○横路委員 本日は、九月十一日起きましたアメリカにおける同時多発テロに対する、我が国政府の協力という点に絞って議論をさせていただきたい、このように思っております。
今回のテロは、本当に想像を絶する、テロリストによる残虐非道な行為だということで、本当に深い悲しみと大きな憤りでいっぱいでございます。亡くなられた方々に哀悼の意を心から表したいと思いますし、また、関係する多くの皆さんに心からお見舞いを申し上げたい、このように思います。
このテロについてこれから議論をしていくわけでございますが、その前に一言、昨日、ロシアのシベリア航空の飛行機が黒海で墜落をした。これもテロによるのではないかとか、あるいはウクライナの軍隊の演習の誤射じゃないかと、いろいろと報道されているところでございますが、今の情報で、この問題、どんなことになっておられるのか、まずちょっと御報告をいただきたいと思います。
○田中真紀子国務大臣(外務大臣) 御報告いたします。
昨日、四日、日本時間の十八時三十五分、場所はロシアのソチ南西百八十五キロメートルで、シベリア航空でございますが、イスラエルからシベリアに向かいます飛行機が黒海上に墜落をいたしました。
そして、外国の通信社は、これはウクライナ軍が演習中に誤爆したと報道いたしております。ところが、プーチン大統領は、ブレア英国首相との共同会見の場におきまして、ウクライナによる誤爆ではないと考える旨の発言をなさっております。
いずれにいたしましても、現在さまざまなルートで事実関係を調査中でございます。
○横路委員 テロであるとすれば、これは本当にやはり国際的な協力で、テロ全体をどうやってなくしていくのかということに我々努めていかなければいけない、このように思いますが、今回のテロは、その手段、方法、そしてまた被害の大きさ、たくさんの人が亡くなったという犠牲者、そしてまたアメリカにとっては首都ワシントン、金融の中心のニューヨークという場所など考えますと、アメリカがこれを戦争だと受けとめて報復だと言うそういう気持ちも私も理解できないわけではありません。しかし、基本的には、やはりテロだというように私は考えます。
ただ、このテロは、個人によって行われたテロではなくて、極めて政治性の高い集団的かつ組織的なテロであるということだと思うんですね。したがって、国際社会として何をしなければいけないか、何よりまず犯人、そしてそのテロ組織というものを特定して、それを逮捕して、裁判にかけて処罰をする。同時に、そのテロ組織そのもの、これは国際的にかなり国をまたがって存在しているかもしれないと指摘もございます。このテロ組織そのものを解体していく、そして中長期的にはテロが生まれてくる構造というものをどうやってなくしていくのかということだろうというように思いますが、総理大臣、今回のテロを受けとめて、私はこのように考えますが、いかが総理大臣として受けとめておられますか。
○小泉内閣総理大臣 今回のテロは、だれもが想像し得なかったこと、また信じられないようなことが現実として起こったわけであります。そこで、長期的にはテロが発生する根本理由にもっと目を向けろという意見は、私も理解できます。これには中東の和平問題があるんじゃないか、あるいは貧困の問題があるんじゃないか、いろいろ議論はされております。
しかし、現実にこのテロに立ち向かうためには何が有効かということで、今米国が、これはみずからの国に対する攻撃だと受けとめて、これに対しては断固として、あらゆる手段を講じてこのテロ根絶のためにテロリストたちと闘わなきゃいかぬと。これに対して、今国際社会が一致協力して、テロ根絶のために、あるいはテロ防止のために一緒に立ち向かっていこう、積極的に取り組んでいこうということで、日本としても今、新しい法律を制定して、できるだけ国際社会の一員としてこのテロ根絶のために立ち上がろうということで取り組まなきゃならないという認識を持っております。
しかし、この闘いは、まずテロリストを特定する、そして、これはどういう組織なのか、あるいはどういう政権が関与しているのか、あるいは背後にどういう国があるんだろうかというのは、非常に、突きとめるまでには困難な作業、また忍耐強い長期的な対応が必要だと思っております。
こういう状況に直面しまして、私どもとしては、テロ根絶のために国際社会と協力して一緒に立ち向かうということに対して、毅然とした態度でこの問題に立ち向かい、そして米国とも協力していく、そして国際社会とも協力していくという立場で、このテロ根絶のために立ち向かっていく。その際、アメリカ初め関係諸国、NATO諸国は、このテロ根絶のためには武力行使も辞さないという決意を明確に表明しております。
しかし、日本としては、テロ根絶のためには毅然として取り組む、できるだけの支援協力態勢をとる、しかし、武力行使はしませんということも表明しているわけです。ですから、外交努力もある、あるいは経済面の努力がある、難民支援の努力もある、いろいろ協力方法はあるわけであります。そういうための協力は惜しんではならない。日本としても国力に応じて、国情に応じてできるだけのテロ根絶、防止に向けて積極的な取り組みをしたいというのが、現在、小泉内閣、日本政府の考え方でございます。
○横路委員 今総理も言われましたように、これはやはり国際的な協力が必要だと思うんですね。アメリカが当事国ですから主導権をとってというのもわからないわけではありません。しかし、やはり国連を中心にしてどういう国際協力をしていくのかということが大事だと思いますが、これは後でまた議論をいたしたいというように思います。
アメリカはこの事件が発生して以来、外交努力も大変積み重ねてきました。軍事的な手段も選択肢を非常に広くして、そしてアメリカ政府部内でいろいろと議論もしてきたというように思うんですね。
その議論の中で、ウサマ・ビンラディン、それからアルカイダ、こういう犯人グループ、組織。アメリカの軍事行動の目標というのは何かということなんですけれども、やはり、これを逮捕して裁判にかけるというのが非常に大きな目標でしょう。同時に、タリバン政権、これをどうするのかということもアメリカ国内でいろいろと議論されています。中には、テロ支援国家としてイラクもこの際攻撃するというような意見もアメリカの中であったようでございますが、今はそれは少し小さな声になっているようであります。
これから米軍はどういう行動をするかということはわからないわけでありますけれども、小泉総理は、米軍の行動に対して自衛隊が協力するということで、新法をきょう閣議で決定されたというように聞いていますが、米軍のその行動というのはこれからなわけですけれども、あらゆる行動、どんな行動をも支持するということなんでしょうか。あるいは、米軍の行動、これはまだこれから、内容はよくわかりませんが、いろいろな問題点もあると思うんですね。国際世論の中では、例えばアフガンの市民へ大きな被害が出るということは何とか避けてほしいというような声もあります。この辺のところをどのように総理はお考えでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 現在、米軍が、米国がこのテロ根絶のためにどういう具体的行動をとるかということについては、まだ明らかにはなっておりません。ともかく、米軍も米国も、あらゆる手段を講じてテロ根絶のために、防止のために闘うと宣言しております。
しかしながら、私とブッシュ大統領との会談を通じましても、あるいは他の首脳との意見交換を私が伺って感じた点についても、ブッシュ大統領は非常に冷静です、慎重です。長期的闘いになることを覚悟しなきゃならないという点から考えますと、私どももこの問題については、米軍がどういう行動をとるかわかりませんが、日本としても、憲法の範囲内でできるだけの支援協力態勢をとることが国際社会の一員として責任を果たすことになるのではないか。テロ根絶、テロ防止のために日本がいかに取り組むか。米軍のとる態度、各国のとる態度、そういうようなものを勘案しながら、日本として主体的に取り組んでいかなきゃならないと思っております。
○横路委員 アメリカは、総理が言われるように、大変慎重に、外交を含めた選択肢、どういう選択をするかということを検討されているというように思います。
国際世論の中でもいろいろな心配する声がありまして、それは例えば、カブールへの空爆でありますとかいうようなことをしますと、それでなくてもアフガニスタンの国民というのも、一九七九年、ソ連がアフガンに侵略して以来、撤退した後も内戦が続くという戦争の状態の中にありまして、インフラももうほとんど破壊されている。道路だとか水道だとか電気だとかいうのも大変厳しい状況にある。ここで大規模な地上戦とか空爆とかということになりますと、多くのアフガンの人々が難民化して、これはもう本当に大変なことにかえってなってしまうという点は、アメリカの国内でも十分考えておられると思います。
ブッシュ大統領の発言も、別に自分たちはアフガンを占領するわけではない、国家建設まで進む気持ちはないと。ただ、この辺になりますと、最近また少しいろいろと揺れがあるようでございますけれども、そういう状況であります。
私は、これからの行動というのは、実際とってみなければわかりませんけれども、多分、犯人一族を逮捕するというところに絞った、かなり絞られた行動になるだろうというように思います。そうすると、自衛隊の役割というのは一体何があるんだということになるわけですね、インド洋まで派遣してやる自衛隊。一体、どんな部隊がどんな目的を持ってこの協力をするというようにお考えになっておられるのか、そこをお聞かせいただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 私は、日本の持てる機能をできるだけ活用して、テロ根絶のために責任を果たしたいと思っております。日本の持てる機能、能力、自衛隊も重要な日本の財産であります。機能、装備、能力、すばらしい面があると思います。一般、民間ではない、一般関係省庁、自衛隊以外の省庁ではない能力を持っている。その際に、国際社会が打って一丸となってテロ根絶のために闘う。自衛隊の持てる能力を発揮できる場ならば、私は出すのが当然ではないかと思っております。
○横路委員 小泉総理は、この事件が起きた後、七項目の基本的な方針を決められて、それに基づいて本日閣議決定された新法というものをつくられ、国会に提出をするということになったわけでございますが、この点についてちょっとお尋ねをしたいと思うんです。
まず、協力というその範囲の中で、どんな分野のどんな協力をするつもりなのか、する予定なのか。
○小泉内閣総理大臣 足らざるところは防衛庁長官に後ほど答弁いただきますが、私は、自衛隊の活躍する分野というのは、武力行使をしないという前提の中で、かなりあると思います。
例えばきょう、アフガニスタンの難民支援のために、かねてから難民高等弁務官事務所から、できるだけ物資を送ってくれないかという要請がございます。これに対しても、既にテントとかあるいは給水容器とか、日本の持っている物資、さらには先方が要求している物資、できるだけ輸送をしたいということで、自衛隊に協力を要請し、そして近く自衛隊が現地にその物資を輸送する手はずが既に整っております。そういう面もあります。あるいは、情報収集の面において、これからいろいろ各国で情報収集、情報交換、協力していこう、アメリカのみならず、ロシアを含めたG8各国、これも情報交換が大事であるということでお互い協力していこうという面については、自衛隊の情報収集能力というのは他と違って、ほかの機関と違って日本においてはすぐれたものもある。あるいはまた、医療の面においても、医療部隊というのがありますから、こういう面においても人道的な支援について自衛隊の活躍する場もある。
ともかく、自衛隊だからいかぬという態度はとりません。武力行使はしないという中で、持てる国力、機能を通じて、日本の持つ能力を通じて国際社会に懸命の努力をする、積極的にテロ防止のために取り組むということで、私は、テロ根絶、テロ防止の役割を日本なりに果たしていきたいと思っております。
○横路委員 テロは確かにひどいわけでありますけれども、しかし、これに対してとる各国の対応というのは、それぞれの憲法なり国連憲章にやはり基づいて行われなければいけない、このように思います。
今回の問題では、アメリカも言っているのは、軍事力を結集した湾岸型ではないですよ、各国それぞれにやはり役割があるんだということを言われています。今、総理言われたように、私も、一番大事なことは何かといえば、いずれにしても、これから米軍が行動するに伴って、やはりアフガンの中で多くの難民というものがパキスタンとかイランとかあるいは北部の国境地域に出てこられる、この難民に対する人道支援というのが、日本として今の現行法の中でもやれることはたくさんあるわけでありますから、これを積極的に行っていくということですね。これはまずやはり基本にしっかり据えておかなければいけない、このように思います。
この点について、今御答弁がございましたけれども、もう一度、やはり人道支援という立場に立った現行法ででき得る活動というのをしっかり行うということを確認していただきたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 自衛隊を海外に派遣するということについては、これが武力行使ではないということを明らかにする必要があるし、他国に警戒心を持たれないようにする努力も必要だと思います。
そういう面において、現行法でできることと、あるいは現行法でできなくてなおかつ武力行使でない、そういう場合に自衛隊が活躍する場があれば、派遣された隊員についても、しっかりとした対応をとってもらうために法律的な整備が必要だと思います。どういう任務が必要なのかという任務の規定がないままに派遣されるというのは、派遣された自衛隊も不安でしょうし、そういう点が不備がないように、現行法でやれることは精いっぱいやる、現行法の解釈においては無理があるという場合には新法を制定するという点において、私は、自衛隊の働ける場は現行法以上に国際社会に貢献するという意味においてあるのではないかということで、やはり新法が必要だなということで新法を提出して、これから国会で御審議いただくということが適切ではないかと思っております。
○横路委員 私は、PKOの人道支援という活動で対応すべきだというように考えております。
七項目についてちょっとお尋ねをしたいのですが、この七項目がベースになって新法ができているわけですね。この七項目の中の一つ、「情報収集のための自衛隊艦艇を速やかに派遣する。」というのがあります。この根拠は、本会議の答弁などでは、防衛庁の設置法のいわゆる所掌事務の遂行に必要な調査研究だということでやってきていますね。従来も不審船事件のときにこれを使って警戒監視活動を行ったということがあるわけですが、従来のケースというのは日本の周辺に限られていたわけですね。今回はインド洋まで派遣されるということになります。
情報収集といいますが、一番大事なのは、周辺諸国家のイランだとかパキスタンだとかいう国の外交ルートを通じての情報収集が一番基本ですから、艦艇を派遣して情報収集するというのは、これは何を目的とするんですか。一体、避難民の支援のためなんですか、あるいは日本の防衛のためなんですか、米軍を守るためなんですか。
○中谷元国務大臣(防衛庁長官) お答えいたします。
根拠となる事項は防衛庁設置法第五条十八号に定めておりまして、防衛庁の所掌事務の遂行に必要な調査研究を行うということでございます。
防衛庁といたしましては、我が国の安全保障を初め、現在国際貢献活動も行っておりますし、また、災害等に対しまして救援活動も行っております。いわゆる全般的な防衛庁の所管に関することでございまして、そういう観点で、この条項に基づいて情報収集を行うということは十分可能ではないかというふうに思います。
○横路委員 いやいや、インド洋へ行って何の情報収集するんですか、艦艇派遣して。
○中谷国務大臣 今後どういう事態が発生するかわかりません。現在、湾岸諸国等に向けても、我が国の経済活動に必要な一般の商船を初めたくさんの船舶が航行いたしております。防衛庁といたしましては、日本の安全保障にかかわることでありまして、いかなる事態が発生しても、我が国の安全保障にかかわる情報におきましては幅広く国際的に情報を入手する必要もございますので、そういう点も理由の一つではないかというふうに思います。
○横路委員 今、問題はアフガンでしょう。ここにいると言われているウサマ・ビンラディン、アルカイダ、このテロの犯人たち、犯人組織というものをどうやって逮捕して処罰をするかということが問題なわけですよ。そうすると、ここに一体どんな艦艇を出すんですか、情報収集のために。
○中谷国務大臣 現在、艦艇の派遣につきましては、総理からいただいた御指示に基づいて検討と準備を行っておるわけでありますけれども、状況をよく見て分析をいたしておりまして、その派遣規模とか派遣時期とか派遣場所等につきましては、適時適切に派遣ができるように、現在適切に対応をしている最中でございます。
また、どういう目的で情報収集するかということでありますけれども、これは、テロ活動の再発に関する情報、それから邦人輸送、また人道的な国際救援活動、平和協力業務として実施するに必要な情報等も必要ではないかというふうに思っておりますし、船舶、航空機の航行状況、気象、海象また港湾の状況等、必要な情報を入手する等のことも考えております。
○横路委員 難民のための情報収集というのは、パキスタンにもう既に派遣しているわけでしょう。そこで現地の情報というのはとれますよね。しかも、米軍の行動というのはかなり限定した行動になるだろうということが言われているわけですよ。そのときに、総理、そんな大きな部隊を送って、これは何をするんですか。アメリカに対する、ただ忠誠心を示すためだけの派遣じゃないかというように受け取られますよ。
○小泉内閣総理大臣 テロ根絶のために米軍初め関係各国が協力して軍事行動を起こすという可能性も否定できない。そういう際に、日本は、武力行使はしませんけれども、そういう支援活動、自衛隊がやるべきことはやっていきたい。
どういう地域に派遣するか、インド洋になるのかどうかというのはまだわかりません、どういう展開になるのかわかりませんから。これは、自衛隊としていろいろな米軍支援活動というのはできると思います。武力行使をしないという前提の中で米軍の支援活動はやらなきゃならない。それは、時期を見て、状況を見て判断するべき問題だと思います。
○横路委員 本来は、米軍の作戦行動というのがあって、それに対して日本が協力するとかしないとかというのは決めるわけでしょう。まだ何をやるか全然わからないのに、もう大部隊を送るような話になっているわけですよ。これはAWACSなどの、情報収集の、警戒監視の航空機なども出すんですか。
○中谷国務大臣 いろいろと新聞報道にはそういうふうな内容が一部あったというふうに聞いておりますが、防衛庁といたしましては、具体的にそのようなことを決定したことはなくて、現にそのようなことを報道した通信社に対しましては抗議をいたしております。具体的にそのようなAWACSを派遣するというようなことは決めておりません。
○横路委員 要するに、この情報収集という、しかも防衛庁設置法というあいまいな法律、あいまいな根拠で、従来、警戒監視ということで日本の周辺でやっている行為についても、もっとしっかりとした法律根拠を持たなきゃいけないという議論があったにもかかわらず、そういうこともしないで、ともかくいきなりインド洋へ情報収集ということで出すということになると、これはもう歯どめがなくなりますよ。そして、結局は将来において米軍のあちこちからの要望に断り切れなくなってしまう、そういうこともあります。
この情報収集の目的というのも、今お話を聞いたら、よくわからぬじゃないですか。結局、その協力というのは、アメリカがテロの犯人を逮捕するという行為にどう協力するかという話なんですから、こんな大きな部隊を送って、ちょっとよく内容がわからない、米軍の行動もわかりません、どんなことになるかわからない中で派遣を決めるという、この情報収集のための活動ということについてはやはり大きな問題があるというように思います。少し米軍の行動を見て、考え直されたらどうですか。
○小泉内閣総理大臣 新しい事態に対応するための新法を予定しているのです。現行法上では対応できないから新法を制定するのです。日ごろから用意しろという要求にかなっている対応を今政府はしようとしているのです。現行法で解釈は無理があるじゃないかという声は多いじゃないですか。だからこそ、しっかりとした新法を対応してできるように、活動ができるような新法を制定しよう、備えあれば憂いなしという言葉もあるように。
誤解しないでくださいよ、今イージス艦を派遣するなり大部隊を派遣するなんというのは一言も言っていませんよ。マスコミが報道している例は一部ありますけれども。どういう事態が起こるかわからないから、いろいろな、想定し得る対応に即応できるような態勢を考えなきゃいかぬ。準備はしておかなきゃならないということであって、準備をすることと実際に行動することと違います。新しい事態の対応を見て即応できるような新法を制定したい、御理解いただきたいと思います。
○横路委員 この情報収集のための自衛隊艦艇の派遣というのは、新法と直接関係はないわけですね。従来の法律でやっているわけですよ。
しかし、従来は日本周辺だけの警戒監視活動が、いきなりインド洋へどんどん飛んでいくといって、どんなことでもできるようになる。これは歯どめも何もないじゃないですか。そうすると、これからアメリカ軍の要求に応じて、あちこちどこでも世界じゅう情報収集だといって軍隊を出すことができるようになるんじゃありませんか。そこが問題ですよ、これは。
○中谷国務大臣 そのお尋ねの前提でございますが、インド洋に派遣するというようなことを決めた事実は全くございません。
○横路委員 そうすると、イージス艦もAWACSも、それからインド洋にも、これは出さないということでいいのですか。イージス艦やAWACSは出さないということで。
○小泉内閣総理大臣 今のところは言っていないと。一部のマスコミは、もう出すとか決まったとか勝手なことを報道していますけれども、そんな事実は全くありません。しかし、将来どういう事態が起こるかわからない、その際には派遣できるように新法をつくりましょう、しかし武力行使はしませんよということなんです。(発言する者あり)だから、新法ができてからですよ。
○横路委員 オーストラリアの首相やフランスの大統領も、結局、これからの米軍の行動を見てから自分たちどうするか決めよう、米軍の行動が、例えば一般の市民に大きな打撃を与えるというような軍事行動の場合は協力しない、そういう権利を自分たちは持っているということを言っています。
これからどうするかということでございますが、イージス艦やAWACSなんて、これは出す必要はありますか。
○中谷国務大臣 防衛庁といたしましては、我が国の安全保障に関することや、また諸外国の事案におきましても、いざというとき、たくさんの邦人が行っているわけでありまして、そういった邦人を救出するということも可能性は否定できません。
そのときに、いざ、事前に調査をしていなくて、いきなり行けというふうに言われてもなかなか対応に困難な点がございますので、そういう点につきましては、事前に情報収集等をして、速やかに邦人を救出したり、我が国の船舶の安全に資するというようなことは必要ではないかというふうに思っておりますので、今の時期にそういうことはできないというふうに縛るということは、国民の安全のためには好ましくないというふうに思っております。
○横路委員 AWACSというのは、おわんのようなレーダーを積んだ航空機で、半径四、五百キロぐらい、飛んでくる飛行機の敵味方の識別ができるというものですね。それから、それに対してイージス艦というのは、多数、十数機飛んでくるような飛行機に対してもミサイルでもって対応できるという防空能力の非常に強いものですね。しかも、これが米軍の方とつながっているんですね、このシステム全体が。
ですから、イージス艦やAWACSを派遣するということはどういうことかというと、相当大規模な軍事行動というものを想定して、そしてその上に立って米軍との間の協力関係をつなぐという話にしかならないわけでして、これを出す必要なんて全くないですよ。何を考えているのか。出したという実績だけをどうも海上自衛隊はつくりたがっているんじゃないかというように思います。
これは、総理、イージス艦やAWACSなんというのは出す必要ないですよ。そこをはっきりさせてください。
○小泉内閣総理大臣 それは、今出していませんから。将来どういう事態が、わかりませんし、米軍なり関係各国がどういう軍事的行動をとるかもわかっていない状況で、今ああしろこうしろと言われてもこれは答弁しようがないし、現在あたかも出しているかのような御質問ですけれども、出していないんですから。
今、現行法で対処する活動はします、情報収集。これから将来、現行法ではできない対応がある場合はやはり新しい法律が必要だろう。武力行使をしない、そういう前提の中でどういう支援活動ができるかということを考えているのであって、現在準備していること、していないことをもう既にやっているかのような、決めつけて考えるのはどうかな。
AWACSとかイージス艦、この専門的な能力については防衛庁長官の方がよく詳しいでしょうから、答弁を補足したいなら、防衛庁長官、ちょっとしてください。
○横路委員 官房長官、結構です。何か記者会見だということでございます。
そこで、新法の議論をちょっといたしたいというように思いますけれども、アメリカは、事実上アメリカ主導型でアフガンへの武力行使を行おうとしているわけですが、日本がそれに協力しようとすれば、基本的には、やはり日米安保条約のいわば日米防衛協力以外にないわけですね。
その防衛協力というのは、ガイドライン法でこれは個別的自衛権の範囲に限るということになっているわけであります。米軍が自衛権の発動だと言っています、これもいろいろと問題のあるところでございますが、ともかくそういう主張をされている。NATOやANZUSの方は、では、これに協力するんだから集団的自衛権の発動だ、こう言っているわけですね。ですから、日本の自衛隊が協力するということになると、個別的自衛権に協力するんですから集団的自衛権ということになるわけですよ。
集団的自衛権については、既に憲法上確定した解釈というのもあるわけですね。だから、非常に今回の場合は無理をされているんじゃないかと思います。そこをやはり、ごまかし、あいまいにして、協力するということ、自衛隊を出すということを先行させてしまっているのではないかなとこの新法を見て思いますけれども、総理、いかがですか。
○小泉内閣総理大臣 今回の新法の趣旨は、テロにどのように対応するか、そういう法律であります。個別自衛権とか集団自衛権、武力行使しないんですから、そういう問題じゃないんですよ。テロ根絶のために、テロ防止のために世界各国が取り組む、その際にどういう協力をする必要があるか、そういう法律であるということを御理解いただきたいと思います。
○横路委員 今回の法律の大きな特徴というのは幾つかあると思いますが、従来と非常に変わってきている点が四つほどあると思います。
一つは、自衛隊の行動に地理的な制約がなくなってしまった。どこでも、自衛隊は自衛隊として米軍とともに行動できるように、地球の果てまで米軍とともにということにその道を開いたというのが一つです。
もう一つは、外国の領土内での活動というものが可能となったという点です。
それから三つ目は、米国以外の外国の軍隊との協力というのもこの法律の中で打ち出しています。これも初めてであります。米軍が自衛権を発動した、これに対してNATO諸国が集団的自衛権の発動だ、この集団的自衛権の発動したものにも協力していくということになりますから、アメリカ軍を中心とした幅広さ、つまり、自衛隊の行動について行動の対象と幅が非常に広がったというのが三点目です。
それからもう一つは、武力行使の一体性との関連でございますけれども、しかし、少なくとも、日本の国が直接武力攻撃されていないのに軍事行動によって他国に協力するということは、やはり集団的自衛権の問題を、憲法上の問題をあいまいにしたまま事実上集団的自衛権に道を広げた。これは、この間ずっといろいろ議論してきた、海外において日本の自衛隊は武力行使はしないという専守防衛ということの枠を、いずれにしても非常に超えたことになると私は思います。
目的はテロといったって、米軍の行動はどういう行動になるかわからないわけですね。その米軍の行動に対して協力する、しかも、アメリカは自衛権の発動と言っているわけです。これに対して協力するということになれば、集団的自衛権しかないじゃないですか。
○小泉内閣総理大臣 これは、本来、非武装中立という旧社会党の観念からいえば、そういう、自衛隊は絶対海外へ出しちゃいかぬという理論になってくるのでしょうが、時代の変遷によって、今はPKO、平和協力活動、かつては絶対自衛隊は海外へ出しちゃいかぬという活動にも、平和維持活動なら出してもいいという、時代が変わってきた。
今回、湾岸戦争みたいに、これはイラクとクウェート、国との戦いじゃない。テロというのは、どこで起こるかわからない。戦争という、国家と国家の争いじゃない。町中でもこのような安全が脅かされてしまう。全く新しい事態にどうやって国際社会の中で協力していくか。
私は、国際社会の中で日本が責任ある行動をとりたいということと、憲法九条の、日本としては武力行使をしないという、これをいかに調整していくかというのが今の日本に課せられた仕事ではないか。そういう中で国際社会の責任を果たしていこうということであって、その中で、国際社会の一員として日本の責任を果たしていく中で、自衛隊を使うなという立場じゃないのです。
自衛隊にできることはできるだけ、自衛隊もほかの民間の方たちとも協力しながら、政府としてできることは何かということを考える。そして、現行法で自衛隊の任務にない場合は、新法で、自衛隊に新たな任務ができるように法律的な裏づけをしようということでありますから、そういう中にあって、絶対自衛隊を使うな、自衛隊の役割は極力もう狭めよというのと、日本の自衛隊も日本の国力なんだ、日本の機能なんだ、憲法の範囲内で世界の諸国と一致して、できるだけ日本の国情、国力に応じて国際社会に対しての責任を果たそうという場合には、自衛隊も重要な機能ですから、重要な能力ですから、重要な財産ですから、その任務を、国民の支持を得て、はっきりとした法律の裏づけを持って新しい任務を与えて、自衛隊にも頑張ってもらおうというのがこの新法の趣旨であるということを御理解いただきたい。
○横路委員 私が今申し上げたのは、後藤田正晴さん、自民党の方ですよね。後藤田さんも言っておられる、同じことを私は言ったわけです。
問題は、自衛隊については、憲法の九条もある、そして自衛隊の任務というのは、日本の国土防衛というのがベースです。しかし、国際的な社会の協力も必要になってきているからPKO協力法で、要件は決まっていますけれども、その範囲の中で平和活動、人道支援活動、こういった活動について自衛隊も出ることができるようになった。
しかし、今回の問題は、米軍は自衛権の行使と言っている、それに対して協力をするというと、これはやはり従来の議論の上で問題になってくるわけであります。
例えば、武器や弾薬の輸送が今度新法の中でできるようになっていますけれども、しかし、戦争というものを考えてみますと、これは武力行使とは別だといっても、補給というのは非常に大きなウエートを持っているわけですよ。その補給なしに戦争というのは遂行されないわけでして、まさにその行方を決めているのは補給のところなわけですよ。ですから、武器や弾薬の輸送というのは武力行使とは別なんだといったって、戦争の実態からいえば、そんなところで区分けすることはできないわけですよ。
総理、この問題というのは、今まで積み重ねてきた枠組みがやはりあります。それを外してしまうというのでなくて、国連憲章もあるし日本の憲法もある。その中で果たしてきた自衛隊の役割、これを今回は、綿密な議論もなしに、憲法や国際法の根拠もなしに今回のようにインド洋に派遣をするということについて、私どもは、問題だと問題を提起しているわけであります。
どうですか。武器や弾薬の輸送だって、これは実際一体じゃないですか。一体であるとかないとかという議論、いろいろありましたけれども、私は、これはごまかしの議論だと思います。
○中谷国務大臣 我々が検討をしているのは、今の憲法の枠内で何ができるかということでございます。その中で、武力行使はいたしませんし、武力行使と一体化することはしないというのが大前提で、では何ができるかということで、お尋ねの武器弾薬の輸送ということにつきましては、いわゆる輸送という物を運ぶ行為ですね。これは、現在我が国でもやっておりますけれども、物を運ぶということについての行為でございます。
この行為は、日本で現実に物を運んだら、これは武力行使に当たるわけではありません。ですから、そういう行為自体は武力行使に該当するものではありませんし、また実施する地域も、我が国の領域及び現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域に限定をいたしております。
そういう意味に照らしていきますと、対象となる物品が武器弾薬であっても、米国等との武力の行使の一体化をするということでなく、憲法上の問題は生じ得ないというふうに考えております。
○横路委員 アメリカは、憲章五十一条の自衛権の発動だとしているわけですね。国連憲章で戦争というのは違法になっていますから、その武力行使というのを認められるのは二つだけありまして、一つは、国連安保理事会が措置をとるまでの間、緊急な行為に対する自衛権の発動、個別的、集団的自衛権というのが五十一条です。それからもう一つは、憲章の第七章で、国連が軍事制裁をする、これは平和に対する脅威であるということを認定して。その場合は武力行使ができるようになっていますが、今回の決議の一三六八はテロ非難の決議であって、ここで別に米軍の軍事力の行使を容認しているものじゃないわけです。これは、イラクがクウェートに侵略したときのあの国連の安保理事会の決議と比較してみると、それはもう明快ですよね。
そこで、日本政府が九月十二日の決議一三六八などを根拠にして自衛隊の参加というのを、参加、協力するというのには無理があると思います。つまり、新しい国連決議というのがどうしても必要になってくる、米軍が行動するに当たっても、日本政府が行動するに当たってもですね。新しい国連決議ということで、日本政府もその方向で動いたんじゃないんですか。
○田中国務大臣 自衛権を行使する上で安保理の決議は改めて必要はございません。今、委員も一三六八及び一三七三のこともお触れになりましたけれども、今回は、同時多発テロ、それについて米国がいかなる行動をとるかは現段階ではもちろん明らかではございませんけれども、その上で申し上げますれば、このテロに関しまして、国連で、安保理で採決された一三六八及び一三七三は、国連憲章の第五十一条で規定されている自衛権が各国固有の権利であるということについて改めて言及をしているものでございまして、その意味におきましては、今般のテロに対応して米国等が個別的あるいは集団的な自衛権を行使し得ることを確認いたしております。
○横路委員 これはもう前文に書いてあるだけの話でもって、内容はテロの非難決議で、むしろ、最後のところでは、あらゆる必要な手続をとる用意があると、国連が用意があると。ところが、国連はその中身はまだ決めていないわけですよ。
一つ、タリバーンだとかこのウサマ・ビンラディンに対して経済制裁を含めた決議がずっと今まで行われていますよね。一二六七それから一三三三というような決議というのはずっと積み重ねてきていますよね。こういう決議が積み重ねられてきていて、経済制裁をしてもタリバーンの方は言うことを聞かない、ウサマ・ビンラディンの方も言うことを聞かないというときに、やはり次の決議で、じゃ、どうするのかということになるんじゃないんですか。それを横に置いて、いきなり個別的自衛権の発動ということになるんですか。今までずっと国連決議でもってやってきているわけですよ、積み重ねてきているわけです。ですから、あと、経済制裁の次は強制措置なら強制措置、身柄を確保するための強制措置、こういうことになるんじゃないんですか。
○田中国務大臣 先ほどの繰り返しになって恐縮でございますけれども、今回のテロのような綿密な計画性を持って組織的に行われた犯行につきましては、まさに国家の存立、そういうものをも危うくするものでございますから、政府としては自衛権の行使の文脈でとらえられるものと考えております。そして、あのようなことが二度と起こってはならないわけでございますから、先ほども申し上げましたけれども、国連憲章の五十一条によりまして加盟国の固有の権利として認められたものでありまして、先ほど来申し上げています一三六八、これは確認をしております。安保理で決議をしております。
いずれにしましても、米国等が自衛権を行使するために改めて安保理で決議をする必要はないというふうに考えます。
○横路委員 私が言っているのは、例えば決議一二六七の中でどういうことを安保理事会は決議しているかといいますと、タリバーンの支配下にあるテロリストについて適当かつ効果的な措置をとると。並びに、訴追されたテロリスト、これはアメリカがオサマ・ビンラーディンを訴追した、司法手続をとるための努力に協力しなさいと。そして、タリバーンはオサマ・ビンラーディンを司法手続をとることができるように身柄も引き渡せ、こういうような決議になっているわけですよ。それが実行されないうちに今度の事件になったわけですね。
だから、国連としてとるべきなのは、この安保理の次の措置、つまり強制措置なら強制措置をとるというのが安保理事会における流れじゃないんですか。
○田中国務大臣 五十一条の自衛権の行使でございますけれども、これにつきましては、許可の必要はございません。報告のみでよい。
○横路委員 いやいや、自衛権の行使じゃなくて、実はこのアフガンのタリバーンとウサマ・ビンラディンに対する問題というのは、国際社会の中でもうこの数年間問題になってきているんですよ。そして、日本政府も怠慢だったと思いますが、この中で、例えば一二六七の決議で財産、資産についての凍結みたいなものをすぐやりなさいと言ったのが、これはいつですか、一二六七ですから……(田中国務大臣「九九年です」と呼ぶ)そうですね。もう二年、三年前の話になるわけですよ。それを今まで放置してきて、今回の事件が起きて初めてとったということですね。
ですから、こういう積み重ねをずっと安保理事会はきちっとやってきているわけです。やってきたんですから、その延長上で問題を考えるべきじゃないんですか。だからもちろん、安保理事会の次の話としては、こういう決議、警告を発し、要求をしながら実行しなかったタリバーン、そしてその中にいるウサマ・ビンラディンに対して、では次はどうするかということになるわけですよ、国際社会で。次どうするかということを国連は何も決めていません。国連はこれからあらゆる必要な手続をとる用意があるということを決議で言っているだけで、この主体は国連ですよ。
ですから、本来は、国連の安保理事会の決議に基づいて、世界が協力をして行動するということになるんじゃないですか。そうすると、その集団的自衛権の問題やなんかとは別の話になるわけですよ。
○田中国務大臣 たびたび同じことの繰り返しでまことに恐縮でございますけれども、やはり我が国は、ウサマ・ビンラーディンや同人を庇護するタリバーン等に対する制裁を定めた安保理決議、先ほど来から委員がおっしゃっていますけれども、千二百六十七、それから一三三三というのもございますね、それを履行するための国内の手続を先月の二十二日に日本は完了いたしております。そして、具体的には、アフガニスタンに向けてのすべての支払いを許可制にかからしめる等のいろいろな制度も日本ではいろいろとやっております。
ですから、これでも十二分に、国連というところの決議は大変重うございますので、もう何度かやっておりますので、さらにここでやる必要はないということを申し上げます。
○横路委員 いや、国際社会というのは一定のルールのもとにあるんですね。今度は本当のひどい残虐な行為ですから私どもそのことをつい忘れがちになりますが、しかし、やはり国際法の原則、それは、それぞれの国は国の、国内の憲法に基づいてやらなければいけない。
この問題は、本当に数年前から国際社会の中で議論されてきたことです。しかし、関心はそんなに強くはなかった。一九九八年に例えばこのタリバーンやウサマ・ビンラディンの資産について凍結するような措置をとりなさいよということ、そしてそれをちゃんと報告しなさいよという国連の決議があったにもかかわらず、今日までやっていなかった。この事件が起きるまで、三年間放置してあったわけですね。やられていなかった。世界各国がそういう措置をちゃんとしていれば、まだ状況というのはやはり違ってきたわけですよ。
そういう国連の努力の延長上にやはり物事を考えないといけないというように思いますから、やはり安保理事会でそういう積み重ねというのは、あと残るのは何かというと、言うことを聞かないわけですから強制的な措置をとるということで、それを国連の、国際社会の合意にして、それに日本政府も憲法の中で協力できることは協力する、こういうことにするのが物事の筋道なんですよ。そうじゃなくて、米軍は個別的自衛権というのに固執をされている。それに対しての協力というのは、どうしたって集団的自衛権にしかならないわけですよ。私が言っているのはそういうことです。
○田中国務大臣 お答えいたします。
先ほど来、集団的自衛権との関連で我が国のことをおっしゃっておられますが、総理がきのうの審議でもきょうもずっとおっしゃっていますように、我が国がすることは、我が国の憲法の範囲内で行うということなんですね。憲法の範囲内ということは、武力行使をしないということでございます。武力行使をしないということは、すなわち集団的自衛権を行使しないんです。これは三段論法で明らかでございます。
○横路委員 そんなこと聞いているわけじゃないですよ。
国連でもってこういう決議を積み重ねてきたんだから、あととるべき措置は、今回の決議も踏まえて新しい決議をする、それは国際的な協力を、では強制力を使ってどうするか、そういう決議になるんじゃないですか。私はそれが必要だということを言っているんです。
○小泉内閣総理大臣 大分見解の相違があるようですが、今回は、国連の安全保障理事会は、国連憲章の原則と目的を再確認し、テロリスト活動によって引き起こされた国際の平和及び安全に対する脅威に対してあらゆる手段を用いて闘うことを決意し、憲章に従って個別的または集団的自衛の固有の権利を認識し、一、二、三、四、五、何項目かにわたって、一緒に共同してこれからのテロ防止に努めるということを採択しているわけですよ。
ところが、アメリカはこれはアメリカに加えられた攻撃だといって個別自衛権の発動だと言っているんですから、それに対してこれからどういう、この決議以外にどういう決議を採択するかというのは、これから国連の問題です。
しかし、既に国連によって、国際社会、平和と安全に対する脅威であるといって、あらゆる手段でテロと闘うという決議をしているんです。それで、アメリカは個別自衛権だ、もうNATO諸国を初めロシアもG8、サミットも協力してテロに立ち向かおうという中で、今度は日本が、そういう国際社会の環境の中でどういう態度をとるかということを主体的に考えなきゃならないのが今の日本の立場なんですよ。
その際に、アメリカも関係諸国も、どういう行動をとるかはこれからの問題です。事態の展開を見ながら、日本としてはできるだけのことをやる、憲法の範囲内で、武力行使をしないという範囲内で、できるだけの支援、協力をするというのであって、今横路議員が言われたような問題は、今後国連がどうする判断かということだと私は思います。
○横路委員 テロに対して国際的な協力が必要だ、そのために日本も大いに協力していかなければいけないという点については、みんなが一致した見解だと思いますよ。ただ、その協力の手段、方法はどうなのかということが問題なわけです。
それで、一三六八の安保理決議の本文の方にはこういうのがあります。三項目め「これらテロ攻撃の実行者、組織者及び支援者を法に照らして裁くために全ての国に対して共同して迅速に取り組むことを求めるとともに、これらの行為の実行者、組織者及び支援者を援助し、支持し又はかくまう者は、その責任が問われることを強調する。」そして五項目め「二〇〇一年九月十一日のテロ攻撃に対応するため、あらゆる形態のテロと闘うため、国連憲章のもとでの安保理事会の責任に従い、あらゆる必要な手順を採る用意があることを表明する。」と。
国連がこれをやりますよ、法に基づいてやるんだということを、法に基づいて正義を実現する、そのために国連は必要な手段をとります、そういう用意があるよというのが一三六八の決議ですよ。じゃ、それをどうするかというのは、この後の決議では、いろいろなテロリストに対する資産の問題や何かについて決議はされまして、それはまた各国が受けて実行しているわけですよ。ただ、強制力を行使するということについてはまだないんですね。しかも、この一三六八は、これだけの決議じゃなくて、その前の一二六七、そして一三三三、あるいは一三三九もありましたか、そういうような決議をずっと積み重ねてきているわけです。
だから、総理、日本政府が協力するなということを言っているわけじゃなくて、それは日本の持っている、これから議論したいと思いますが、中東外交についての日本の独特の力というのがあるわけですよ。それを活用してどうするかということなどがやはり大事なことになってきているわけでして、私はもう一度繰り返して御答弁をお願いしたいと思いますが、そういう国連の決議、よくこれを見て、国際法的にどうなのかということを見なきゃいけないわけですよ。ですから、こういう決議をずっと積み重ねてきた延長上で考えなければいけないんじゃないんですか。
そして、日本が自衛隊を出すということ、これは実力組織を出すわけですから、その根拠というのはどうなのかということになると、集団的自衛権はだめなわけですから、国際社会がどういう協力をするかということをやはりはっきりと明示するということがなければいけないんじゃないんですか。
これ、もう一度だけお答えください。
○小泉内閣総理大臣 自衛隊だけの活動じゃないということを御理解いただきたい。今、自衛隊、自衛隊と言いますけれども、自衛隊の活動は一部であります。日本は、外交努力もあります。経済面もあります。あるいはテロ資金凍結の問題もあります。そういうことは今までもやってきましたし、これからもやります。なおかつ、自衛隊も、新しい活動の場があれば自衛隊の役割も考えますよと。
国連のいろいろな決議もあるでしょう。それに沿って今までやってきたこともあるし、あるいは足らざるところもあった、未締結の問題もある、テロの防止条約で。そういう点、あるいは金融機関のテロ資金の不備な点もあると思います、テロ資金の凍結の問題において。そういう点はできるだけ早く不備を直すような措置をしなきゃならない。
外交努力、経済面の努力、あるいは人道的な支援、努力、いろいろな中にあって、自衛隊も一つの日本の国力の一部としてこれから活動してもらう、協力する態勢を整えるということでありまして、自衛隊にすべてを任せるなんということじゃないのですから。
やるべきことはほかにたくさんありますよ、日本は。ただ、世界の各国が、アメリカは軍事行動、武力行使を辞さない、イギリスもNATO諸国も武力行使を辞さないという決意を示している中で、日本は憲法の範囲内で、武力行使はしませんよ、武力行使はしないけれども、その他の活動で、あらゆる国力を通じてこのテロと闘っていきますということであるのであって、好きこのんで自衛隊だけに全部やらせろということじゃないんだということを御理解いただきたい。
○横路委員 では、日本の外交の姿というのが今日まで見えてきているかというと、正直言ってさっぱり見えてまいりません。
新法は、これはきょう閣議決定ですからこれから議論をしていくわけでございますけれども、やはり非常に危うさを感ずるのは、例えば国会承認の問題なんかはそうです。シビリアンコントロールの原則というのは国の基本でございまして、急のことだからとりあえず事後報告でということになりますと、また軍事優先になってしまうわけですよ。これは我々の歴史の教訓じゃないんですか。それを忘れて国会承認というのを外してしまう、こんなところにちょっとやはり非常に大きな危うさを感じます。総理、いかがですか。
○中谷国務大臣 今回の法案につきましては、九月の十一日に起こったテロ事案に対応してとり得る特別措置法でございまして、現に発生する事態への対応が念頭に置かれております。しかも、将来的に対応措置が必要がなくなれば廃止にされるということが前提になっておりまして、こういう点を見ますと、今後の自衛隊の派遣部隊等についても、国会の同意が得られるという点は、法律の成立をされると、お認めいただいたということにみなし得ると判断をいたしております。
なお、周辺事態法は国会承認が必要でございますが、いわゆる周辺事態というのは、我が国の周辺地域における日本に対する重大な影響が出る事態ということで、こういう事態だということがまだ明確でない点がたくさんありますので、それはその都度都度に国会承認を得て行うという点で違う面がございます。
○横路委員 あなた、新法が通ればそれが国会の承認だなんという議論というのは、暴論ですよ、それは。一つ一つの、軍事組織、実力組織を出すわけですからね、インド洋まで行くわけですから、それはやはり国会がちゃんと承認する仕組みにしなければいけないわけでして、これはもう本当にとんでもない話だというように思います。
もう一つ、今度の新法の中で、捜索救助活動というのが入っています。これは、米軍などが、戦闘行為によって遭難した者への捜索救助ということなんですが、一体どんな事態を想定して、どんな自衛隊部隊を送って協力するつもりなんですか。
○中谷国務大臣 自衛隊に対する歯どめの問題だと思いますが、まだ具体的に、こういう事態にこういう対応をするということは、検討の一歩もいたしておりません。そういう法律が制定した後に具体的に生じるものでございます。
また、もう一点、基本計画というものをつくります。この基本計画の中で、対応措置を自衛隊が外国の領域で実施する場合には、この自衛隊の部隊の規模、構成、装備、派遣期間などを定めるということにいたしておりまして、基本計画を作成する場合にこのような規模が検討されまして、国会に報告をされるということでございます。
○横路委員 米軍がいろいろな行動をする場合には、救助の態勢、つまり何か起きた場合の態勢というのはちゃんと組んでやるわけです。そうすると、それで日本が協力するということになりますと、役割分担とか事前の協議というのがどうしたって必要になってくるわけですよ。つまり、日米共同で行動するということになるわけですね。そういういわば今後の場合に、そういう米軍との間の、いわば共同でどうするかというような取り決めみたいなものはあるのですか、ないのですか。つくるのですか、つくらないのですか。
○中谷国務大臣 米軍とは、常時、各首脳レベルとか、防衛、外交首脳とか、密接に連携しながら、協議をしながらやっております。
本件に関しましては、いわゆるガイドライン法案は日米安保の協力法案でございますが、今回の件につきましては、テロ事案に対して国際社会の中でいかなる対応をするかという点でございまして、今後、どのような行動を行っていくかということにつきまして、計画をつくり、実施をしていくものだというふうに思っております。
○横路委員 非常に問題が多いわけで、十分な国会の論議が必要だというふうに思います。
あるアメリカの研究者が、今回のテロへの日本政府の対応について、ブッシュ政権が何を日本に求めているのかとか、あるいはどうやったら自衛隊は米軍を満足させることができるのだろうかという問題ではないということを指摘しています。全くそのとおりだというように思います。
そこで、日本のテロ対策への貢献ということになると、やはり一つは外交ですね。これは、中東あるいは中央アジア、南アジアといったところへの外交の活性化ということで、各国は本当にいろいろな努力をしてきています。日本の外交の姿はすっかり見えない。そして、すっかり見えないことに、今の外務省の中における体制がやはり問題じゃないかという気がいたします。
事件が起きて以来、外務省の中にはこのための対策本部をつくりました。そこで情報収集などを行い、日本政府として外交的にどういう措置をとっていくのかということを議論し、官邸の方と連絡をして情報交換して決めていく、こういう仕組みになっているわけであります。
しかし、毎日開かれていると聞いていますけれども、このオペレーションルームにおける幹部協議、大臣、必ずしも毎回出てその議論に参加しているということではないんじゃないんですか。私が外務省の方にどうなっているのかということを聞きましたら、部内の会議であるから大臣が出席したかどうかはお答えできないという回答を外務省の方からいただいております。そんな、毎朝やっている幹部協議に出ているか出ていないかぐらい、何の隠さなきゃいけない理由があるのでしょうか。
○田中国務大臣 外務省で行っているオペレーションセンターでのことでございますが、私のスケジュールをということでもって委員に差し上げてございます。
確かに、毎回全部出るわけにはいきませんで、そのときに来客が来られたり、それから国際的な電話が、特に今回のテロが発生しましてから、国際電話があったり、閣議があったりとか、きょうも、八時からでございますか、七時二十分に家を出て、早朝から用があったりします。
ただし、報告は、領事移住部長でありましたり、担当の課長でありましたり、事務次官とか、それぞれから綿密に、いつも細かくじかに、フェース・ツー・フェースもありますし、電話等で報告は確実に受けております。情報はしっかりと掌握いたしております。
○横路委員 今、外務大臣の一番大事な仕事といいますと、そういう情報をしっかり収集した上で、どういう政策をとるかということじゃないんでしょうか。例えば、イランとサウジアラビアに高村さんが行かれた、それからパキスタンへ副大臣ですか、行かれたというようなことは、これはやはり、外務省のそういう会議の中でもって議論をして、今、日本政府は何をしたらいいのかということで、イランの政府の意向も聞きながらこちらの考え方も伝えようとか、そういうことがやはり一番外交の基本じゃないんでしょうか。
パキスタンにも行かれなかったわけですし、その辺のところは、これは総理、官邸で決めているのですか、あるいは外務省である程度こういう、今、外交上ここが必要だからというようなことで、官邸と外務省の方との対策本部の打ち合わせ会議もあるようですけれども、そういうところで決めているのでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 後ほど外務大臣からも答弁いたしますが、これは外務省と綿密な連絡をとっております。
また、国会と相談しなければならない。国会が全部自由に行っていいよと言えばいろいろ行ける場合もありますけれども、国会の中では、大臣が出席しないとまずいという場合は、やはりそういう事情も配慮しなければならない。そういう事情を勘案しながら綿密に連携をとって、大臣が行けない場合は副大臣がいいのか、あるいは政務官がいいのか、あるいは別の方がいいのか、そういうことについては緊密な連絡の上で判断をしております。
○田中国務大臣 決して外国へ行くのを断っているわけでもサボっているわけでもございませんで、今総理がおっしゃいましたように、九月二十七日の臨時閣議というものの予定があって、閣僚はやはり確実に最初からいなければいけないということがございます。
そして、確かにパキスタンを含めまして、近隣の国を訪問するということを官邸や関係のところと一緒に相談をしたこともございます。ですけれども、検討はいたしましたけれども、そうした国会の日程等がございましたので、杉浦副大臣に行っていただきました。そして現在も、高村元外務大臣や橋本元総理もそれぞれのところに行って、情報を交換してくださっております。
私も、その間、UNHCRの代表でございますとか、在京のパキスタンやサウジアラビア、イランの大使、それから中国ですとか、きのうも韓国の大使ともお目にかかったりいたしましたけれども、あらゆる情報をとって緊密に連絡をとっておりますということを御報告申し上げます。
○横路委員 国会なんというのは早くから、大体二十七、八日ぐらいという話なんというのははっきりしていたのですから、幾らでもそんな時間は都合がつけられるわけでして、問題は、自分がやる気があるかないかという話だと私は思いますよ。
特にパキスタン。例えば、この事件が起きた後アメリカはすぐ第一にどこといろいろな話に入ったかといったら、パキスタンでしょう。それから、北部同盟の話がありますからロシアとも早く話しましたね、NATO諸国は別にして。これは、アフガンのことを知っていればそうなわけですよ。そことまず話をしなければ何も動かない。
アメリカは中東諸国で随分国交を持っていない国があります、イランもそうですし、イラクもそうです。そうすると、日本の場合は今まで、中東政策について必ずしもアメリカと一緒ではない、一線を画してきたわけです。そこがある意味でいうとイスラム国家から大変評価されているわけですね。まさに外交として出番だといいますが、まさに日本がやらなければならぬときに外務省は眠っていたのだと私は思いますよ。日本の外交の姿が見えない。外務大臣の姿も見えない、どこにおられたのか。
私は、そんな意味で、残りの時間、これからの外交について若干お話をさせていただきたいというように思います。
そんな意味で、日本としてアメリカとの関係も、やはりアメリカはアメリカの国益がある、日本は日本の国益がある、何といったって、石油はあそこに八六%も依存しているわけでありますから。しかも、今まで、あの地域で日本は手を汚していないわけですよ。欧米諸国はみんな、長い植民地支配の歴史を持っています。ですから、これからの中東外交というのは、まさにますます大切になってきているわけですね。これを基本的にどう考えていくのか。これからの中東外交について、総理、どうですか。
○小泉内閣総理大臣 中東は、日本のエネルギー供給を考えても大変重要な地域でございます。
また、今のお話にありますように、今回のテロとの対決は、たとえテロリストがイスラム教徒であろうとアラブ人であろうと、アラブとの対決でもないしイスラム教徒との対決でもないということは、もう再三再四、日本としても明言しているわけであります。
日本として外交努力をする場合、中東外交、当然重要な分野だと思っておりますし、現在でもそれぞれのパイプを通じて、今後とも中東和平についても努力をしていかなければならない、あるいは中東関係の友好関係を促進していくためにも努力をしていかなきゃならない。いわば、ある面においては日本が他の国ではなし得ない分野も中東外交の中にはあるのじゃないかということを考えながら、この中東面においての友好関係、親善というものも独自の努力をしていかなきゃならないなと思っております。
○横路委員 中東問題の一つの大きなかぎは、やはりパレスチナ問題だと思うのですね。これはもう今まで国際社会がいろいろな形で協力をしながら、一定の枠組みのもとに話がずっと進んだり引いたりしながらしてきているわけですが、去年の九月以降、またパレスチナとイスラエルの関係というのは非常に最悪の状態になっています。
やはりこれは一つは、パレスチナ国家をどのように認めるかということにもうそのポイントはあるわけでございますけれども、これについて日本政府としてどういうことをしていくのか。
今、このテロの問題が起きて、イスラム諸国もテロ防止のためのネットワークというのはつくっていこうという気持ちになってきているわけですね。だから、そういう意味でいうと、ここで日本がまさに、例えばテロ防止のネットワークのための会議を日本が呼びかけるとか、欧米ではできないことが日本にとってあると思うのですね。その中でやはり、パレスチナ国家をつくっていくんだというその目標に向かって関係者の合意を得る努力というのも、今までもたくさんの努力があって、それはなかなか実現していないわけですけれども、しかし、やはりあえてこの際日本としてはやるべきことの大きな一つではないかと思いますが、総理、いかがでしょうか。(田中国務大臣「委員長」と呼ぶ)
○野呂田委員長 総理大臣に聞いているんだからね。総理大臣に聞いていますから。(小泉内閣総理大臣「外務大臣に」と呼ぶ)では、外務大臣。
○田中国務大臣 簡単に事実関係だけ申し上げさせていただきます。
大変よい御指摘をいただきました。ありがとうございます。
日本の本当に中立的な立場、この中東問題ではこれは本当に私たちが十二分に活用し、自覚して、中東和平のために努力をしていけるところであるというふうに感じておりまして、具体的にも、過去、私も着任してから五カ月でございますけれども、ペレスさんの方からも、こちらからおかけして三、四回お話ししておりますし、去る二十八日も、パレスチナのシャースという、自治政府国際協力庁の長官というのでしょうか、外務大臣に匹敵すると思いますけれども、長時間お電話をさせていただきました。そして、その中でもって、本当に今ミッチェル・レポートを遵守してやっていきましょうということはG8のときも会談でトップに出ましたけれども――はい、短く話します。
とにかく、できるだけ粘り強く話をする、対話をする、そしてお互いが武器を持たないで話し合いをしてほしいということを申しましたし、いつでも東京をその場所に提供するということも、私はシャースさんに二十八日に申し上げたところでございます。
○横路委員 それからもう一つ、アフガンという国民というのは、本当にある意味でいうと、国際情勢の中で翻弄されてきたと言ってもいいのですね。本当に気の毒な立場だと思います。国際社会も、冷戦のときはばあっといろいろなバックアップして、ソ連が撤退し冷戦がなくなると、もう後、ちょっとそこのところはほうってしまって、内戦が起きてタリバーンが政権をとったということなんですね。
日本は、こういういろいろな紛争のときに、随分お金は出しています。その紛争の国、その紛争周辺の国にお金だけは随分出しているのですね。しかし、もっと何か身を入れて、その紛争の後をどうするかということについて、日本政府の努力というのは必ずしも今まで十分ではなかったと思います。
最近、日本の中でも、JICAもそうですが、平和構築のためにどうしたらいいのか、紛争の後のことを考えてどうするかということですね。今、日本政府は、米軍の行動これからというときにこういう議論はいかがかという意見もあるかもしれませんが、そうではなくて、やはりアフガンに何ができるのかということを考えるのも、日本の国際貢献の非常に大きな要素じゃないか。
結局、アフガンに平和が来て、責任あるいわば国民和解政府みたいなものをどうやってつくっていくのか、それに対してどういう支援をしていくのかということですね。これはやはり政府も、今軍事の方に目がみんな行っていますけれども、そうじゃなくて、先ほど申し上げた中東外交とか、それからこの後のアフガンの国をどうしていくのかというようなこと、これをしっかり今考えてもおかしくない。むしろ、それをちゃんと日本政府としてもやるべきだ。そこの責任を担っていくというのも、日本のいわばテロ対策。
アフガンというのは、麻薬なども栽培して、それをタリバン政権は資金源にしているとか、それから、テロリストの訓練所になっているというような現状ですから、やはりこれを変えて、本当に平和な国民和解のアフガンというものをつくるために、日本としてもそういうこともひとつ頭の中に入れてやっていただきたいと思いますが、いかがですか。総理にお伺いします。
○小泉内閣総理大臣 今のお話の点については、同感であります。
○横路委員 最後に、テロ対策についてちょっとお聞きしたいと思いますが、資金の流れを断つことですね。これはもう措置をとられましたし、世界各国も対応しているところです。
あるいは、テロリストについての情報交換というものを徹底してやっていくということで、APECの会議があります。多分、テロ対策というのはAPECの会議の大きなテーマになると思いますけれども、アジアの中にもイスラム国家もありますし、中にはイスラムの過激派グループを抱えている国もあるわけでありまして、それぞれ問題を国内に抱えている国が多いわけですから、APECの中でも、どういう体制をつくっていくのかということをしっかり議論していただきたい、このように思います。
それから、一つは、こういう犯罪が起きたときにどうするかということで、国際刑事裁判所ということで、日本も参加して議論してきています。なかなか実現できない大きな理由は、アメリカがちょっと反対しているんですね。
アメリカが、海外で駐留するアメリカ兵が何か事件を起こしたときに、その国から国際刑事裁判所に直接訴追されるんじゃないか、提訴されるんじゃないかということを何か心配されているようで、これは誤解もあるようなんですけれども、いずれにしても、アメリカも説得して、こういうテロに対する国際的な機能というものをしっかり持つということもテロ対策として大事なことだというように思いますが、総理、いかがでしょうか。
○田中国務大臣 今おっしゃっている国際司法裁判所の問題にいたしましても、それからアフガニスタンの紛争後の再興に向けての努力につきましても、本当によい御指摘をいただいたというふうに思っております。
これまで、国連その他の国際機関におけるテロ防止に関する条約の作成やその締結の促進を通じまして、日本も国際テロ根絶のための抜本的な対策に取り組んでおりますが、なお一層励むことをお約束申し上げます。
○横路委員 国際刑事裁判所はどうですか。
私は、国際的なこういうテロや何かが広がってきていますし、あるいは人道に対するいろいろな罪で告発されているケースも随分たくさん出てきていますから、どうしてもやはり、国際的なこういう機能というのは必要だと思うんですね。
これに対して、アメリカがともかく今のところはこれは批准しないと言っているんですが、そこをやはり説得して、日本も早く国内的な整備を行って、実現するように努力すべきだと思いますけれども。
○田中国務大臣 まさしく横路委員おっしゃるとおりでして、国内の法整備、法令との整合性も求めながら、できるだけ早くにそうしたものが成立するように努力したいというふうに思います。
○横路委員 通告しておいてなかなか時間がなくて申しわけないんですが、狂牛病の問題で、最後に一点ちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、食べ物というのはやはり、消費者にとりまして安全であって、国民が安心して食べることができるというのが何よりも一番大きな前提だと思うんですね。しかし、最近、O157とか雪印の問題とか、今回の狂牛病でありますとか、ダイオキシンとか、遺伝子組み換えとか、いろいろな問題が次から次へと起きてきています。
そこで、雪印のときも議論したんですけれども、そのいわば一つの基本法になっている食品衛生法、これがどうも、戦後間もなくできた法律で、しかもかなり権力行政で、業者に対する取り締まりということ、業者に対するコントロールをどうするかということを軸とした法律の体系になっていまして、消費者という言葉はどこにもこれは出てこないんですね。
ですから、まず、例えば食品衛生法の目的ですね、食品の安全とか、それから消費者の権利とか、それから情報の公開でありますとかいうような問題について、これをやはり抜本的に見直す必要があるんじゃないだろうか。何回かの改正をしてきていますけれども、肝心のところがどうもやはりまだ弱いというように思っています。
今回の問題でも、農林省、厚生労働省、それぞれ対応したわけですけれども、どうもやはり事業者の方に初めのうちは目が向けられていて、思い切った安全措置ができないで来たということを見ましても、この基本になっております食品衛生法、これそのものをやはりしっかりとしていくということが大事じゃないかと思いますけれども、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
○坂口力国務大臣(厚生労働大臣) 今御指摘をいただきましたように、この食品衛生法第一条におきまして、「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的とする。」こういうふうになっているわけでございますが、ここのところがもう少し不明確ではないかという御指摘も実はあるわけでございます。しかし、ここのところで、「衛生上の危害の発生を防止し、」というふうにここは書いてありますので、これを厳密に実行すればそれは起こらないはずでございますから、もう少し今御指摘の趣旨は十分に踏まえながら、私たちは、こういうことが次々と起こらないように、できるだけ予防的措置を講じていかなければならないというふうに思っております。
○横路委員 情報の公開も大事ですし、食品に対する関心が強いものですから、私ども今民主党内で、食品Gメン法、農林物資の表示に対して調査権限を持つものを創設して対応していこうとか、遺伝子組み換え食品の認証と表示の透明性に関する法律案でございますとか、有機農産物などの促進法案でありますとか、食品の安全に関して、もっとさまざまな法体系を整備していく。
戦後にできた法律では、国際化が促進して、もうあちこちから物が入ってくる時代に、やはりなかなか対応し切れないというように思いますので、そこをしっかりやっていただきたいというように思います。
最後に、農林水産大臣。
今回の農林省の対応について、農水大臣もいろいろと問題が多かったということを言われています。これについてどのように、出すべき方針は一通り出てきた、肉骨粉の追跡など十分できていない面はまだこれからの課題ですが、こうした中で、一体農林省の責任というのをどうお考えになるのか。
それからまた、家畜衛生と食肉検査行政というのを各国見ますと、ヨーロッパ、アメリカもみんな一緒になっていますよね。日本だけが分かれている。こういった行政の組織対応、この二つについてお答えいただいて、私の質問を終わります。
○武部勤国務大臣(農林大臣) 今回一番大きい問題は、焼却処分したと言いながらそうなっていなかった、ではなぜ焼却処分されていないのかというところが一番問題なんです。
本来、焼却処分されていなければならない。これは、家畜が屠畜場に入りますと、と畜検査員が生体検査、それから解体前検査、解体検査とやっていくわけなんです。今回の場合には、BSEを疑わず、敗血症という診断で全部廃棄、こうなっているわけですね。それで、既に加工場に回っていたということが一番大きな問題であります。なぜそういうことになったかというのは検査体制の問題です。厚生労働省、農林水産省ともに、これは真摯に受けとめなければなりません。
そこで、検査体制の万全を期すということがこれから一番大きな問題でありまして、今委員御指摘のように、食の安全ということについて、厚生労働省、農林水産省の連携が欠けていたんじゃないかという御指摘でありますが、まさにそのとおりでありまして、私ども検査体制の万全を期して、まずは消費者に、国民の皆様方、人の健康に影響を与えないということで、これは全部廃棄ということになっていましたので少しほっとしましたけれども、今後そういうことにならないためには、屠畜場に入ってくる、それはどの牛も全部検査する、そういうようなことが一番必要だ、こう思いまして、屠畜場からは、食用にもえさ用にも、危ないものは絶対出さないということと、家畜を飼っている間に中枢神経症状等のあるもの、こういう日常のサーベイランスが非常に大事だ、このことをしっかりやろうということで、そこまでは来ました。
しかし、風評被害が非常に広がっておりますので、このことに対して、我々は、輸入も国産も全部一時停止、このことについては法的規制もする。その上に立って、まだ解明されていないルートの解明については、輸入の肉骨粉に原因があるだろう、こう言われておるわけでありますから、その辺のことについても、英国に職員を派遣させたり、それからデンマークやイタリアについてもいろいろ指摘されておりますので、そういったことを今徹底調査させておる次第であります。
牛肉、牛乳・乳製品、これは一〇〇%安全ですし、給食にありましても、ちょっと不思議に思ったといいますかほっとしたのは、牛乳をやめている学校は一つもありません。牛肉は一万校以上自粛しています。しかし、牛乳をやめておる学校は一つもないということですね、私はこれはちょっとほっとしているんですが。
いずれにしましても、国民の皆さん方に食の安全ということについて信頼回復をしていかなくちゃいけない。厚生労働省と一体となって真剣にやってまいりますので、今後ともの御鞭撻をお願いしたいと思います。
○横路委員 終わります。
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