不適切なサイトを補うための人工バリアはだめですよ、サイトの本質的な欠陥を隠すため、あるいは一つのサイトと全体的なシステムの長所及び欠陥を隠すため、そういった、何か自然バリアの不十分さというものを隠すために人工バリアで補ってはいけませんよというのがアメリカの考え方です。 日本の場合はどうもそこがはっきりしないのですが、こうしたアメリカの考え方についていかがでしょうか。賛成なんでしょうか、いや日本は違うよというのでしょうか。 ○深谷国務大臣 横路委員の数々の御意見を含めた御質問をずっと伺っておりました。 基本的には、どうやって安全性を確保するかということ、その一点に尽きるわけでありますが、先ほどの長官の答弁でもそうでございますけれども、私たちの想定しているのは、人工バリアと自然のいわば天然バリアと、両方の力を合わせて、そして安全性を確保していこう、そういう考え方でございます。 本法律案の中での立地点の選定基準についていろいろお話もございましたけれども、最終処分施設の立地点として備えるべき基本的な要件を規定しているということでありまして、ただいまお話のありましたようなさまざまな問題については、今後の知見も踏まえて、省令等で必要な事項は定めていきたいというふうに考えます。 ○横路委員 その点で、ちょっとまた一言お願いといいますか、やってほしいことがあります。 アメリカのガイドライン、午前中もお話があったと思うのですけれども、この中で、例えば水源への近接度、あるいは国立公園などの環境の保全の問題、それから輸送、つまりガラス固化体を処分地へ輸送するその輸送の安全、あるいは人口への近接度、こういった点について、やはりこの規定の中にないわけでございますけれども、ガイドラインの中ではそこも要件をはっきりさせるべきだというように思います。 ぜひアメリカのガイドラインも参考にされまして、これはもう、岩石から地下水からいろいろな要件について、除外条件、それから好ましくないものとなり得る条件、好ましい条件、適正条件というように向こうは分けています。日本の二次取りまとめでいえば、可否の要件と考慮の条件ということになるのでしょうけれども、その辺のところをはっきりさせながら、できるだけ具体的なガイドラインをつくる。 今大臣からもお話がございましたけれども、アメリカの幾つかのケースを申し上げました。こういう点などを参考にされてつくられるように、ぜひ御努力をいただきたいと思います。 ○深谷国務大臣 何よりも安全性を確保するということが最終的な目標でございますから、横路委員言われましたような御意見のとおりに、アメリカその他、いろいろな角度から、ガイドラインの中でどこまで示せるか、十分に考えながら対応していきたいと思います。 ○横路委員 最後に一つ二つお尋ねしたいのですが、一つは自然エネルギーです。 超党派の議員連盟の方で立法作業を進めておりますが、いずれにしても、この状況を見ると、やはり自然エネルギーのウエートを高めていく努力というのはしていかなければいけないと思いますし、今までのものよりもそのウエートを高くしていかなければいけない。 議員連盟の議論としては、電気事業者に自然エネルギーの買い取り義務を負わせようかどうかとか、あるいは一定の割合、例えば一〇%の自然エネルギーを確保するように何とか目標としてやっていこうじゃないか、いろいろな議論がありました。議論がありましたが、いずれにしても、自然エネルギーのウエートをもっと高めていく努力をしよう。風力、バイオマス、太陽光、いろいろありますけれども、この点について、大臣、超党派の立法ができましたら、従来の自然エネルギーについての位置づけをやはり変えて、もっとウエートを高めるようなことでの御努力をいただきたいと思いますが、いかがですか。 ○深谷国務大臣 そもそも、エネルギー安定供給の確保であるとかあるいは地球環境の問題等々考えてまいりますと、やはりこれから自然エネルギーをいかに確保するかということに全力を挙げるべきだというふうに考えます。 横路委員も参加しておられる超党派議員による自然エネルギー促進議員連盟が、先般、自然エネルギー発電促進法案の大綱というものを発表されました。私どもも大変大事なテーマとしてこれを受けとめております。法案大綱に盛り込まれております自然エネルギーの普及促進策のうち、例えば電力会社への勧告の問題とか電力会社に対する補助制度の導入等々について、かなりまだ慎重な検討を行うべきものがあるとは思いますけれども、私は、せっかくの議員の皆様のこういうお声というのは大事に受けとめていくべきだと考えます。 また、政府としては、昨年十二月から総合エネルギー調査会に新エネルギー部会を設置いたしまして、最近の新エネルギーの現状、欧米諸国の状況あるいは政策動向についてただいま検討を進めているところでございます。また、本年の四月に開始されたエネルギー政策の総合的な検討の中でも、今後の新エネルギー政策のあり方について幅広く検討していこうということで、鋭意努力をしているところであります。 ○横路委員 エネルギーの事情、状況も、例えば燃料電池の開発などを含めまして、こうした自然エネルギー、いろいろこれから変わっていくんだろうと思うのですね。 今、政府の方でも原子力開発利用長期計画について改定の作業をやっておられるようですけれども、ヨーロッパを見ますと、建設中の原子炉もありませんし、発注も将来のプロジェクトも計画しないということで、かなり脱原子力といいますか、それぞれの国の事情、状況に応じて、新しく拡大はしないとか、今動いているのが稼働し終わったらそれで終えるとか、いろいろな方針で非常に動いてきています。 大臣はこういう状況をどうごらんになっておられるのか、今度の改定作業の中でどのような基本的なお考えを持っておられるのかをお伺いして、ちょうど時間になりましたので、私の質問を終えたいと思います。 ○深谷国務大臣 我が国の資源のない状況を考えますと、中心は相変わらず石油資源、これは輸入に頼っているわけでございます。そのほかさまざまなエネルギー源として開発しておりますけれども、やはり原子力に負うところはかなり大きいと思わなければならぬと思います。安全性あるいは安定供給、経済性、その他もろもろを考えましても、私は、原子力発電という意味あるいは重要性というのは余り変わっていないというふうに考えます。 しかし、いずれにしても、全体のエネルギー政策というものをきちんと立てなければいけないということで、過般、私は、エネルギー政策についてもう一回じっくり一年がかりで検討してもらおうではないかということで、ただいまその動きが始まったばかりでございます。 新エネルギーにつきましては、お話しのように、大事であるということ、ふやさなければならないことはわかっておりますけれども、まだ量的にもあるいはコストの面でも越えなければならないハードルが非常に高いというふうに思われます。しかし、これは着実に開発をしていかなければなりませんで、今まででも、例えばジメチルエーテルでありますとか、あるいはメタンハイドレートとか、いろいろな提案があるたびに、私ども、現場を視察するなりあるいは状況の報告を受けるなり、種々努力をいたしてまいったところであります。 新エネルギー全体で、予算の面で申しましても、前年度と比較して五十億円増額になる九百二十五億円を計上しておりまして、ぜひ、新エネルギー開発のために全力を挙げていきたいと考えております。 ○横路委員 終わります。 |