○横路委員 私は、初めに石井紘基代議士に対する事件について質問したいと思います。
石井代議士は、さきの通常国会でも、この内閣委員会でも、道路公団の問題について大変熱心に質問されていました。彼は、国民の納めた税金がいかに正しく使われているかということをテーマにして、防衛庁の見積もりの水増し問題であるとか、特殊法人、あるいは農業基盤整備事業とか鈴木宗男代議士への政治献金問題とか、幅広く努力されてきたんですが、本人も本当に無念だろうと思って、我々も全く言葉もありません。御冥福を心からお祈りしたいと思います。
今回の事件で、先ほど山内代議士からも話がありましたが、幾つかちょっとお伺いしたいことがあるので、申し上げたいと思います。
二十五日の午前十時半ぐらいですよね、事件が起きたのが。すぐ捜査本部をつくられたと思うんですけれども、どんな体制で、どこに、いつつくられたのかということを、担当の方でも結構でございますので、お答えいただきたいと思います。
○奥村政府参考人 お答えいたします。
事件は、十月二十五日の午前十時三十五分ぐらいに発生をしております。特別捜査本部、これを十月二十五日の午後、十三時〇〇分、八十名の体制で北沢署につくっております。
○横路委員 それは、八十名はどういうところから参加したんでしょうか。私の承知しているところでは、普通、殺人事件ですから捜査一課ですよね。しかし、捜査一課のほかに、公安三課からも最初からこの特別捜査本部に参加しているというように承知していますけれども、そうですか。内容はどういう参加になっていますか。
○奥村政府参考人 これは、殺人事件ということで捜査一課が主体でございますが、あるいは右翼の関係があるかもしれないということで、公安三課からも捜査本部に入っておるところでございます。
○横路委員 普通の殺人事件の捜査本部体制というと、まあやはり捜査一課が中心ですから、公
安三課が最初から入るというのは異例のことだというように思います。
つまり、事件が起きて、起きた瞬間に、ああ、あいつだなというぐあいに公安三課の中でわかったんじゃないんですか。公安三課が参加したのは、どういう経過があって最初からこの特別捜査本部に公安三課から参加したのか。
○奥村政府参考人 これは、右翼が犯人だというような情報だとかいうものがあったわけではございません。過去、国会議員の方々が、こういうテロといいますか、殺人あるいはその他の犯罪の被害に遭われるという場合に、右翼の場合もあるわけでありますので、そういう可能性もあるのではないかということで入ったわけでございます。
○横路委員 そこはちょっと納得のできないところなんですね。
この人は、逮捕歴も結構、七、八回ある男で、しかもほとんど暴行傷害ですよね。それから、刃物を持って入ったということで、銃刀法でも有罪判決を受けたこともあるんじゃないんでしょうか。右翼団体にも所属をしていたことがあるということで、多分、事件が起きた直後に、バンダナを巻いた四十から五十ぐらいの男という目撃情報というのは三十分後か一時間後ぐらいには警察に入っていたと思うんですね。その瞬間に彼だというように公安三課の中で考えた人間がいたんだろうというように私は思うんですね。
一般的に、国会議員だから右翼という構造ではなくて、この目撃証言とつながって、そういう判断を公安三課でやられたんじゃないんですか。
○奥村政府参考人 ただいまも申し上げましたとおり、初めから右翼だということで公安三課員が入ったわけではございませんし、また、そういう判断をしておったわけではございません。
○横路委員 こういう経歴のある男で、しかも右翼団体とも関連があるということになると、警察の方は、一応、こういう人の担当者というか、時々声をかけて、どうしているのかということを確認するような仕事というのはしているわけです。
例えば、総理大臣がある町に視察に来るというと、やはり、いろいろと問題のある人について、警察は、今どうしているかなというようなことを確認して、例えば、いないというと、慌てて少しどこにいるのかと捜したりなんかするというような、そういう警備の態勢をとっているんですね、普通。私も北海道で行政の仕事をしていましたから、天皇陛下が来られるとか総理大臣が来られるとかいうときには、いろいろなそういう態勢、警備としてしっかりやっているわけです。
ですから、この男についても、そういう態勢をとっておったんでしょう。それは、しょっちゅう会うとかなんとかということじゃなくて、どうしているのかなということを時々確認するような行動というのは公安三課でやっていたんじゃないんですか。
○奥村政府参考人 この被疑者は、守皇塾といういわゆる一人一党の政治団体を主宰しておりまして、昭和六十三年ごろまで右翼的な活動を行っておりまして、その過程で事件も起こしておるわけでありますけれども、その後十数年間、目立った右翼的な活動は私どもで把握していないところであります。
警視庁におきましては、この被疑者につきまして、右翼であるということで所要の対応はしておりましたけれども、今申し上げましたような活動が、目立った活動がここしばらくずっとないということで、それなりの対応をしておったということでございます。
○横路委員 警視庁に自首してきたときに、公安三課に連絡をとってほしいということを本人が申し出たという新聞の報道がありますが、事実ですか。
○奥村政府参考人 本人、出頭してまいりまして、公安三課の人間と話をしたいと言ったというふうに聞いております。
○横路委員 それは、やはりつき合いがあったからでしょう、だれか、公安三課の人間が、この男と。
この男が、一人一組織ばかりじゃなくて、もっと大きい組織とのかかわり合いも、何かそこで運転手をしていたとかなんとかということでかかわりのある別の組織もあるようでして、ですから、普通の人間が、そんな、公安三課になんていうのは、だれもわかりませんよ、公安三課が何かなんというのは。それは、前からそういうコンタクトがあって、犯人と言われているこの伊藤の方も、したがって公安三課にと言っていったわけでしょう。ですから、だれか公安三課で、この一、二カ月、この犯人と接触した人間がいるんじゃないんですか。それは調べられましたか。
○奥村政府参考人 本人が公安三課ということで出てきたわけでございますけれども、これは本人が、先ほど申し上げましたように、昭和六十三年ぐらいまでいろいろ活動しておりましたので、その時点までは公安三課の人間とコンタクトがあったというふうに思っております。今回参りましたのも、そういうときのことがあって来たのではないかというふうに思っております。
ここ一、二カ月の間に公安三課員が彼と接触しておったかどうかということにつきましては、これは私どもの情報収集の中身の話でございますので、差し控えさせていただきたいと思います。
○横路委員 いや、それは差し控えさせてもらいたいと言われてもですね。
実は、新聞の報道に、この犯人が、もとそういう意味でコンタクトがあった公安関係の警察官に対して電話して、おれはこういうことをやるよという話をした、それで、会って、そんなことやるなと説得した、そうしたら落ちついていたので、それで安心して戻ったというような趣旨の報道があるんですね。
それは、だれか会った人がいるんでしょう。それは答えられないなどというと、いや、本当はそうならば、私は石井さんの事務所の方に確認したけれども、こういう動きがあるから注意しなさいよと一言言われていれば、それは対応が違ったと思いますよ。
私は、そんな意味で、経緯、経過の中で、特別捜査本部にすぐ公安三課から十名も入っているということ、それから、それまでのいろいろな経過、出頭するとき公安三課と言ったことなどを考えますと、その辺のところはお答えできないということではなくて、ちょっとよく調べて、こういうことを二度と起こさないために、そういう情報があったらその情報の処理をどうするかということは、警察として非常に大事なことだと思うんです。
そこを、特別捜査本部ができて公安三課が入った経緯、経過、それからこの男についての従来の公安サイドの視認といいますか、そういう対象者として、どんな活動をやっておられたのか、この一、二カ月、だれか会って話を聞いた男がいるのかいないのかというようなことを、ちょっと大臣の方の責任で調べていただきたい。そういうことでないと、我々、こんな新聞報道を見て、警察はどうも知っていた人間がいるらしい、いるのなら、ちょっと注意してくれればこんなこと起きなかったんじゃないかとだれでも思いますので、ちょっとそこのところを大臣に。
○谷垣国務大臣 午前中も申し上げましたが、やはり、私どもの同僚であられて、我々自身も言論で仕事をしているものでありますから、こういう形で事件が起こる、警察としても徹底的に背景は調べて、今後二度とこういうことが起こらないように取り組まなければいけないと思っておりますので、今後、捜査の過程でしっかりその辺はやるように、私からも督励をいたしたいと思います。
○横路委員 では、その調べをちょっと待ちたいというように思います。警察の方、もう結構でございます。
では、竹中大臣にお尋ねしますが、いよいよきょう、最終的に総合的なデフレ対策を含めて決めるということでございます。大臣もいらいらしているようですが、我々国会の方もいらいらしているのは、何をどうしようとしているのか、特に金融システムの安定化ということで、例えば資産査定の厳格化とか自己資本の充実とか、項目は挙がっていますけれども、どうもその内容について余りお話しされないで、今はただひたすら皆さんの意見を聞いているところだけですといって答弁されているところに、実はみんなのいらいらの原因があるわけですね。
例のアクションプログラムということで、大臣の名前の文書についても、いや、これは知りませんとかいうような話になっていますので、この文書そのものについてはお伺いしませんけれども、いずれにしても、今の銀行の状況、金融システムを考えますと、やはりこれをしっかり健全化、安定化するということが非常に大事だと思うんです。
大臣の認識をお伺いしたいんですけれども、今までのところ、金融庁は、いや、各銀行の自己資本比率は十分ですよ、今公的資金を入れる必要はありませんよ、こういうお話を柳澤さんのときはずっとされてきたわけですね。それで通されてきた。しかし、竹中さんは、いや、やはり巨額の不良債権というのは潜り込んでいるのではないかという心配、あるいは自己資本の質もどうも余りよくないんじゃないかという思い、そういうことがベースとしてあるんだと思うんですね。
きのう、日銀の総裁も、衆議院の財務金融委員会で、大手銀行の中核資本の中で繰り延べ税資産と公的資金の比率が高い、それはやはり内容が正常ではないというようなお話をされておったわけでございますけれども、竹中さんの認識もやはり同じような、つまり、資産査定の厳格化と自己資本の充実ということを特に挙げておられるわけでしょう。
つまり、それは、やはり今までの資産査定が余り厳格じゃなかったな、いろいろ問題があるな、自己資本も一応は八%を超えていることになっているけれども、やはりその質については問題が多いなということがベースにあって、今回の金融システムの安定化というかなり思い切った対応、対策をされようというように御決意をされたんではないかと思うんですが、その点はいかがでございますか。
○竹中国務大臣 これまでも、前金融担当大臣それと金融庁は、不良債権問題の克服に向けてさまざまな努力を行ってきたわけでございます。その意味では、特に過去の一年ないし一年半、世界的な経済が収縮する中で、いわゆる危機を起こさせないというような形での行政、そのための努力は、私はやはりそれなりに評価されるべきだというふうに思っております。
しかしながら、今、構造改革をさらに進めていく上で、より強固な金融システムをつくっていかなければいけないというふうな段階に差しかかっていると思います。
その点で見ますと、不良債権処理、これは銀行もルールの中で当然一生懸命やってきたはずではありますけれども、資産の査定等々について、どうも銀行当局の認識とマーケットから寄せられる声とはギャップがあるのではないだろうか、この点はやはり素直に着目をしなければいけないのだと思っております。
自己資本の質についても、日銀総裁の言葉を引用されましたけれども、これはさまざまな議論がある。しかし、そもそも税制等々も違うというような中で、この問題をどのように落としどころを見つけていったらよいのか。
いずれにしても、より強固な金融システムをつくる、もって十六年度には不良債権問題を終結させろというのが総理からの指示でございますので、今申し上げましたような認識に基づいてシステムを、これは、こことここを変えればうまくいくというようなものではなくて、やはりトータルなシステムを、お互いがかかわり合いを持っておりますから、議論しなければいけないと思っております。そういうことを今最終的に詰めている段階であるということでございます。
○横路委員 大臣自身のお考えをお伺いしたいわけです。例えば自己資本の質が悪いというような意見についてはどうですか。そのように思いますか。いや、大丈夫だ、問題はないということですか。
○竹中国務大臣 金融担当大臣に就任してからいろいろな御指摘もいただきましたけれども、金融の規制監督当局というのは、やはり、自分自身の考えを申し上げて、それで後から制度を決めるというようなものであってはいけないというふうに思っております。さまざまな意見を聞きながら、こういう形でやるという当局としての行動を決めてから、どうしてそのような考え方を持つに至ったかということをお話しする。イングランド銀行の言葉で、行動すれども弁明せずという言葉があるというふうに教えてくれた先輩がおりますけれども、そういうような形で、今、とにかく、急いで新しい規制監督の方針を発表して、その上で粛々と行政を進めたいというふうに思っているところでございます。
○横路委員 例えば、具体的に、査定の厳格化ということのためにいろいろな議論があるわけです。例えば、銀行の自己査定と金融庁の検査との間にギャップがある、その格差はやはり公表して、銀行の経営者にもうちょっとちゃんと責任を自覚させた方がいいという問題もありますし、引き当てに関するディスカウント・キャッシュフロー方式、これは大臣も何か、きのうですか、前向きにお答えされたというように聞いていますが、そういう問題とか、あるいは、銀行間の債務者区分の統一、例えば、ある銀行は破綻懸念先にして引き当て率は七割なら七割、ところが、同じ企業に対して別の銀行は要管理先にして引き当てが二〇とか、ばらばらになっているのを統一して対応していこうとかですね。例えば、資産査定の厳格化ということのためだけでもこういう議論があるわけですが、これは具体的に一つ一つについてどうお考えですか。
○竹中国務大臣 資産査定をきっちりとやるという場合に、銀行の自己査定と金融庁の査定が違う場合には、これはやはり、もちろん話し合いをしながらではありますけれども、そのギャップは埋めてもらわなければいけない、資産査定の厳格化というのはやはりそういうところから出発するのだというふうに思います。
さらには、その査定をするに当たって、これは専門家が以前から、日本では十分には採用されていないけれども、やはり考えてみる必要がある方法があるのではないかという議論がなされていることは十分に承知をしております。DCFはそのうちの一つなんだろうと思います。
また、区分を統一するのが、これまた不良資産に対する資産査定を、これは銀行のというよりは、銀行システム全体として信頼性のあるものにするためにやる一つの方法ではないか。今申し上げたようなことは、これは以前から専門家の御指摘としては十分にあったというふうに承知をしております。
繰り返して言いますが、まだ今最終の調整の段階でありますので、私はこうするつもりだということはちょっと今、この時点で申し上げることを差し控えさせていただきたいのでありますが、そういったこれまでの専門家の意見を十分に俎上にのせて、その上でトータルとしてどのようにやっていくべきかということを議論しているつもりでございます。
○横路委員 今私が挙げた三つの点は、議論の対象にはなっているんですか。ともかく、今お答えできないということでずっと通されていますからね。それでみんなが、いや、そうじゃなくて、これについてと、個々の問題について中身に入って議論がなかなかできない状況にあるわけですよ。
そうじゃなくて、例えば今の自己査定と金融庁検査の格差の問題だって、それは話し合いは今までしてきたでしょう。話し合いはして、そこでの調整をやっちゃった。後でお話ししますが、長銀についての判決文を見ると、そういうことで、検査の方がむしろ誘導して自己査定の方に迎合したような話が出ていますけれども、そうじゃなくて、この問題は、調整するんじゃなくて、銀行の経営者に自覚を促すというには、こういう違いがありますよというのを公表しなきゃだめです。それはどうなんですか。
○竹中国務大臣 先ほども申し上げましたように、自己査定と金融庁査定のギャップをどのように埋めるかということは、これは資産査定を厳格化する上で大変重要な出発点であろうと思っております。
そのために、例えばそれを公表する方がよいのか、公表するとしたってどういう形でやればよいのか、これはやはり金融行政のまさに一つの具体的なイシューになるということだと思いますので、我々としては、そのギャップを埋めるためにどのような方法があるか、これは、先ほど言いました新しい方法を採用するということも含めて、そのギャップをどのように埋めるかということを今トータルで議論しているところでございます。
いずれにしましても、今委員御指摘のようなことも含めて包括的に議論をして、最終的に調整をしているところでございます。
○横路委員 金融システムの安定化というのは、別に銀行や銀行の頭取を守るための話じゃなくて、預金している人間やお金を借りて実際に活動している中小企業をどうやって守っていくのかという話なんですから、そこをひとつ軸に置いて御議論をいただければと思います。
一つ、長銀の事件、九月十日に判決がありました。これは有罪判決なわけですが、この中で非常に大きかった点は何かというと、やはり債権についての評価ですね。やはり問題の債権償却、引き当てというのは一期で一括して行うべきであって、複数の期にまたがった分割償却、引き当てはできないという点の指摘が一つございます。
つまり、これは債権の評価、第三類、第四類に本来当たるべきものを第二類にして、引き当て率は違いますから、そこで銀行の方の体力の範囲の中でやればいいんじゃないかということで、何かそのとき、大蔵の方の当時の検査官もアドバイスをして第二分類の方に引き上げたということで、本来五千八百四十六億円の回収不能債権があったにもかかわらず、二千七百十六億円しか引き当てをしなくて、三千百三十億円を回収可能債権にしていたという認定がベースになった有罪判決になっているわけです。特にその分類のところでいうと、銀行からいうと、それは経営を支援する支援先なんだから分類を格上げするのは当然なんだ、こういう意見に対して、それはやはり合理性がないですよという判決になっています。
これはもちろん、控訴されていますから、この判決が確定するかどうかわかりませんけれども、しかし、これから金融行政を進めていく上で、ここの償却、引き当てはやはり一括してしっかり行うべきであるというのは、これは原則なんだと思うんですね。
この判決についてどのように受けとめておられるのか。これはこれからのいろいろな検査のあり方にも影響を与える判決ではないかというように思いますけれども、大臣のお考えはいかがですか。
○竹中国務大臣 個別の、今の訴訟の問題につきましては、委員御自身、御指摘してくださいましたように、今控訴をされているということでもありますので、その判決へのコメントというのは差し控えさせていただきたいと思いますが、基本的な考え方としては、こういった意味での経営者の責任はやはり当然重いと思いますし、まずもって今我々がやろうとしているのは、銀行を守るためのものという位置づけだけしていなくて、預金者、投資家、そして貸付企業がしっかりとこの金融システムの恩恵を受けるようなものでなければいけないということなのだと強く思っております。
とりわけ、具体的に御指摘がありました、いわば委員の御指摘は、銀行の体力を見ながらの分割償却のようなことが行われているのではないだろうか。これはやはり断じてやってはならないことだと思います。これは、リアルタイムでその資産を正しく評価するというのがまさに資産査定の大原則でありまして、そこを揺るがせてはならないと思います。
今後の可能性云々ということで支援するというような判断そのものが、実はこの資産査定の中に入っていなければいけないわけで、そのために将来の収益をどう見るかというような手法も取り入れたらどうだという議論が専門家からはなされてきたのだと思っております。
繰り返しになりますが、リアルタイムで資産査定をきっちりと行っていく、それがこの不良債権問題解決に向けた極めて重要な第一歩であるというふうに思っております。
○横路委員 そうしますと、やはり要注意債権が問題になるわけですね。この中には、やはり限りなく不良債権に近い要管理債権も入っているわけでして、ここで引き当てが全然違ってくるということになってしまっているわけです。
日本の金融機関の今の問題は何かというと、やはり過少資本の問題だと思うんですね。ちゃんと引き当てをするだけのパワーがないといいますか、資本が過少になってしまう。本来は、過少になれば、公的資金を入れるなりなんなりして対応しなければいけないわけですけれども、したがって、どうしても資産査定が甘くなってしまって引き当てが十分に行われないということになり、あるいはそれが貸しはがしにもつながっていくということで、今の金融問題の基本というのは、やはりこの過少資本問題をしっかり解決するということがまず基本のベースじゃないですか。
○竹中国務大臣 もしも、御指摘のように本当に資本が過少であれば、それに合わせて資産を圧縮せざるを得ないような状況も生じ得ましょうから、健全な金融機関が十分な自己資本を持って運営しているというのは、これは一般論としては大変重要な状況であろうかと思っております。
私が金融担当大臣に就任してから申し上げてきたことは、資産査定と自己資本とガバナンスの話というのはまさしく三位一体になっているということなのだと思います。自己資本が少ないと収益率が低下して不良債権を十分に処理できないような構造ができている可能性は、可能性としては、またリスクとしては出てくるわけで、逆に、不良資産の査定が不十分であるから十分な収益力が上げられなくて自己資本が過少になってきたという可能性もあるわけでありますから、ここはやはり三位一体で同時解決をしていかなければいけない。
しかも、優良なところにもしお金が回っていないというのであれば、それはやはりガバナンスがおかしいということにもなるわけでありますから、そこは委員の御趣旨もそういうことであろうかと思いますが、お互いが、資産査定、ガバナンス、自己資本、それぞれやはりきっちりとトータルで見ていくことが重要なのであって、これだけ一つ解決すればあとは自動的についてくるというものでは決してないと思っております。
○横路委員 その厳格な査定の中に、特にこの要注意債権、その中の要管理債権、これの引き当
て率を少し上げるというようなこともお考えですか。
○竹中国務大臣 これは具体的に議論を幅広く行いたいと思っておりますけれども、私は、個々の資産の査定を現実に合わせてしっかりとやっていくというオーソドックスなやり方がやはりベースにあるべきであるというふうに思っております。
○横路委員 十月十八日の日に、UFJホールディングスとあさひ銀行に対する行政処分ということで業務改善命令を出しましたよね。これはどういうことで出されたんですか。
○竹中国務大臣 御指摘のように、十月十八日に、UFJホールディングスとあさひ銀行に対して業務改善命令を発出しております。
御承知のように、これは業務改善計画に基づきまして中小企業に対する融資を確保しなければいけないわけでありますが、この二行について、その貸し出しの取り組み状況を報告徴求しまして精査しましたところ、UFJについては、中小企業向けに限定した貸し出し目標の設定を行っていなかったということ、あさひについては、十三年度下期において中小企業向け貸し出し目標の設定を行っていなかった、こうした目標達成に向けた実効性ある施策が十分に講じられたとは認めがたいというふうに判断した。つまり、みずから的確に履行しようとしていないと認められたというふうに判断したわけでございます。
金融庁としては、業務改善計画の提出とその着実な実施を命じたところでございます。
○横路委員 この健全化計画の中にそういう目標というのは入っていないんですか、中小企業に対してどうするかという。さんざん今まで国会でも議論されてきた。目標は明確に決まっているんじゃないの。
○竹中国務大臣 いや、これは、中小企業に対する貸出計画の目標を決めさせているわけであります。
○横路委員 それで、七月の金融庁でつくった経営健全化計画フォローアップを見ますと、UFJは、国内の貸し出しでも三兆五千三百九十八億減っていますよね。それから、中小企業に対しては二兆五千二百四十七億減っているわけですね。プラス五百億の健全化計画目標に対して減っている。これはもう貸しはがしを行っているということだと思うんですね、この数字を見ていますと、中小企業に対して、こんな、二兆五千二百四十七億も貸し出しが減っているわけですから、つまり、もう銀行としての機能を喪失していると言っていいんじゃないの。
○竹中国務大臣 目標がこれだけ大幅に達成できなかったというのは大変大きな問題であるというふうに認識をしております。
当然、その理由等々の徴求をしているわけでございますけれども、一つには、中小企業向けの貸し出しが、需要がうまく存在しなかったということ、それと、大企業グループの中の中小企業で、ポートフォリオの組みかえといいますか、債権債務関係の組みかえが行われた、そういう事情で十分でなかったという報告を受けております。
しかし、それにしましても、目標を十分に設定していなかった等々、やはり非常に大きな問題があると考えまして業務改善命令を出したという次第でございます。
○横路委員 そうはいっても、ふやしているところだってあるわけですね、実績。需要がない、需要がないというのは、それは銀行がいつも言いわけのように言うことなんですが。確かにデフレ経済で、経済もこういう状況ですから、需要はそんなに多いとは言えないけれども、しかし、需要はないわけじゃないので、これだけ大きな貸し出し減ということになれば、これは完全に資産圧縮を行ったということじゃないんですかね。ですから、自己資本比率が、たしかUFJは一一・何%だったと思いますが、自己資本比率だけではやはり銀行の評価はできないということだろうと思うんですね。
これでもう、本当に銀行としての一番大きな、つまり人間の体でいえば血液のように、お金というのは回っていかなきゃいけないわけですから、その回す役割を果たしていないというような銀行というのは、やはりこれは銀行として評価できるんですか。
○竹中国務大臣 メガバンクに限りませんけれども、やはり銀行が担っている社会的な役割、社会インフラとしての役割は極めて大きいものでありますから、であるからこそ、銀行の資産査定や自己資本やガバナンスを強化することによって健全な資金仲介機能が機能できるような状況に持っていく必要があるというふうに考えているわけでございます。
これは、やはりマクロ全体でとらえますと、なかなかベースマネーがふえてもマネーサプライがふえない、信用乗数が低下しているという、システム全体として見るとやはり厳しい事実がありますので、であるからこそ、先ほどから申し上げているような三つのポイントに対して適切に配慮し、かつ、その間、中小企業金融が滞らぬように、新たな参入の促進等々も含めて、総合的にやはり金融システム強化の施策を打つ必要があるというふうに思っております。
○横路委員 たしかここの頭取は銀行協会の責任者ですよね。これは、業務改善命令を出して、銀行の方は何と答えているんですか、この今の現状、状況について、例えばUFJとあさひの方は。
○竹中国務大臣 業務改善命令を発出した後の対応でございますけれども、具体的方策を織り込んだ業務改善計画を平成十四年十一月十五日までに提出させる、それを着実に実施する、それについては、改善計画提出後三カ月ごとにその実施状況を報告することを求めるということにしております。
○横路委員 今の、中小企業に対する銀行の方の、貸出金利を上げろとか、資産、土地が下がったからどうというような形の貸しはがしは、本当にひどいんですね。それで、こういう現実で、例えばホットラインをつくるとか、そういう銀行に対するもっとしっかりとした指導を行うとかいうようなことが議論されていますけれども、私は、やはりそういう体制をとることが必要だと思うんですよ。
この点については、今のこの貸し渋り、貸しはがしの状況とそれに対する対応について、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○竹中国務大臣 今委員が御紹介くださいましたように、既に先週、貸しはがし、貸し渋りのホットラインというのを金融庁の中に設けております。これを今、金融庁で稼働し始めた段階でありますけれども、金融庁、東京に知らせるということだけではなくて、地方でも対応可能なように、これは財務局等々にお依頼するということも含めて制度づくりを議論しているところでございます。
さらには、その結果を何らかの形で銀行の検査に反映させていくということも私は必要であると思っておりますし、そのような方向で検討をしております。
さらに加えて言えば、先ほども申し上げましたように、やはり、中小企業に対する新たな金融の仕組みをつくっていくということも同時に並行してやっていくことが大変重要であるというふうに認識をしております。
○横路委員 それで、不良債権を平成十六年度中に終結させると言っておられますが、その終結というのは、どういう状態をもって終結だと考えておられるんですか。
○竹中国務大臣 これは基本的には、トータルの判断として、日本の金融システムが十分に安定して、より強固になったという、その信頼感を国民及び市場で得ていただけるような状況にするというのがまさに終結の意味であろうと思います。
とはいうものの、やはりその中間目標的なものは私は必要だというふうに思っておりますので、それについても十分今議論をしているところでございます。
○横路委員 今、不良債権比率が三月期、主要行で八・四%ですよね。これはやはり減らしていくということだと思うんですね。半分にするというのか、あるいはもっと減らすようにするのか。それはどういう議論をしているんですか。
○竹中国務大臣 今まさに議論をしているところでございますけれども、総理も以前、その比率を半分ぐらいにするというような御答弁をなさっておられますし、そういうこれまでの目標、その目標に向かって政策を加速させるという意味ですから、そうしたことも考慮に入れて今議論をさせていただいております。
○横路委員 経済財政諮問会議の民間人の議論の中でも、あるいは竹中さんもこういう言葉を使われたと。経営状態のよい銀行、悪い銀行という言葉。よい銀行は自主的に判断をして自主的にやっていただく。悪い銀行は公的資金を導入して国有化を含めた措置をとっていかなきゃいけない。じゃ、一体、そのよい銀行、悪い銀行というのはどういうことなのか。自己資本比率だけでいっても、今さっぱりそれだけではよい銀行か悪い銀行かわからないということで、その厳格な査定から始まった三つのことなんでしょうが、これを峻別するそのメルクマールというのはどこにお考えですか、よい銀行、悪い銀行と皆さんが使っている言葉。
○竹中国務大臣 御指摘のペーパーは民間議員の四名のお考えということだと思います。これは一つの考え方の整理ということで出されたものだというふうに思っておりますので、具体的にどのようにこれを政策としてやっていくかというのは、これは行政上の判断の問題になろうかと思います。
しかし、いずれにしましても、資産査定をきっちりと行って、自己資本比率をきっちりと見て、それでガバナンスをきっちりとやる仕組みをつくっていけば、これはやはりその結果として銀行システムがより強固になっていくような一つのメカニズムが生まれてくるというふうに思っております。
○横路委員 不良債権の処理。
一つは、間接償却といいますか、引当金をしっかり積むということですね。そして、積んでもし過少資本になれば、それは資本を注入していくということだと思います。
それから、直接償却というものが進められる過程で、倒産、失業というのは具体化、現実化するわけですね。引き当てをして、そのことによって金融機関からのいろいろな融資などがやはり滞るということになれば、それはいろいろな影響がもちろん企業にも働いている人にも出るわけでございますけれども、そこのところをしっかり、何か不良債権処理するとすぐ議論になりますが、今の状況は、主要行の破綻懸念先以下の債権でも十五兆四千億ありますから、これを二年間で処理をするということになれば、それに伴って倒産、失業がもちろん出てくるわけですね。
しかし、この間接償却と直接償却というのはやはり区別して考えなければいけないというように思うんですね。やはり、そこの間接償却、引き当てをしっかり積んで銀行の今の現実の姿を明らかにするということがまず第一。それから後は、直接償却によって生じてくるさまざまな影響をどうやって解消していくのかということで、中小企業への金融や雇用の問題、全体的なデフレ対策を含めた政策が必要になってくるというように思うんですが、そこのところが時々混乱している嫌いもあるなというように思って議論を見ておりますが、その辺はいかがお考えでございますか。
そしてもう一つ、時間もありませんので、今のこの十五兆四千億、二年間で処理をするとして、どんな倒産、失業の状況になるというのを見て、それをベースにして、これから将来のことも考えてデフレ対策をまとめられるんだと思うんですが、それはどういう現状の認識でどんな政策になるんでしょうか。
○竹中国務大臣 大きく二つの御指摘と御質問があったと思いますが、まず、やや技術的なところからいいますと、いわゆる間接償却で引き当てる、それが先である、その後、いわゆるオフバランス化をしていくというプロセス、プロセスの認識としては御指摘のとおりだと思います。そうした議論が時として非常に混乱しているというのも、私もそのとおりであると思います。
ただ、重要なのは、十分な引き当てを行った場合は、これはいわゆる簿価と時価が一致するわけでありますから、それは同時にオフバランス化を加速する要因にも私はなってこようかと思います。むしろ重要なのは、そのオフバランス化に当たって、その再生のメカニズムですね、この企業の再生のメカニズムをいかに組み込んでいけるか、ここが今回の、実は、これから二年半、不良債権償却の加速を行おうとしているときの最大のポイントであると思っております。
実は、これが第二の質問にも関連するわけでありますが、この再生については、新しい再生の仕組みをつくるということを今目指して調整をしておるのですが、この再生の仕組みづくりいかんで、ないしはその不良債権の資産査定の状況次第で、その後のさまざまな経済のパフォーマンスは実はかなり大きく変わってくるわけでございます。その意味では、現状では、基本的な考え方、基本方針を今一生懸命議論しているわけでございますけれども、実際に償却がどのように進むか、さらには再生のメカニズムがどのようにつくれるかという状況の中で、御指摘のようなマクロ経済的な問題についても十分慎重に見きわめながら対処していきたいというふうに思っている次第でございます。
○横路委員 最後に、税効果会計ですね、これについてちょっとお尋ねしたいと思うんです。
これはルール変更だという議論がありますが、実際は、実体以上に過大になっているわけですね。だから、実体に合わせるという意味では、ルールの変更じゃなくて、そういう実態の是正措置ではないのか、私なんかはそんなぐあいに思うんですが、ここは、大臣、いかがお考えですか。
これは今度どうなるんですか。何かさっぱりよくわからない。やめにしちゃうんですか。先に延ばすんでしょうか。僕は先に延ばすというのは一番悪いと思います。先に延ばせば、それに向けて銀行はもう資産圧縮やるに決まっていますよ、それは。そうすると、まだひどい状況になりますよ。こういうのは、やるかやめるか、どっちかですね。
しかし、実際を見ると、実体以上に過大になっているわけですから。だって、過去三年間、大手行はどのぐらい税金を納めているんですか。それ一つ見てももう過大ですよ。ですから、質の非常に悪い自己資本の状況に今なっている、こういうことだと思うんですが、ここはどんなぐあいにお考えになるんですか。それで、どうするんですか。
○竹中国務大臣 ルール変更というお言葉が出ましたが、その場合、この問題、今回非常にクローズアップされたわけですが、やはり三つのルール、三つの分野でのルールがあるということが重要なのだと思います。
一つは、やはり企業会計上の問題である。企業会計上、その資産性をどのように見るかという問題。
もう一つは、税制の問題があります。今の税制に基づいて今のような形状になっているという面があるわけであります。
もう一つは、これは金融当局としてのBIS基準に基づく監督のルールというのがあります。監督のルールというのは、これは適宜適切に変えていかなければいけない性格のものでありますが、企業会計のルール等々についてはそれなりの継続性が重要であるという点も、これは理解できるところであろうかと思います。
したがって、この問題を最終的にどのように決着させるかというのは、これは大変重要な問題であると思いますが、その資産性については十分やはり正しく認定しなければいけないという問題でありますので、今御指摘のような点も踏まえて、最終的に、今そのシステムづくりの最終調整をしているところでございます。
○横路委員 やることはやるんですか。
○竹中国務大臣 やるということの意味だと思いますけれども、この問題については、自己資本をどのようにより厳格に見ていくかということの中でしっかりと議論をして、その新しい金融規制監督の方針の中に織り込んでいきたいというふうに思っております。
○横路委員 小泉総理は、ともかくこの不良債権処理問題を、平成十六年度中ですか、終結させると言っているわけですね。そうすると、きょう、わずかな時間で若干議論した査定の強化などのいろいろな措置というのは、やはりすぐやるべきことはたくさんありますよね。それはいつまでにどうするんだということを、今まではいろいろな改革工程表やなんか、みんな時期を明示してやってきているじゃないですか。今回もそこはちゃんと明示してやられることになるんですか。
○竹中国務大臣 今基本方針を詰めておりますので、基本方針が決まり次第、具体的にどのような工程でやっていくかという工程表を直ちにつくる、今、そういうつもりでおります。
○横路委員 官房長官が来られたから、質問を要求していませんが、ちょっとお尋ねしたいと思うんです。
十一月中旬に今年度の税収の実態というのが明らかになると思うんですね。それに対するいろいろな対応策というのをとらざるを得なくなります。そういうことで、今の金融システムとデフレの総合的な対応ということを含めて、三十兆円枠の問題とか補正予算はいつどうするかとかというような問題がいろいろと議論されているわけなんですけれども、大体、これは明らかになるのはいつごろ、やはり十一月中、下旬ぐらいになるんですか。大体、十一月いっぱいでわかるんでしょう。
○福田国務大臣 お尋ねの件は、確定的にいつ税収がどうなるかということについて明らかになる時期について、私も正直言ってまだわかりません。いずれはなるんだろうと思います。そう遠くはないと思います。その段階で今後のことは判断すべきと考えております。
○横路委員 いずれにしても、この金融システムですね、冒頭申し上げましたように、銀行の頭取だとか銀行のためじゃなくて、それを預金している人とか借りている人のため、ひいては日本の経済のためということでございますので、大分何か銀行からいろいろとやられているようでございますけれども、そういう基本的な立場に立って政策づくりに御努力いただきたいということを申し上げて、終わります。ありがとうございました。
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